第104話
「何で私が盗賊をなかなか辞めさせてもらえなかったか・・・」アイアちゃんの言葉を途中で遮って俺は言う。
「秘密を知った人を手放す組織はないわな。」
「わかってるならなんで『カリニュウブ』なんて言うのさ!?。」とレダちゃん。
「そう言わないで、無事で戻って来れたと思う?。
『レジスタンスには入らない』なんて言ったらアイアちゃんを辞めさせなかった盗賊みたいにレジスタンスと闘わなきゃならなかっただろうね。
だから異世界にないギルド長が初めて聞くだろう『仮入部』って言葉を使ったんだ。
アイアちゃんやレダちゃんが意味がわからなかったように、ギルド長も俺らが帰った後、医者に意味聞いてるよ。
要は『お前らの事、信用出来ない。
もう少し様子を伺わせろ。』って意味なんだよ。」
「でもそれって、時間稼ぎにしかなってない気がするんだけど。
結局はギルド長が『仮入部』って言葉の意味を知るまでの・・・」とレンちゃん。
「そうだよ?。
単なる時間稼ぎだよ?。」
「何のための?」とレンちゃん。
「レンちゃんを日本に帰らせるための時間稼ぎだよ。」と俺。
「まだ言ってるの?。
さっき私が異世界に来る事承諾したじゃん!。」
「『はい』か『イエス』で答えろってね。
山登りでも、ダイビングでも、命の危険は少なからずあるんだ。
今まではそれと程度が違うだけだった。
俺がついてる分それより安全かも・・・なんて考えもあった。
俺は弱くないし、補助魔法も回復魔法も使えるし。
でも、陰謀が渦巻く人と人の争いが絡んでくるなら、俺がいたって危険はあるし、『俺の身内』だって事で、俺のせいで危険に巻き込まれる可能性だってあるんだ。
かつてアイアちゃんを巡って盗賊団と闘った事がある。
やはり、人間が一番怖いんだよ。
それに俺が人間を殺すところも、殺されるところもレンちゃんには見せたくない。
ましてや、レンちゃんが
人間を殺すところや、殺されるところなんて絶対見たくない。」
「じゃあ異世界に私が来るにはどんな私だったら良いのよ!?。
婚約破棄される私?、ヒロインに意地悪する悪役令嬢みたいな私?」
「レンちゃんはレンちゃんのままで良いよ。
むしろそのままでいてくれ!。
悪役令嬢にならないでくれ!。
わかった。
レンちゃんを仲間外れにはしない。
俺らパーティーは日本を中心に活動する。」
何か本当にコレで良かったんだろうか?。




