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第19話

 「はい、約束の物」そう言って授業の前に稲川が紙袋を渡してきた。

 「人違いじゃないか?。

 最近じゃ、ネットで無修正の動画なんていくらでも無料で転がってる。

 わざわざDVDに焼いて、海賊版を見た証拠を残す必要もない。

 まあ、ネットの閲覧履歴も残るんだから、完全に証拠がなくなる訳じゃないけど。

 因みに『Xビデオ』は『エックスビデオ』でも『ばってんビデオ』でも検索で出て来るんだぜ?。

 『ばってんビデオ』って何か『熊本風豚骨味』って感じがしねーか?。」と俺。

 「知らねーよ!。

 エロDVDじゃねーし!。

 お前が『ESPカード』持って来いって言ったんじゃねーか!。」と稲川。

 そういやそんな事言ったな。

 もう『滝行』で魔力手に入れちゃったから、いらないと思って忘れてた。

 「あぁ、ありがとう」と作り笑顔で俺は言った。

 「何だ?。

 その『望んでない微妙なプレゼントを貰っちゃった感』は!?。

 つーか、あげてねーからな!。

 結構『ESPカード』って買ったら高いんだからな。」と稲川。

 「わかったよ。

 必ず返す。」すぐ返してやる。

 なんせ『必要ない』からな。

 ゴミですわ、ゴミ。

 しかし、何でこんなゴミがそんな高いんだろうか?。

 聞いてもないのに顔に書いてあったんだろうか?。

 稲川が答えてくれた。

 「トランプみたいに需要があれば、沢山作れるし作った分だけ売れる。

 でも『ESPカード』を買うヤツは限られるからな。

 少数作るのに費用がかかって、その分売価が高くなるんだよ。」

 「なるほど。

 作ったとしても稲川みたいな変人しか買わないから高いのか」と俺。

 「そうそう・・・っておい!。」

 「お!ノリツッコミ!」と俺。


 近くの席で聞き耳をたてていた女の子がクスクスと笑う。

 「おい、俺らのバカ話で女の子が笑う事なんてあったか?。」と小声で稲川。

 確かに。

 バカ話はいつもしている。

 でも聞いている人などはいなかった。

 『誰も興味ない』のだ。

 『誰も興味ない』と思っているからこそ、話の中に下ネタが混じっていても普通に小声にならないで雑談していたのだ。

 『気になる異性』じゃなきゃ、『何を話しているか?』興味は出ない。

 つまり・・・これは俺の『かっこよさ』が上がった成果なんだろうか。


 「・・・で、お前『ESPカード』の使い方知ってるのかよ?。」と稲川。

 そういや知らなかった。

 俺は首を横に振る。

 「ったく・・・。

 教えてやるから『オカルト研究会』の部室行こうぜ!。」と稲川。

 別に知りたくもない。

 でも『貸してくれ』と言ったのは俺だ。

 最後まで話を聞くのが礼儀だろう。

 俺は稲川について『オカルト研究会』の部室に行く事にした。

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