第79話
~レン視点~
気まずい。
何で私はお兄ちゃんの下宿で、知らない女の子と二人でいるんだろう?。
『レダちゃん』とお兄ちゃんに呼ばれてた女の子が私に麦茶を差し出す。
これじゃ私がお客様みたいじゃない。
「おかまいなく!」少し強く言ってしまった。
感じ悪かったかしら?。
少し冷静になるべきよね。
話をしよう。
遠回しに関係ないような話をしていって、最終的に核心に迫るような話が出来る関係になれるのがベストね。
「レダさん、お兄ちゃんとはどういう関係なのかしら?。
もしかして恋人同士?。」と私。
ってアホー!。
核心ど真ん中、聞きたい内容No.1じゃない!。
「私とテムさんはまだ、恋人同士じゃないさ。」とレダちゃん。
『まだ恋人じゃない』とかぬかした?、このクソビッチ!。
アンタなんかが私を差し置いて『お兄ちゃんの恋人』になるなんて事はあと40世紀は早いのよ!。
ハッ、ダメよ、冷静にならないと。
冷静に情報を収集するのよ!。
「クソビ・・・じゃなくてレダちゃんはお兄ちゃんとどこであったのかしら?。」
「私は職を探してたさ。
その時、テムさんが声をかけてくれたさ。
私は家がなくて橋の下で暮らしてたから、家が見つかるまでテムさんのお世話になってるさ。」とレダちゃん。
相変わらずお兄ちゃんは優しい。
このクソビッチはその優しさにつけこんでお兄ちゃんの部屋に上がりこんでるのかしら?。
そう言えばもう一人女の子がいたわね。
あれは誰なのかしら?。
この子は知っている様子だったけど、同じベッドで寝てたし。
「今朝もう一人、女の子がこのベッドで寝てたと思うのよ。
あの子、レダちゃんは知ってる?。」と私。
「あぁ、アイアちゃんか。
ああ見えて彼女は大金持ちの経営者さ。」
あの銭ゲバ女がお兄ちゃんをヒモ男にしようとしているの!?。
そんな事より、気になってる事がある。
「レダちゃん、お兄ちゃんと二人でその姿見の中から出てきたわよね?。」と私。
レダちゃんは驚いてこちらを見ている。
「私達、この姿見から出てきたの?。」レダちゃんは逆に私に問い返してくる。
レダちゃんは姿見の鏡面に触れる。
触れたレダちゃんの手が鏡面に吸い込まれる。
「あぁ、そういう事か」とレダちゃんは納得がいった様子。
レダちゃんは私に向き直ると言った。
「答え合わせをした訳じゃないから、正解じゃない事もあるだろうけど、私の推論を言うさ。
恐らくこの姿見は異世界に繋がってるさ。」とレダちゃん。
「何を根拠に・・・」
「私は異世界で生まれ育ったさ。
でも私のおばあちゃんは日本から来た転移者だってテムさんは言ってたさ。
だから私という存在は『日本』と『異世界』が存在する証拠なのさ。
あなたが言ってたアイアちゃんも今、異世界にいるさ。」とレダちゃん。
「そんな・・・。」
「『論より証拠』
テムさんが戻って来たら異世界に行ってみるさ。」とレダちゃん。




