第77話
盗賊達には問題なく稽古をつけられている。
レダちゃんには、そろそろ追い付かれるかもと思っていたが、補助魔法を上手く使えばもう少し優位を保てそうだ。
アイアちゃんにはボゴられつつもついていければ良い。
今日も互角以上に闘える・・・と思っていたら後半キッチリ凹られた。
天井が高い方がやりがいがある。
こんなもんでめげたりしない。
特訓終了。
湖で水浴びする。
ちょっとエッチなトラブルを期待していたが、レダちゃんをみんなで押さえていたらしく、トラブルは発生しなかった。
わかってねえ!。
『トラブルなんて嫌』は『トラブルなんて嫌。しかしエッチなトラブルは
その限りではない』という意味だろうが!。
トーシローが過ぎる。
そこら辺は今度、小一時間説教するとして今回は時間もない。
とりあえず、今日はここで解散する事になった。
盗賊達とアイアちゃんは『鍵屋』に戻る。
よく考えたらこの特訓の間、『鍵屋』の事務所を空にして良いんだろうか?。
まあ、何かと異世界は緩いから良いのか。
俺も大学で授業を受けなきゃいけない。
レダちゃんを連れて日本に戻る。
レダちゃんとアイアちゃんが打ち解けたなら、レダちゃんの監視役はアイアちゃんで良いかも知れない。
元々、レダちゃんは素直過ぎて危ういところがあるから一人にして置けないだけで、賢くない訳でもない。
なんならアイアちゃんより賢いかも知れない。
とにかく今日は日本に連れて行こう。
その後どうするかはアイアちゃんも含めてゆっくり考えるという事で。
俺はレダちゃんにめを閉じてもらい、手を引いて姿見を通り日本の俺の部屋へと帰って来た。
「ふぅ、ただいま」俺は誰に言うでもなく言った。
独り暮らししてると、誰もいなくても『行ってきます』とか『ただいま』とか言うよね?。俺だけじゃないよね?。
「・・・おかえり?」
何故か誰もいないはずの部屋で、俺の独り言に対する返答があったでござる、しかも疑問系。
レダちゃんは少し驚いたようだけど『あぁ、この部屋、他に人いる事もあるんだ』と受け入れた様子。
リラックスして、冷蔵庫の中から麦茶を出して飲んでいる。
俺はこの子を知っている。
妹だ。
大方、帰って来ない俺の様子を見に来たんだろう。
それは大した問題じゃない。
鍵だって大家さんに借りるなり、いくらでも方法はあるだろう。
問題はそこじゃない。
「俺達が姿見から出てきた」という事だ。
しかも姿見から出てきたのは俺一人じゃない。
女の子を連れてだ。
それはもうバッチリ見られている。
誤魔化せない。
どうしよう。




