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第27話

 女は男にナイフを掴んでいる手を捕まれて思った。

 「格が違う。

 この男は強すぎる。」

 この男とすぐに別行動を取ろう。

 しかし薬草の分別が終わるまでコイツは付きまとってくる。

 この男に頼まれた『薬草と雑草の分別』だけさっさと終わらせよう。


 サッサと分別を終わらせた。

 たいした時間はかからなかった。

 そりゃ銅貨六枚の仕事で1日仕事だったら発狂していただろう。

 「それじゃあ、私はこれで・・・。」女はその場からいなくなろうとした。

 「ちょっと待ってよ!。

 君に頼みたい事があるんだけども。」男が言った。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 ~女盗賊(シーフ)視点~

 「ちょっと待ってよ!。」男に声をかけられた。

 イヤな予感がする。

 理屈じゃない。

 コレは親から受け継いだシーフの直感だ。

 父親と母親は共に盗賊だった。

 二人は『小悪党』と呼ばれており、何度もお縄になりつつも極刑にはなっていない。

 私は物心ついた時には両親に盗賊の技術を仕込まれていた。

 本当は冒険者になりたかった。

 今、両親はどこにいるのかわからない。

 どこかで悪事を働いているかも知れない。

 二人とも既に処刑されているかも知れない。


 だが『罠解除』『宝箱解錠』『鍵解錠』などを主な仕事にしているお尋ね者になっていない冒険者の盗賊(シーフ)がいるという話を聞いた。


 もしかしたら、私にも日陰者じゃない冒険者としての人生が待っているかも・・・なんて、夢を何度も見た。


 医者がどこからか突然現れて医術だけでなく、印刷技術が飛躍的に上がった。

 何度読み返したかわからずボロボロになった絵本、冒険者パーティが魔王を倒す話・・・。

 『盗賊の娘』と石を投げられない、周りの皆から受け入れられる・・・夢物語。


 わかってる。

 あれは絵本の中の物語。

 絵本の中のパーティメンバーにも盗賊(シーフ)なんていなかった。

 私は今日、16歳になった。

 成人だ。

 両親が姿を眩ましてもう3年になろうとしている。

 私の身元引き受け人だった、神父だけは私の将来を本気で心配してくれた。

 でも私には盗賊になる、という道しか残されていない。

 盗賊になろうと盗賊団を尋ねたら、『盗賊になるにあたって、簡単な試験をする』と言われ、草むらで待ち伏せしていたら、何故か生ケツを蹴られ、現在に至る。


 「なんなの?。

 薬草の分別なら手伝ったでしょう?。」私は幾分、イライラしながら答えた。


 「それは本当にありがとう。

 だけどそうじゃないんだ。

 もう一つ、お願いがあるんだ。

 俺と冒険者パーティを組んでくれないか?。」

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