第47話
最初のうちは俺が有利だった。
やはり、女性の方がレベルアップは早いし、レベルアップの数値も大きいようだ。
だんだん俺の優位が消えていく。
あっと言う間に優位は逆転する。
だが、俺には補助魔法がある。
『防御力アップ』と『スピードアップ』の魔法で、何とか食らいつく。
しかし均衡も一瞬だ。
最後の方はほぼリンチになる。
それでも何とか二時間耐える。
俺は晩成型だ。
この状況は必ず改善していく。
今が一番苦しい状態だ。
今が耐えられるなら、後は段々楽になっていくだけだ・・・と信じる。
二時間の組手を終えて、日本の下宿へ戻る。
俺は大学の授業に出て、アイアちゃんは滝行を受ける。
滝行へアイアちゃんを連れて行き、そこから走って大学へ行き授業を受ける。
滝行が出来る寺から大学まで走って5分、以前であれば二時間程。
軽く人間をやめた気分。
しかし、ハードスケジュールすぎる。
授業中だけが睡眠時間だ。
「お前、ちょっと臭いぞ。
風呂入ってるのか?。」と友人に言われる。
しょうがねーだろ。
シャワー浴びる時間が出来たとしても、女の子優先なんだから。
授業が終わると寺までアイアちゃんを迎えに行く。
どうやらアイアちゃんは、無事魔力を獲得した様子。
よかった。
たとえ異世界で魔力を1000得ようとも、日本で得た魔力が0なら・・・。
『魔力:1000×0』で結局『0』という事もあり得た。
魔力に頼った闘い方をする場合、日本で修行する事がかえってマイナスになる可能性もある。
「盗賊って魔力の使い途あるの?」と俺。
「ありますよ、罠解除したり、ドアとか宝箱開けたり・・・。
あとはジョブチェンジした時、魔力使いまくりますし。」とアイアちゃん。
「ジョブチェンジ?。盗賊って何にジョブチェンジ出来るの?。」と俺。
「多いですよ!。
海賊、山賊、暗殺者、忍者・・・。
私は忍者になりたいんですけどね。
忍者になって私『分身の術』使ってみたいんです!。」とアイアちゃん。
魔力に目覚めて本当によかった、日本に連れてきて少女の夢を潰すところだった。
「うん、アイアちゃんならなれるよ。」と俺。
根拠はない、でもアイアちゃんならなれる気がした。
「それじゃ、夕飯にしよっか!。
夕飯の後は今日もトレーニングだよ。」と俺。
今日は牛丼。
あんまり金がないのもあるけど、それ以上に女連れで牛丼屋に来るヤツ見てて「良いなぁ・・・」なんて思ってて「いつか俺も女連れで牛丼屋に来よう」なんて思ってた事は内緒だ。
アイアちゃんはスプーンを使えば良いのに、一生懸命箸を使おうとしている。
その一生懸命さが可愛い。
「じゃあ、恒例の走り込みから」と俺。
しかし化け物じみてきたな。
全速力の超長距離走。
逆立ちして、片手での指立て伏せ。
そして今日から服を着たままの遠泳。
トレーニングが終わり、シャワータイム。
シャワーが終わるとアイアちゃんは俺の部屋で寝る。
アイアちゃんが寝たのを確認してから、俺は異世界のダンジョンに潜ってレベリングの時間だ。
疲労よりハッキリ言って寝たい。
明確な睡眠不足だ。
でも、ここまでやらなきゃアイアちゃんのスパークリングパートナーは勤まらない。




