表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

25/113

第25話

 突然ナイフを構えて突撃してきた女に俺は驚いた。

 なぜだ?。

 俺は紳士的に謝罪をした。

 これ以上どうしろというのか?。

 俺は「いつまで下半身丸出しなんだよ?。

 見せつけてるのか?。

 そうじゃないなら早く服を着ろ。」と言ったつもりだ。

 それで何で怒るんだ?。

 「私は裸でいたいのに『服を着ろ』なんて言うな!。」と言う意味で怒ったんだろうが、そんな事で怒るとは俺には思えなかった。

 本当に女心は複雑怪奇だ。


 俺は驚いた。

 反面、冷静だった。

 相手の動きが止まって見える。

 時間をいくらでも無限に刻む事が出来る。

 アインシュタインは相対性理論でこういう事が言いたかったんじゃないか?。

 俺の胸に向かって女がナイフをつき出す。

 俺は身体をひねって突き出されたナイフをかわし、ナイフを掴んでいる手首を更に掴む。


 俺は盗賊(シーフ)というジョブを知らない。

 この女が逆上して切りかかってきた・・・んだと思っている。

 もちろん半分は逆上したからだ。

 しかしもう半分は元から切りかかるつもりだったのだ。

 

 「落ち着け。

 俺は遠くから来た田舎者だ。

 だからここらへんの社会常識というものをあまり知らない。

 そのせいでアンタを怒らせたかも知れない。

 ただ悪気はないんだ。」俺は女盗賊(シーフ)を宥めた。


 本当に噛み合っていない。

 誤解だらけだ。

 誤解だらけなりに女は「この人は私が盗賊(シーフ)だという事に気付いていない。」とやっと気付いた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


女盗賊(シーフ)視点

 

 盗賊(シーフ)が冒険者に切りかかったのだ。

 取り押さえられた今、憲兵に突き出されてもおかしくない。

 だが、当の切りかかられた冒険者が何故か盗賊(シーフ)である私を説得しようとしている。


 「俺は何でアンタが怒っているのかわからない。

 俺は協力者を探しているだけだ。

 協力者って言うのは『薬草がわかる人』と『パーティメンバー』だ。」と冒険者。


 あれだけデリカシーのない事を言っておきながら『何で怒ってるかわからない』というのも頭おかしいが、それ以上におかしいのが『切りかかられた』という認識が全くない事だ。


 私は盗賊(シーフ)だ。

 義賊というのもいる。

 冒険者の中にもお尋ね者でない盗賊(シーフ)もいる。

 だが、私は賊に仲間入りした。

 まだお尋ね者になっていないが、賊に仲間入りする試験の真っ最中で終わる頃には立派なお尋ね者だ。

 盗賊(シーフ)じゃなかったとして、堅気の人間に切りかかったのだ。

 それだけで憲兵に突きだされてもおかしくない。


 この男が何者か、何を考えているかイマイチわからない。

 ただハッキリしている事がある。

 私のナイフでの一撃は簡単に避けられた。

 つまり、実力差があり私より明らかに強い・・・という事だ。

 抵抗は出来ない。

 幸い、薬草の見分け方はわかる。


 私は一時的にこのおかしな冒険者の男の仲間になった。 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ