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資料は語る

【閲覧注意】

本作は、特定の歴史的事象や思想をモチーフにしたフィクションです。

物語の演出上、差別的な表現や、宗教的・民族的な排斥を肯定するような描写が含まれますが、これらは作品の世界観および登場人物の異常性を描くためのものであり、作者自身がそれらの思想を支持・助長する意図は一切ありません。

衝撃的な描写が含まれる可能性があるため、あらかじめご了承の上でお読みください。


繰り返します。この作品はフィクションです。

「我々は、我々と同じものを相手にしているつもりだった。だが、我々が戦いを挑んでいたのは、怪物だった」

 あるMI6の構成員の言葉



 第三帝国出入国管理局 指令第402号(抜粋)

 標題:非アーリア系入国者に対する精神物理学的検認手順について


 本手順は、ベルリン市域および重要防衛拠点における「黄金の穂の天秤」配属官吏に適用される。国家の安全と血の純度を守るため、以下の手順を厳格に履行せよ。


 Ⅰ. 物理的照合作業


・対象の手荷物および全所持品を検札台に展開させ、物理的・化学的汚染の有無を確認すること。


・入国目的の口頭尋問を最低15分間継続し、その間、通行許可証の記載事項と対象の口頭尋問との不一致を執拗に追及すること。


 Ⅱ. 神秘的検認(「黄金の穂の天秤」専従官吏による執行)

 物理的照合が継続されている間に、以下の特定術式を隠密裏に執行せよ。


 A. 思考共鳴査察. 対象の表層意識および深層記憶に干渉し、真なる入国目的を明らかにすること。また、隠蔽された特定劣等種族や劣等民族の入国は断じて阻止すること。


 B. 因果来歴追跡. 対象の過去1年にわたる長期記憶を確認し、敵対勢力・他組織員との接触確認すること。特定劣等種族に汚染されたもの、他国の敵対的組織の構成員については、C-1。それ以外は、C-2の手順に移行すること。


 C. 霊的焼印付与

  C-1.現在地や行動把握のため、対象の霊源的存在表皮に、霊的焼印処理を施工すること。

  C-2.対象の行動制限の為に、C-1に加え、行動操作基部並びに必要とされるすべての術式の施工を認める。


 Ⅲ. 特記事項

 入国審査官は、上記術式の完了を報じる合図があるまで、いかなる理由があろうとも、対象の入国並びに退出を許可してはならない。手順の不履行、あるいは看過によるの侵入、または、施工後の退出を許した官吏は、国家反逆罪に相当する厳罰処す。


 父と仔と精霊の御名の元に。我らのドイツの永遠を


 

「ただし、日本人は除く。――なんなんだあいつら」

 個人配布された手引書。指令書402号の隅に書かれたメモ。イラついた筆跡が見える。



 

 かつての粛清路は、彼らの命を紡ぐ道になった ~アムール東進路~


 1910年代、旧ロシア領にて吹き荒れた、ネメシス狩り。と呼ばれるユダヤ教徒への弾圧活動があった。市民と秘密警察が手を組み、市外に潜むユダヤ教徒を西欧諸国のスパイとして狩りだしたのである。


 それに対して、ユダヤ人に手を差し伸べたのは、ドイツであった。

 東方生存圏。

 それを約束し、ユダヤ人たちを同胞として迎え入れたのである。第一次世界大戦の戦火がヨーロッパを飲み込む最中も、ロシアとソ連。そして、その協力国から逃れるために、安住の地となるはずのドイツを目指した。

 ヴィルヘルム二世はそれを迎え入れ、国土の一部に自治区を設けた。

 

 そして、ドイツは、第一次世界大戦に敗れた。


 彼らは、思った。

 だが、主は、来たらなかった。


 訪れたのは、新たな支配者による、宗教的な弾圧だった。


 そのロシアの弾圧が生ぬるいと言えるほどの虐殺の嵐が、ドイツの占領地域で吹き荒れた。


 

 1935年11月に起こった、”水晶の夜”事件。それに伴う、ナチス”優勢人種”法可決。ゲルマン人とアーリア人の優勢を認め、ユダヤ人を劣等人種として定める法律が総統令により制定される。

 1938年 ヨーロッパの夜。占領地下のポーランドとフランスにて、”ユダヤ人保護法”が成立。ユダヤ人を保護対象として、ゲシュタポへの集中管理を行う法律が可決。ユダヤ人の統治が始まる。

 1940年 ヨーロッパにおけるユダヤ人の数は、10万人を切る。列強が指をくわえる中、一つの民族浄化が成し遂げられようとしていた。



「1935年からの統計で、ここまでで、ヨーロッパにおけるユダヤ人の死者、行方不明者は実に500万人を超える。統計に上がらない数を含めれば、少なくとも……倍はいくだろう。

 あの男の旗下の全ての機関は、それに荷担している。


 これは、人道に対する罪である。

 我らは、これを赦さず、罪は消えることないと思え。」


 ~建国宣言より抜粋~



「彼らは、そうなるにそぐわない罪を犯した。これを赦すことはできない。

 罪無きと思う、無知にて、愚昧で蒙昧たる群れよ。


 可知為る、この地に貴様らの民住まう場所なし。


 抗わず、省みず。立ち去るがいい。


 我らが大慈。其れすらも、意に介せぬのならば。


 物言わぬ、元の土くれへと還るがいい。」


 ~発言者不明~




 廊下で、30にも行かない小娘とあの小娘のお気に入りであろう、生え抜きの軍人とすれ違う。こちらの挨拶は無視される。

 

 いかに、総統閣下のお気に入りであろうとも、そのありようは無礼であろう。


 貴様らの切り札である幻影旅団。

 そのような、幻なくとも、我らがナチスの力がある限り、総統閣下の位は揺るがず。


 金の穂の天秤。いずれ、目にものを見せる日が来る。



 ヒムラ―の日記とされる。仔細不明。



「彼らのアキレス腱はここにある」

 あるMI6エージェント手記


「大好きさ。()()()()()()()。君たちを。」

 ~不明~

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