第48話
一週間が経過した。
やれる事はやった。
まさに『人事は尽くした。あとは天命を待つのみ』だ。
朝、アイアちゃんは俺とスパークリングをして午後、盗賊団のボスと闘う。
今、俺はアイアちゃんの足元にも及ばない強さだが、俺なりに強くなった。
俺はアイアちゃんのステータスを見る事は出来ない。
俺は自分のステータスを見る。
「今回、俺は関係ない」なんて言う事はない。
アイアちゃんが勝ったとしても高確率で『こんな勝負は無効だ!』と盗賊達がゴネるだろう。
そうなった場合、アイアちゃんは勝負で疲弊し、傷ついてるかも知れないから俺の出番だ。
俺は自分のステータスを見る。
『テム=レイ』
職業:格闘家
年齢:19
性別:男
レベル:35
力:45×127
身の守り:52×133
素早さ:60×155
魔力:43×1
賢さ:27×18
かっこよさ:30×27
HP:74+133
MP:64+3
信じられないくらい強くなってる。
これでもアイアちゃんの強さの足元にも及ばないんだからイヤになる。
異世界にはどれだけ強い武器があるのだろう?
俺はどれだけ強くなってもほぼ素手の強さだし、アイアちゃんはナイフの強さだ。
化け物のように強い伝説の武器があったら、俺もアイアちゃんも結局は雑魚になるんだろうか?。
イヤイヤ、今回は相手も盗賊、強い武器の事は考えなくても良い。
アイアちゃんには今日は決闘の時間まで、体を休めて集中するように言ってある。
俺は異世界へ行き、武器防具屋で『盗賊が装備出来る最も高性能な物を』と武器と防具とアクセサリーを買い込む。
そして、『やはりアイアちゃんに気合いを入れるのは彼らだろう』と決闘前に異世界の孤児院に連れて行く。
アイアちゃんから神父に寄付金を渡させる。
弟、妹達にもみくちゃにされるアイアちゃん。
「姉ちゃん遊びに来たの~?。」何も知らない孤児達が言う。
「ごめんね、用事があるから。
今度ゆっくり遊びに来るからね。」アイアちゃんが約束する。
それで良い。
これで命を粗末にしたら約束違反になる。
街から出て、盗賊達が根城にしている森に到着する。
当時はあまり気配に気づけなかった。
やはり未熟だったのだろう。
これだけの気配に囲まれていたのか。
気配に先導されるように森の奥に行く。
そこには大きな洞窟があった。
この洞窟は盗賊団の本拠地なのか、はたまた盗賊団のボスの棲み家なのか、それとも両方か。
「よく逃げずに来たね。
じゃあ、今回の決闘のルールを説明するよ。
『ルール』って言ってもそんな難しい物じゃない。
『勝った者が全てを手に入れる』っていう単純明解なルールさ。
わかりやすいところだと『勝ったほうが負けた方の愛人を手に入れる』
なんて感じさね。
これで良いかい?。」と盗賊団のボス。
「異論ありません。」とアイアちゃん。
いやいや、何て物賭けてるの!?。
負けたら俺、あの盗賊団のボスっつーか、オバハンの愛人になっちゃうんだよ!?。
勝っても俺が愛人一号で、あの髭面のオッサンが愛人二号になっちゃうんだよ!?。
拒絶しようよ!?。




