第21話
「よく逃げないでついてきたな。」とロン毛茶髪のパリピ。
「話し合いするのに逃げる必要あったか?。
お前ら、そんなに頭良いのか?。
『はい、論破!』って言ってみろよ。」と俺。
元からまともに話し合おうとは思ってない。
でもコイツらがそれほ武闘派だとは思わない。
喧嘩したくて難癖つけてきた訳じゃない。
「何でそれがわかるか?。」
これだけ部室がある。
別に良い喧嘩したいなら、文化部棟のオカルト研究会の部室じゃなくても良かったはずだ。
それこそ体育会棟の空手部の部室を不当に占拠すれば、火の出るような良い喧嘩が出来ていただろう。
だがコイツらはソレを避けた。
凄んだら退きそうな『オカルト研究会』の部室を占拠した。
それはコイツらが『本当は喧嘩なんてしたくない』と思った証拠だ。
俺は凄まれても退かない。
その結果、喧嘩に発展するならするでしょうがない。
『退かぬ』
『媚びぬ』
『顧みぬ』
などと、どこぞの帝聖のような事を考えている訳ではない。
『顧みたい』
もう反省しまくりたいのだ。
「お前さ、俺らの事なめてない?。」グラサンのパリピが言う。
そりゃなめてなければ1VS3になりそうなシチュエーションで人気のない所についてはいかないだろう。
「そりゃ多少はなめてたけどさ、しょうがないじゃん。
三人ともいかにも雑魚なんだもん。」俺はもう強がるのはやめにした。
もう、本音しか言わない。
「テメー!。
俺らをバカにしてやがるな!。」と眉毛剃ってるパリピ。
「え?。
ダメなの?。
俺はアンタらの事『間抜け三人組』と思ってた。」と俺。
「キレちまったよ、お前がボコボコにされてもなめた口がきけるか・・・楽しみだ。」と茶髪、ロン毛のパリピ。
どうやらこの茶髪、ロン毛のパリピが三人のボスみたいだ。
俺が三人を相手にしなきゃいけないと思っていたら、流れでどうも茶髪、ロン毛のパリピとタイマンを張る事になったようだ。
「あ、コイツら喧嘩慣れしてないバカだ。」俺は思った。
確かに俺は異世界に行き、強くなったはずだ。
だが、元々最強を目指しトレーニングし、空手道場に通い、コイツら相手でもタイマンだったら問題にならなかったはずだ。
だが、このいかにも喧嘩した事なさそうな三人は相手の実力を見誤り、タイマンを仕掛けてきた。
ヤバい。
俺は喧嘩がしたい訳じゃない。
弱い者イジメがしたい訳でもない。
どれくらい強くなったか、確かめたいのだ。
この流れはうまくない。
「注文を出すみたいで申し訳ないんだけど、出来れば三人、せめて二人でかかってきてくれねーかな?。」とたまらず俺が言う。
茶髪、ロン毛のパリピはプライドが傷ついたようだ。
どうあっても俺とタイマンを張るつもりのようだ。
作戦変更。
茶髪、ロン毛のパリピに反撃は禁止。
防御と回避に専念。
これでどの程度強くなってるかわかるはずだ。
「大振りになってるぞ!。
休むな!。
もっと細かく手を出せ!。
蹴りはもう少し練習してからだ。
体幹を鍛えるまで、蹴りは封印だ。」
途中から面白くなってきて、茶髪ロン毛のパリピにコーチングし始めた。
「ほら、三分経過だ、休憩だ。
おい、次、お前だ!。」
三人組は何故か俺のコーチに従っている。
何でだ?。
アホなのか?。
「次に合う時までに、今回教えた欠点を直しておくように・・・解散!」俺の号令でパリピ達が解散していく。
本当にあいつら何なんだ?。
大学に戻ると稲川が心配そうにしていた。
稲川から取り敢えずESPカードを借りたが、結局は使い方がわからないままだった。
今度聞けば良いか。




