第70話
餅米も塩も聖水も残った分は洞窟に置いてきた。
ホラ、いつ悪霊達が復活するか分からないからその時用に置いて来た。
持って帰るのが面倒臭いとかじゃない。
レンタカー屋に車を返しに行く。
アイアちゃんは馬車が俺の物だと思ってたらしく、レンタカー屋に車を返す俺を見て、パニックに陥っていた。
「マカオでギャンブルに負けた馬が馬車を抵当に入れていたから、質草に馬車を取られたんだ。」と教えると「ギャンブルは本当にダメだ。私のお父さんもギャンブルで借金をして姿を消した」と真顔で言っていた。
この子、少しは人を疑うべきだ。
何で馬がギャンブル依存症やねん。
レベルアップのないこちらの世界でモンスターを倒したらどうなるか、疑問だった。
その疑問のヒントになるのが、今回の悪霊退治後のパラメーター変動である。
他人のパラメーターは見れないので、アイアちゃんとレダちゃんのパラメーターがどう変動したかはわからない。
でも、自分のステータス変動は見れる。
今回の悪霊退治で、ひたすら魔力だけが上がった。
魔力が上がったという事は、霊感が上がったという事だろうか?。
魔力はなかなか上がらない悩みのタネだった。
もし魔力が上がるなら、日本で心霊退治をして回っても良いかも知れない。
だけど、それを商売にしてしまうと目立ってしまう。
心霊退治をするにしても、こっそりだ。
そろそろアイアちゃんを異世界に送って行かなきゃいけない時間だ。
「アイアちゃん、そろそろ家に送って行くよ」と俺。
「まだ帰りたくありません。
今日は一緒に・・・」
「一緒に・・・?」
「トレーニングをやっていきます」
ズコー
いや、わかってたけどさ。
男って夢みちゃう生き物じゃん。
俺らは異世界で指折りの金持ちだ。
成功者だ。
しかし、『川崎市指折りの貧乏人』でもある。
本来、俺たちは日本ではあまり食事を摂らない。
なぜなら、異世界ならかなり贅沢なものを食べれるからだ。
今日もレダちゃんを連れて、アイアちゃんを異世界に送って行くつもりだった。
帰りについでに異世界の酒場か何かで、二人で食べて・・・それからトレーニングする予定だった。
アイアちゃんの『帰りたくない』発言で全てが狂った。
使えそうなクーポン券と、手持ちの金を確認する。
今日はカレーだ。
トッピングは禁止だ。
マジでアルバイト探そう。




