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第57話

 冒険者ギルドのパーティ募集の掲示板にチラシを貼る。

 金にモノを言わせて他のチラシの三倍くらいの大きさのチラシだ。

 俺は異世界の文字は読めない。

 だから指示通りにアイアちゃんに書いてもらった。

 人を人とも思わない労働条件の多い異世界に於いて『これ以上ない』という労働条件だ。

 「当方、格闘家と盗賊のパーティです。

 募集若干名

 給与完全歩合制。

 最低生活給保証。

 産休、要相談。

 財形貯蓄制度あり。

 性別問わず。

 年齢問わず。

 ジョブ問わず。

 レベル問わず。

 経験問わず。

 歩合制なので働いただけ金になりますが、望めば週休二日OKです。

 誕生日休暇あり。

 風通しの良い過ごしやすいパーティです。

 やる気のあるあなたを待ってます!。」

 完璧なチラシだ。

 若干名の募集で何十名来るかな?。

 優秀な人材はこちらも必要だし、5名くらいは採用しようかな?。


 ~一週間経過~

 おかしい。

 まだ一人も来ない。 

 そんなはずはない。

 もしかしたら冒険者ギルドの受付に応募の話を持っていってるのかも知れない。

 コイツは俺っちのミステイクだ!。

 ウッカリ『問い合わせ先』を書くの忘れてた!。


 俺はイケメンに声をかける。

 「・・・で、ウチのパーティ募集に何人応募があったんだ?。」と俺。

 「お前らのパーティ募集に何件応募があったかなんて俺は知らねーよ。」とイケメン。

 「俺もどれだけ応募があったか知らない。

 お前もどれだけ応募があったか知らない。

 つまり・・・」

 「応募なんてなかったって事だな」とイケメン。

 「何でだ?。

 おかしいだろ!?。

 何で他より応募条件良いのに応募ないんだよ!?。

 もしかして『誕生日休暇』は書かない方が良かったか?。

 誕生日なんてだいたいのヤツは年に一回だし『誕生日休暇』書いてる企業ってだいたいブラックだし!。」と俺。

 「いや、それが原因じゃないだろ?。

 理由はこの一文だと思うぞ。

 『当方、格闘家と盗賊のパーティです』

 誰が好き好んで、この面白パーティに入りたいんだよ?。

 例えばこの隣の募集のチラシ『当方、戦士と重騎士、魔法使い、僧侶のパーティです。まだ若干名の増員を考えてます。』

 前衛二人と後衛二人のパーティだ。

 ここに遊撃がいたら強くなるかもな。

 例えば『狩人』とか『槍騎士』とか。

 それに比べてお前らは何だ?。

 前衛0人、後衛0人、遊撃2人の面白パーティじゃねーか。

 これに応募するヤツいると思うか?。」とイケメン。

 「可能性は無限大じゃねーか。

 オラワクワクすっぞ!。」と俺。

 「お前がワクワクしたって、だいたいのヤツはお前らのパーティに未来を感じてないんだ。」とイケメン。

 「なん・・・だと!?。」俺は膝から崩れ落ちた。

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