第105話
「しかしよく医者さんが洗脳されてるってわかったね。」とレンちゃん。
「俺が何か秘密を持っているヤツの仲間になる場合、相手の秘密を聞いたら、こちらの秘密も言える範囲で言う。
ましてや相手が恋人なら、五分の関係でいたいと思うだろうし尚更だ。
・・・にも関わらず、ギルド長は日本について何も知らない。
そこまで、医者が話さない用心深い性格だったとして、ステータスの謎についても姿見についても何も聞いていないのは明らかに変だよな?。
協力者だとしても、ある程度は聞いているべきだろう。
ギルド長は『転移』についても『日本』についても全く知らない。
それどころか医者の秘密を何一つ知らないんだ。
恋人だから『危険に巻き込んじゃいけない』ってかえって危険からは遠ざける事はあるかも知れない。
お互いにそういう関係だとしたら『レジスタンス』の存在も伏せておくだろう。
大事な人を巻き込まないようにするだろう。
でも実際はそうじゃない。
全てが矛盾してるんだ。」と俺。
「なるほど。
・・・で、どうするつもりなの?。」とレンちゃん。
「放置の方向で。
医者の救出は洗脳を解く手段を思い付いてから。
出来るだけ少人数で救出する。
それが無理なら見捨てる。」と俺。
「『見捨てる』って!。」とレダちゃん。
「そりゃ『見捨てる』よ。
身内だと思われてるからね。
医者の身柄だけ押さえとけば何でもやると思われてると思う。
実際、スッパリ見捨てるよ。
医者のために皇国臣民を虐殺なんてするもんか。
虐殺するくらいなら、医者を見捨てるよ。
チャンスを見て医者の救出は行うつもりだよ?。
でも優先順位は低いね。
捕まって洗脳されるヤツが悪い。」と俺。
「アイアちゃん、鍵屋と警備会社の仕事、しばらく盗賊達に任せといてね。」と俺。
「しばらく帰れないみたいじゃない」とアイアちゃん。
「『みたい』じゃなくて『しばらく帰れない』んだよ。
しばらくパーティ『マッドアングラー』は日本に避難します。
避難している間に医者の洗脳を解く方法を考えます。
しかしそんなに時間はありません。
理由は・・・日本のお金がないからです。
金策についてはメンバー全員による『アルバイト大作戦』を考えています。
それでもどうにもならない場合、医者は残念ながらいなかった・・・と言う事で。
惜しい人を亡くしましたね。」と俺。
さらば、医者!。
君の事は三日は忘れない。




