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第71話

 「この写真はなんですか?。

 文字は読めませんが、私達が食べているカレーとは違うみたいです。」とアイアちゃん。

 「もう写真という物を覚えたとは・・・。

 最初の頃は『上手な絵ですねえ!。こちらの世界の人はみんなこんなに絵が

上手なんですね!。テムさんも絵書いてくださいよ!。』って無理矢理俺に絵を書かせて『なんか・・・ごめんなさい』って謝ってたじゃない。

 アレ、俺の中では自信作だったんだ。

 謝られて逆に傷ついたよ。」と俺。

 「その折は申し訳ありませんでした。

 ・・・それより話を反らしましたよね?。

 あの写真は何なんですか?。」とアイアちゃん。

 「これはトッピングって言うんだ。

 カレーっていうのはイマイチ食欲をかきたてる見た目じゃないんだ。」

 「それは・・・その通りですね。」

 「だから毒を混ぜて害獣に食べさせる時、旨そうに見せるためにトッピングするんだ。

 そうすると害獣たちがカレーを食べるって訳。

 もちろん、俺たちが食べたカレーには毒は入ってないから心配しないで良いよ?。」

 「つまりこれ食べたら死ぬって事ですか?。」

 「そういう事。

 『絶対、トッピングはするな』っていうのを守れば命の危険はないよ。」と俺。

 「わかりました。

 絶対トッピングはしません。」とアイアちゃん。

 この子は何でも信じすぎる。

 ランニングの時に見た都庁を『巨大ゴーレムだ。』と言って信じると思わなかったし。


 しかし『飲みニケーション』『食いニケーション』ってある程度打ち解けてないと気まずいだけだと思わねーか?。

 気を許してないヤツと飯食ったって飯が喉を通らない。


 俺はある程度レダちゃんと打ち解けている。

 しかしレダちゃんとアイアちゃんはまだ打ち解けてはいない。

 俺が緩衝材になっているからギクシャクしながらも回っているが、レダちゃんとアイアちゃんはまだ打ち解けてはいない。

 友達と友達の友達とカラオケに行って、友達がトイレに行った時のような気まずさがアイアちゃんとレダちゃんの間にはあるだろう。

 そう思っていたら、レダちゃんは意外に気まずさがないようだ。

 さすが野生児、人見知りはしないらしい。


 「知っていますか?。」とアイアちゃん。

 「もちろん知っています。」と俺。

 「さすがテムさん、何の話をするか既に予測がついてるとは・・・。」とアイアちゃん。

 「いや、本当は全くわかってない。」と俺。

 「真面目に聞いてください!。

 これは『伝説の勇者』の伝説です。

 昔、不死の王がいました。」とアイアちゃん。

 「また、『頭痛が痛い』みたいな話だな。

 ・・・で、その『アインズウールゴウン』がどうしたの?。」と俺。

 「!?。

 勇者様の名前を知ってるんですか!?。

 古い伝説で勇者様の名前は『失伝』しているんですが・・・。」とアイアちゃん。

 「知ってると言うか、知らないと言うか・・・ごめん、本当は知らない。」と俺。

 「全く・・・どこまで冗談で、どこまで本気なんですか!。

 その昔、不死の王がいました。

 王にはアンデッドを退けるアイテムが通用しませんでした。

 そして低級の『浄化魔法』も通用しませんでした。

 不死の王は伝説の勇者の伝説の武器で倒されます。」とアイアちゃん。

 「めでたしめでたし・・・で、俺にこの伝説を聞かせた訳があるんだよね?。」と俺。

 「その通りです。

 今日倒した悪霊はアンデッドを退けるアイテムが一切効かなくなりました。

 つまり『悪霊(スペクター)の王』であった可能性が高いです。」とアイアちゃん。

 「悪霊王(デーブスペクター)!?。」と俺。

 「知っているんですか!?。」とアイアちゃん。

 「いや、全然。」と俺。

 「・・・どこまで、テムさんが本気なのか私にはわかりません。

 兎に角、不死の王には低級浄化魔法(キュア)は効きませんでした。

 テムさんは悪霊の王と思われる相手を低級浄化魔法(キュア)で倒しました。

 本当は悪霊の王に低級浄化魔法は効かないはずだったでしょう。」とアイアちゃん。

 「と、言う事は?。」と俺。

 「こちらの世界での悪霊退治で、魔力、そしてそれによる浄化魔法などが強化されたようです。

 ですから、こちらの世界で悪霊退治をしましょう。

 魔力を上げるために。」とアイアちゃん。

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