第60話
俺「こんにちは」
踊り子の女の子「へ?。」
俺「こんにちは。
今、時間ある?。」
踊り子の女の子「あ、あるさ。
でも私あんまりお金持ってないさ。
ソロの仕事何とかこなして、1日一回何とか食事したりしなかったりだからな。
こんな、カッコいい男の人に話しかけられても、全く金は払えないさ。」
キャッチセールスみたいなもんだと思われてるみたいだ。
それにしても『カッコいい男の人』だってさ!。
本当に生きてて良かった。
俺「いや、お金は必要ないんだ。
今日は冒険者として君をスカウトしようと思って話しかけたんだ。」
踊り子の女の子「スカウト?」
俺「そうだ。
俺は君を俺のパーティに勧誘しようと思って今回話しかけたんだ。」
踊り子の女の子「パーティの誘い!?。
でも今回は前に勧誘された時みたいに『幸運の壺』を買うお金はないさ。
それに前回も『幸運の壺』のお金を渡したら、私をパーティに勧誘してきた人はどこかに行っちゃったさ。」
俺「それはどこかに行っちゃったんじゃなくて、騙された・・・な事はどうでも良いんだよ。
今回は別に『幸運の壺』は買わなくても良いんだ。」
踊り子の女の子「じゃあ前々回みたいに『海の生き物の版画』を買うの?。
何にしても手持ちのお金が足りないさ。」
この子は育ったところからマギーの街に来て、ケツの毛まで巻き上げられた、いや、現在進行形で巻き上げられているようだ。
きっと人を疑う事を知らない純真無垢な子なんだろう。
俺はこの子を不憫に思った。
俺「名前はなんていうの?。」
踊り子の女の子「ばあちゃんに『知らない男の人に色々聞かれても答えちゃダメだ』って言われてるさ。
『凄い高い煎餅布団を売り付けられる』って。」
俺「(目をみつめながら)名前を教えて欲しいな。」
踊り子の女の子「し、し、し、しょうがないな!。
『レダ』って言うさ。
子、子、子供は女の子と男の子の二人欲しいさ。」
チョロい、チョロすぎる。
この子はマギーの街に来てから騙され続けているんだ。
俺は半分確信しながら、どうしても気になってる話を聞いた。
俺「どこに住んでるの?。」
レダ「橋の下に住んでるさ。」
やっぱりだ。
この子はホームレスだ。
「採用」
この子に何が出来るかはわからない。
でも、この子を暖かいお風呂に入れてあげたい。
この子に暖かい物を食べさせてあげたい。




