第22話
朝だ。
今日からまた異世界に行く。
今回の俺は前に異世界に来た時と訳が違う。
何せ、魔力を得て異世界に戻って来たのだ。
・・・と言っても、魔法も魔力を使うスキルもまだ覚えてはいない。
ギルドの受付は水晶を通して他人のステータスが見れるようだが、他の人は他人のステータスが見えない。
俺が「魔力は0じゃない」と言ってもそれを証明出来る術はない。
どうやれば魔法は覚えられるんだろうか?。
それはともかく、今後の方針を練らなくては。
「パーティには、求められるまで入らない。」
『求められる』つまり『魔法を覚えるまで』という事だ。
ハッキリ言って、ソロでやっていけるかどうかわからなかった。
おそらく最初の実力ではソロで通用しなかっただろう。
だからパーティの助力が必要だった。
逆に今は『助力は必要ない』そして『魔法の使えない男は用なし』お互い求めてもいないし、求められてもいない。
ダンジョンにはまだ潜れない。
ソロでダンジョンでやっていけるかどうかわからないし、やっていけたとして悪目立ちしてしまう。
ソロでこなせる依頼をこなそう。
そして、コッソリ森の奥に入ろう。
誰にも見られていなかったら、森の奥に入った事もバレないだろう。
これがここしばらくの異世界でのレベルアップ方針だ。
そうと決まれば冒険者ギルドへ行こう。
俺は冒険者ギルドの受付に来た。
相変わらずイケメンがいる。
イケメンが俺に気さくに話し掛けてきた。
「久しぶり!。
テム、元気だったか?。
しばらく見なかったが、どうしたんだ?。」とイケメン。
「・・・あ『テム』って俺の事か。
まあ、まだ冒険者としては食っていけないからな。
別の事もしてたんだよ。
ヨンピルも元気だったか?。」と俺。
「誰が『ヨンピル』だ!。
俺はギルバートだ!。
それはそうと今日は何の用だよ?。」とイケメン。
「しばらくはソロで活動しようかと思ってな。
ソロで出来る依頼を探しに来たんだよ。」と俺。
「悪い事は言わない。
パーティメンバー探した方が良いと思うぜ?。」とイケメン。
「何でだよ?。
ソロ向けの仕事あるんだろ?。」と俺。
「ある。
でも冒険者を『何でも屋』の側面で見ればの話だ。
庭師、犬猫捜し、庭掃除、薬草採取・・・。
そこまでなんでもやればの話だぜ?。」とイケメン。
「その仕事の何がいけないんだよ?。」と俺。
「一つ、レベルアップが難しい事。
一つ、『アイツは何でも屋だ』というレッテルがつく事。
一つ、それだけのリスクがあるのにギャランティが低い事。
受けない方が良い理由なんて、思いつくだけでも3つはある。
逆に受けたメリットは思い付かない。」とイケメン。
「心配してくれるのは有難いけど、ソロで依頼受けるって決めたんだ。
宜しく頼むよ。」と俺。
「・・・わかった。
一応、ギルドで受けてる依頼だし『依頼を受けたい』って言ってる人を邪魔するのは営業妨害だよな。
・・・じゃあ、ソロ向けの依頼で今あるのは、子守りと薬草採取だな。
子守りは勉強も教えなきゃいけないんで、文字を読めない人は受けれないから、実質『薬草採取』一択だな。」とイケメン。
「じゃあ、その依頼受けるよ」と俺。
俺は依頼内容が書いてある羊用紙を受けとると、依頼の場所、薬草がはえている街から出て少し歩く草原を目指した。




