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第80話

 授業中も心ここに在らず。

 レンちゃんはレダちゃんと仲良くしているだろうか?。

 何かトラブルは起きてないだろうか?。

 ハラハラしていると、稲川が声をかけてきた。

 「いつまでESPカード貸しておけば良い?。」

 「あ、ごめん。

 どうせ持ってても使い方わからないから返そうかと思ってたんだけど、今来てる妹が使い方知ってるみたいだから、もう少しだけ借りてて良いかな?。」と俺。

 「わかった。

 いや、使う用事ないから返してもらうのはいつでも良いんだけど、もう使ってないなら返してもらおうかな?って思っただけ。」と稲川。


 そう言えばこちらの世界で除霊する事になったが、心霊スポットとか稲川に聞けば結構わかりそうだ。

 「稲川は心霊スポットとか詳しいだろ?。

 教えて欲しいんだけど。」と俺が言うと稲川は少し機嫌が悪くなった。

 「病院とか古戦場とか・・・最近に事件、事故が起きてない場所なら教えるよ。

 でも、頼むから最近事件、事故があった場所で騒がないでくれ。

 そこは遺族にとっては近しい人が亡くなった場所なんだ。

 そこで騒ぐような非常識な真似はしないでくれ。」と稲川。

 オカルト好きにも侵しちゃいけない決まり事とか美学があるようだ。

 心霊スポットならレンちゃんも詳しそうだ。

 レンちゃんに聞こう。


 授業が終わり下宿に戻る。

 意外とレンちゃんとレダちゃんは打ち解けたみたいだ。

 そう言えばこの二人、同い年か。

 俺は安堵の息をつく。


 「ねぇ、お兄ちゃん。」

 「ん、どした?。」

 「この姿見なんだけど、異世界に繋がってるの?。」

 俺は飲んでいた麦茶をムセてしまった。

 レダちゃんには「異世界の話はこちらの世界の人間には絶対するな」と言ってある。

 レダちゃんは同じような事をおばあちゃんにされていたらしく、異世界で日本の話、日本で異世界の話は元からしなかった。

 なので、レダちゃんには特に口止めはしていない。

 しなくても『異世界の話』などはしないだろう、と思っていた。

 それ以前に、いつも目を閉じてもらっているので、姿見を通って異世界と日本を行ったり来たりしている事はレダちゃんも知らないはずだ。

 つまり「レダちゃんも知らない事をレンちゃんは知っている」事になる。

 「どうしてそう思うの?。」とレンちゃん、不味い、口に出してたみたいだ。

 「姿見が異世界に繋がってると言う話はレダちゃんにはしてないんだ。

 理由はいくつかある。

 一つ目の理由『姿見は俺の物じゃない』

 廃病院にあったのを肝試し中に偶然見つけただけなんだ。

 持ち主は誰か知っているし、存命なんだよ。

 だから本当は勝手に姿見を使うべきじゃない。

 俺が使うのも問題あるが、俺が又貸しする権利はない。

 二つ目の理由『存在を知ってるとトラブルに巻き込まれる可能性かある。』

 実際、姿見を求めて盗賊団が動いていた。

 三つ目の理由『今のところ一つしかない転移手段で、割れたら終わり』

 元々は廃病院にあった姿見だけど、あそこの廃病院なんて肝試しのガキが入れ替わり立ち替わり来るんだよ。

 いつ姿見が割られてもおかしくない状態だったから俺が自分の部屋へ避難させた。

 本来、一人の人間がコッソリ使うのが目的の物であって、多人数がワイワイ利用すべき物じゃないんだよ。」

 「なるほど、それが私達に転移方法を教えない理由って訳か。

 アイアちゃんも転移方法は知らないんだよな?。」レダちゃんが話に割り込んできた。

 「あぁ、知らない。

 あの子は異世界での立場もある。

 知っていたら、頻繁に日本と異世界を転移しただろう。

 だから、転移方法が異世界の人間にバレる可能性も高くなる。

 だから教えなかったんだ。」と俺。

 「レンちゃんはアイアちゃんを見ているんだって。

 姿見から現れたところを今朝見たらしいさ。」とレダちゃん。

 「そうか。

 レダちゃんとアイアちゃんは異世界での冒険者パーティの仲間なんだ。」と俺。

 「その話を信用しろっていうの?。」レンちゃんは戸惑っている。

 「知ってしまったからにはレンちゃんを巻き込もうと思うんだけど・・・まだ冒険者になれるかはわからないけど異世界に転移して俺らをサポートしてくれないか?。」と俺。

 「無理、無理、無理、だって私、広島だよ?。」とレンちゃん。

 「何だ、そんな事は大した問題にはならないよ。

 今日、広島まで俺がレンちゃんをおぶって送って行くよ。

 それで無理かどうか判断して欲しいな。」と俺。

 「おぶる???」レンちゃんは意味が理解出来ていない。


 レンちゃんをおんぶするのは何年ぶりか。

 「もっとゆっくりしていけば良い。

 何だったら異世界で晩御飯を食べて行こう。」と俺がレンちゃんに散々言ったのだが、レンちゃんは「今日中に帰らないと、新幹線の時間もなくなっちゃうし。」と夕方頃帰り支度を始めた。

 そこまで頑なに帰りたがるんじゃ仕方ない。

 「じゃあ送って行くよ」

 「え、どこまで?」

 「どこって、広島の家まで」というやりとりかあって、レンちゃんを久々におんぶした。

 抵抗は全くなかったな。

 「さあ、背中に乗って」って言ったら「はい」って感じで。

 「じゃあ飛ばすよ、しっかりつかまっててね」って言ったのが10分前、今いるのが広島自宅前。

 

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