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第75話

 夜明け前に起き出し日本に転移する。

 帰ろうとすると盗賊が一人見送りに来てくれた。

 警備の仕事は24時間体制で備えてなくちゃいけないんだな。

 これアイアちゃんと、部下の盗賊五人で回すのムチャクチャ大変なんじゃないか?。

 そりゃ時々、アイアちゃんも羽目外したくなるよな。

 増員も含め、考えなきゃいけないかも。

 でも人材がいるかな?。


 起こさないように静かに部屋に降り立つ。

 二人ともベッドで抱き合うように寝てる。

 うーん、百合ってイマイチ俺の趣味に合わない・・・って、そんな話じゃない。

 ソファ空いてるじゃん。

 わざわざ異世界に行かなくてもよかったな。

 いやいや、俺が異世界に行ったおかげでこうやって、抱き合って寝るくらい打ち解けたんであって、俺がいたら他人行儀のままかも知れない。

 とにかく二人を起こそう。

 「二人とも起きて!。

 マギーの街の朝市に行くよ!。」と俺。

 「朝市?。

 何で?。」とアイアちゃん。

 「理由は、こちらの世界ではもう食材もお金もないからです。

 向こうのお金なら唸るほどあります。

 だから、向こうの世界で朝御飯をたべましょう!。

 こちらの世界では拾い食いしかできません。」と俺。

 口に出すと俺情けねー!。

 決めた!。こちらの世界でアルバイト探す。


 俺はアイアちゃんとレダちゃんの手をつなぎ、姿見の中へ連れて行く。

 この光景を見られれば、まるで二人をコマしたようだ。

 まさか・・・ね、こんな朝早く誰かに見られるなんて有り得ないよね。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


~?????視点~

 「お兄ちゃん突然夜行列車で早朝に来たら驚くかな?。

 でもしょうがないよね。

 お父さんとお母さんに言わずに来たんだし、今日中に帰らなきゃいけないんだから。

 でも、お兄ちゃんが悪いんだからね!。

 広島には全く帰ってこないし、スマホの電源入れてないし・・・。

 それにカードでお金はおろせるけど通帳広島に置いていったら、通帳残高は記帳出来るんだからね。

 通帳残高23円ってどういう事よ!。

 そりゃ妹としては心配で様子くらい見に来るわよ!。

 お父さんとお母さんに言ってないんだから感謝してよね!。」


 何て言って声かけようかな~?。

 ドキドキしてきた。

 窓からコソッと覗き込む。

 あ、お兄ちゃんだ。

 ちょっと大人になってるけど間違いない。

 鼻を奥が何故か少しだけツンとする。

 ちょっと待って!

 お兄ちゃんが誰かを起こした!。

 女の子だ。

 私と同じくらいの年齢じゃないかしら?。

 ちょっと待って!。

 女の子って一人じゃないの!?。

 都会は進んでるっ言うけど、その進み方は全く羨ましくないわよ!。

 目の前が真っ暗になる。

 大好きな兄が東京(ほんとうはかながわ)で爛れた生活をしている。

 はっ!。

 いけない、いけない。

 ショックのあまり一瞬気を失っていた。


 兄に「目を覚まして!。

 昔のお兄ちゃんに戻って!。」と一声かけなくてはならない。

 インターホンを鳴らす。

 返答なし。

 居留守でも使っているのだろうか?。

 はっ!。

 私の気配を察知して裏口から逃げた!?。

 してやられた!。

 でも・・・ほらやっぱりお兄ちゃんの鍵の隠し場所、昔と変わってない。

 必ず玄関脇に植木鉢を置いて、その下に予備の鍵を隠すんだよね。

 お兄ちゃんの事なら何でも知ってるんだから!。

 逃げても無駄だよ。

 部屋で待たせてもらうからね!。

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