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第12話

 悔しい。

 俺は日本でも異世界でも強くなれないのか?。

 俺は晩飯を買い置きのカップ麺で済ませた後、空手道場へ行った。


 日本ではレベルアップしない。

 その代わり訓練でステータスアップする。

 異世界でちょっと上手くいかなかったから、諦められるほど俺は諦めは良くはない。

 かつてのように、道場で訓練し汗を流す。

 道場の先輩が俺に言う。

 「イヤな事でもあったのか?。

 ストレス発散したいならミット撃ち付き合うぞ。」先輩はミットをはめながら言う。

 本当に先輩には世話になっている。

 俺も悩める後輩が入門してきたら、力になろう。

 俺は先輩の構えるミットに拳を撃ち込む。

 「ズバーーーーーーーーーーーーン」

 先輩が呆ける。

 俺もここまでの一撃が打てると思っていなかったから、自分でも驚いた。


 「お前、コレ、どういうことよ?。」先輩がひきつりながら言う。

 「えーっと、自分でも驚いています。」と俺。

 「鍛えたの?。」と先輩。

 「えぇ、まぁ。」と俺。

 嘘はついていない。

 異世界でのレベルアップが身体能力の強化に繋がっているようだ。

 「その鍛え方、俺でも出来る?。」と先輩。

 マズい。

 異世界の存在は日本にいる人達に知られちゃいけないんだった。

 アレ?知られても良いんだっけ?。

 取り敢えずこの場はとぼけておこう。

 「ちょっと一朝一夕には難しいかも知れません。」と俺は先輩に言う。

 「そうだよな・・・。

 お前、真面目に取り組んでたもんな。

 『何でこんなにセンスがないんだろう?』って俺らは思ってたほどだ。

 今になって、努力の芽が出てきたって事だよな」先輩が納得する。

 俺は先輩に『センスがない』と思われてたのか。

 しかし、先輩に悪気はないどころか俺の成長を心から喜んでくれている。


 道場から戻った後、俺は自分のステータスを確認した。

 日本でステータスウインドウは見れないかと思ったが、異世界でステータスの見方を覚えると日本でも自分のステータスがいつでも見れるし、他人からは見えないようだ。

 俺が見るステータスは日本語化されている。

 異世界で他の人が見るステータスは異世界の言語なのだろう。


 テム=レイ

 職業:格闘家

 性別:男

 年齢:19

 レベル:3

 力:4×25

 身の守り:5×22

 素早さ:7×21

 魔力:4×0

 賢さ:5×13

 かっこよさ:3×18

 HP:10+53

 MP:8+0


 前衛で盾になるには充分なステータスだ。

 攻撃力も低くはない。

 そして、前衛で相手の攻撃を交わしまくって、撹乱出来る素早さだ。

 日本に戻って来てから少しはステータスが上がった。

 だが、上がったと言っても誤差の範囲内だ。

 パーティ内で俺の使い方が決定的に間違っているのだ。

 『ある程度俺のレベルが上がるまで、俺を前線には立たせない』

 『俺に敵の攻撃が当たらないようにする』

 『レベルアップさせてから使う』

 誤った用法だ。


 正しくは

 『前線に立たせる』

 『盾にする』

 『晩成型だからしばらくはレベルアップは望めない』

 正しい使い方をすれば、中々役に立つ。

 なのに護る必要もないのに護って、そこそこ戦力になるのに戦わせないようにして『そのうちレベルアップして補助魔法覚えるだろう』と目論んで、ほとんどレベルアップしないし、魔法も覚えない。

 

 一つわかった。

 医者は異世界に行ってから、日本に戻っていない。

 だから本当に大事な事を見落としている。

 確かに日本ではレベルアップしない。

 鍛えただけ身体のパラメーターは少しずつ上がる。

 異世界ではレベルアップする。

 レベルアップと同時に身体能力が上がる。

 『異世界でレベルアップしても同時に日本で身体を鍛えられる。』

 俺は少しだけ『無双』する未来が見えた気がした。

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