第43話
空手には色々流派がある。
すんどめの流派もあれば、フルコンタクトの流派もある。
最近はどの流派も体重別になっている。
それは格闘技はどれでも『1キロ重ければ1キロ強い』と言われているからだ。
俺は「1キロ強いってどういう意味だよ?。」と笑っていた。
それは『重量級最強』という言葉をぼやかしているんだと思った。
よく『柔よく剛を制す』などと言い、『重量級最強』という言葉は武術に歴史があるほどどんな武術でもぼやかされる。
暗闇に少し目が慣れてきた。
『ドガッ』
俺が防御を固めているのを無視して、目の前の"小山"が俺の頭上に棍棒を振り下ろす。
実際には"小山"ではない。
モンスターだ。
だが暗くて"小山"にしか見えない。
大したダメージはない。
しかしこちらは一人、向こうは群れで連携しているようだ。
渾身の力で振り下ろされる棍棒は連発は出来ないようだ。
しかし、それはこの"小山"が一匹ならの話だ。
何発も棍棒が同時に、渾身の力で振り下ろされる。
ソロのメリットもある。
人質を取られる心配がない。
だが、多くの人がパーティを組む理由がよくわかる。
敵に連携されるだけでこんなにも面倒臭い。
渾身の力で棍棒を振り下ろす。
かわされた後、莫大な隙を曝す。
ハッキリ言って、一人ならこんな技は『死に技』だ。
だが棍棒をかわされても、防御されても次から次へ棍棒が降ってきたら、反撃なんて出来ない。
相手が次々降ってくる棍棒に対処している間に、最初に棍棒を渾身の力で振り下ろしたヤツは体制を整えている。
集団戦法ならこの技は『死に技』じゃないのだ。
しかも一回なら防御できても二回、三回、四回なら防御出来ない事もある。
格闘ゲームでいう『ガードブレイク』だ。
集団ならではの戦法がある。
かなり高確率で盗賊団のボスを倒したら、その手下達が攻撃を仕掛けて来るだろう。
ボスは「負ける訳がない。
たとえ負けたとしても、集団でかかれば勝てるだろう。」と思っているに違いない。
だから『アイアさんにはどうやっても一生勝てません』と圧倒的な力を見せつけて勝つ必要がある。
そうでないと、その場勝ったとしてもこちらの負けだ。
圧勝のため、今は力を尽くそう。
だが、盗賊団のボスとの決闘が終わった後、パーティの増員を考えよう。
『1VS多』がこんなに死ぬほど苦しいとは思わなかった。
つーか、助けて。
有名RPGなんかで、最後のボスをパーティでフルボッコにするじゃん?。
アレの卑怯さが今わかった。
わかったから助けてくれ!。
そういや、俺には補助魔法があった。
『身の守りアップMP消費:2』コレだ。
コレなのか?。
とにかく唱えよう。
ふぅ~。
相変わらずモンスターに絶え間なく攻撃されている。
従兄弟の家に遊びに行ったとき、従兄弟の子らに集団でじゃれつかれる時あるじゃん?。
あんな感じ。
とにかくダメージは受けなくなった。
反撃開始だ。




