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第13話

 よく『身体作りは食生活から』なんて言う。

 「糖質がなんたら」とか「タンパク質がなんたら」とか言うし、身体の効率的な強化には専門家のアドバイスが必要なのかも知れない。

 でも『異世界での効率的なステータスの上げ方』を栄養学やトレーニングの専門家に聞く訳にもいかないし、異世界の存在をそこまで公にして良いかもわからない。

 今回は行き詰まるまで自己流でトレーニングを進めよう。

 取り敢えず今日からランニングだ。

 「ランニングなんて効果あるのかよ?」という意見もあるだろうが逆だ。

 異世界で医者の日記を読んだ時『異世界でトレーニングは意味がない。ステータスアップはレベルアップが全てだ』と書いてあったので筋トレと走り込みを止めた。

 本当は今までと同じように、身体をいじめ抜くトレーニングがしたかった。

 そして「今日の俺は昨日の俺より少しだけでも強くなった。これを繰り返して『最強』に辿り着くんだ」なんて思っていた。

 だから異世界でトレーニングが「意味がない」なんて言われて面白くなかった。

 俺は日本に帰ってきて、嬉々としてトレーニングしている。

 そしてトレーニング効率が上がっている。

 例えば『力』だが『4×25』つまり『100』の力を使ってトレーニングするのだ。

 以前異世界に行く前は約20の『力』しかトレーニングで使っていなかった。

 同様に『素早さ』も異世界に行く前は約20の『素早さ』しか使っていなかったが、現在は『7×21』つまり『147』の素早さをトレーニングで活用する。

 そして『賢さ』も間違いなく上がっている。

 以前では気付かなかった様なことでも気付くようになっているのだ。

 『以前では気付かなかった様なこと』というのは『隠しステータス』の事だ。

 全ての能力がステータスに表示されている訳ではないらしい。

 例えば『持久力』『忍耐力』といったステータスは見る事が出来ない。

 出来ないが、それは確実に存在する。

 異世界に行く前なら、20キロも走るのが限界だった。

 今であれば、40キロは以前のほぼ同じ時間で走る事が出来る。

 それは、『持久力』『忍耐力』が向上しているからだろう。

 つまり、ステータスに記述があるパラメーターが全てではない。

 それと同時に装備している物の組み合わせでパラメーターは上がったりさがったりするのだ。

 俺は現在、上下デニムのジージャン、ジーパンスタイルだ。

 このスタイルが『池袋の偽造テレフォンカード売りイラン人スタイル』という事で『かっこよさ』を25下げている。

 しかもケミカルウォッシュのジーパン、ジージャンという事で、マイナス15されている。

 おかしいと思った。

 日本でもフツメン扱いなのに、そこそこ『かっこよさ』のステータスは高いはずで、しかも冒険者で男は少ないはずだ。


 自衛隊に入隊していた者達は後で冷静になって思うという。

 「何でこんなブスを取り合って争ったんだろう?」

 貧すれば鈍する。

 俺も冒険者パーティならそこそこモテるだろ。

 そんな甘い考えを抱いていた。

 しかし『イラン人スタイル』のマイナスステータスのせいで、全く女が近寄って来なかった・・・という訳だ。


 『身の守り』のステータスもそこそこ上がった。

 『イラン人スタイル』の服を脱ぎ捨てよう。 

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