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TYPE-X

《え? なんか近づけないんだけど》


《俺のドローン、急に操作できなくなった》


《ERROR出たぞ》


《落ちたんだけど》


《ちょっと待って、これ何?》


《ASSが電波妨害してる?》


《俺のもダメになった》


《ふざけんな、配信中だったんだけど》


《いや、これマジでヤバいやつじゃね?》


《現場から映像消えたぞ》


《誰か状況説明してくれ》



コメント欄は一気に流れ始めた。



《ASS何やってんだよ!》


《だから近づくなって言っただろ》


《いや、そもそも何が起きてんの?》


《βアンドロイドって本物なの?》



次々と投稿されるコメント。



その一方で、現場へ向かっていたドローンは、一機、また一機と動きを止めていった。



****



ヴォォォォォン……!!


ゴォォォォォォ……


ヴォンッ! ヴォンッ!


ズドドドドドドドドドッ!!


ヴォォォォォォォン!!



『永井さん、もうすぐ着く、用意しといてくれ』


用意は済んでる、ありったけのTYPE-X準備済みだ


『さっすがー!!』



ヴォォォォォンッ!! 


ギャキィィィィーーーッ!!


ガクンッ!!




ダッジが急停止する。


そこには永井さんもいた。


気をつけろよ


『サクッとやってきますわ!』



ダッジにTYPE-Xを積み込む。


一つ。


また一つ。


ありったけのTYPE-Xを積み込んでいく。



カキンッ


シュボッ



『じゃ、行ってきますわ』



死ぬなよ……




ヴォォォォォン……!!


ズドドドドドドドドドッ!!


ヴォォォォォーーーン!!


ダッジは再び走り出した。



****



おぉぉーー

マジでドローン共、入ってこれねーんだな!


結界スゲーーー!!


さっすがーまゆみちゃん!


はぁ……


はぁ……


はぁ……


はぁ……


まゆみちゃん??


「ご、ごめんなさい。平気」


あとは俺らに任せてよ! 

アイツの周りの移動出来るヤツはほとんど残ってないし! 

残りのやつをぶっ潰せば、アイツのLEGO合体も終わるっしょ!


それより、TYPE-XだからACSも離れた方がいいと思うよ



【ACS、離脱しろ!!】



「了解」


はい


はい!




****




また……


頭が……


ズキッ……


( 離脱しないと…… )


ブロロロロロ〜


私はTYPE Gビークルを走らせる。


結界から離れる。




すると……




さっきまで頭の奥を締め付けていた痛みが、少しずつ弱くなっていく。


……。




なんで……??




****




ヴォォォォォンッ!! 

キキィィィィィーーーッ!! 

ズザザザザッ!! 

キュッ!!


『ユウイチさん!』


おう、来たか


『アキラのところにはこのあと行く、急いでくれ』


分かってるって


俺はダッヂから飛び降りる。


急いでTYPE-Xを下ろす。



ガチャッ。


ガチャッ。


一つ。


また一つ。



『死なないで下さいよ』


お前もな


『終わったら店で飲みましょ!』


おう!



ヴォォォォォンッ!!! 

ギャキィィィィーーーッ!! 

ザザザザザザッ!!



ダッヂが再び走り出す。




****




よしっ。


みんな配置についてるか?


『はい』


はい



カキンッ


シュボッ




( やりますか…… )




フゥゥ〜




さーて、LEGOちゃんはどうなってるかなー


スコープを覗く。


おーおーおー。


派手にデカくなりやがって……


『ユウイチさん、どうする? 指示してくれ』


何秒いける?


『何秒でも!』


俺も


【TYPE-X】だ.無茶はするな


10秒一斉射撃。その後、俺から順次8秒毎


『ちょっと待ってよ、ユウイチさん四十肩なんだから18秒も持たないでしょ。俺がやる!』


何も言えんな……


よし、コーイチ任せた


『楽勝っすわ』


ターゲット確認後、照準合わせろ


【3】


【2】


【1】


撃て……





ズドドドドドドドドドッ!! 


ダダダダダダダダダダッ!! 


ズガガガガガガガガガガガッ!! 


・


・



やべーー。


腕が肩から捥げそうだ……


意識ごと飛びそうだ……


・


・



ズドドドドドドドドドッ!!




・




二方向の銃声が止む。




・





ダダダダダダダダダダッ!




・




・




ぉぃ……




・





ぉぃ……





・






ダダダダダダダダダダッ!! 



ズガガガガガガガガガガガッ!! 




ドドドドドドドドドドドドッ!!





・




・




ぉ……ぃ……





【やめろ!!!】






うん?





俺は引き金を絞る指を緩める。


静寂が訪れた。



『どうなっ……た??』



落ち着け、確認する



それぞれスコープを覗く。



『なんか動いてねーか?』



(まずい……)


周りの残骸を集めてる?


多分。あいつまた……


どうやれば止めるんだ?


『なんか核みたいなのあるんじゃねーか? 俺が接近するよ。LEGO野郎、何回もやらせるか!』


何がどうなってるかなんて近づかなきゃ分からねー


だったら、誰か見にいくしかねーだろ!


俺は短・中距離用マシンガンを手に取る。



カキンッ


シュボッ



フゥゥ〜〜



コーイチ、早まるな!!!


『もう、向かってまーーす! 援護お願いしますよーー』


鉄の残骸の中を近づいていく。




ガシャッ。


ガキンッ。


ザリッ。




足元には、さっきまで撃ちまくっていた機械の残骸が転がっている。


その向こうで、



ガラ……



ガラガラ……



何かが動いている。


俺はマシンガンを構える。



一歩。



また一歩。



近づく。



LEGOの隙間から、内部が見える。


配線。


基板。


モーター。


金属。



それらが、無秩序に絡み合っている。


どこが身体なのかも分からない。


どこが頭なのかも分からない。


俺はスコープを外して、肉眼で見る。



(……核は?)


右を見る。


左を見る。


上を見る。


……ない。


(どこだよ……)


さらに近づく。



ガシャ……



目の前で、鉄の塊が動く。


その隙間から、また別の破片が吸い込まれていく。



ギギギ……



ガチャン。



新しい部品が組み込まれる。



『……マジかよ』



俺はLEGOの中心を探す。


だが、


核なんてものは、どこにもない。


心臓もない。


頭もない。


弱点らしい弱点もない。




ただ、




周囲にあるものを取り込み、



組み替え、



また動いている。



コーイチ、どうだ?


俺は無線に答える。



『……何も無い……』


何?


『何も無い』


どういうことだ?



多分……


寂しいんだ……


意思?


思い?



分からねーけど……


寂しいんだ……



ダダダダダダダダダダッ!! 

ズガガガガガガガガガガガッ!! 

ドドドドドドドドドドドドッ!!



腕が捥げても構わねー



ダダダダダダダダダダッ!! 

ズガガガガガガガガガガガッ!! 

ドドドドドドドドドドドドッ!!



俺は集まろうとする残骸を撃ち続けた


何もかも無くなるまで




もう、



いいんだ。



お前ら……




ダダダダダダダダダダッ!! 

ズガガガガガガガガガガガッ!! 

ドドドドドドドドドドドドッ!!




キーーーーーッン!!




こんな時に……


それでも撃ち続けた




ダダダダダダダダダダッ!! 


・


・


・


ズガガガガガガガガガガガッ!! 


・


・



涙?


なんで?


俺はなんで泣いてるんだ?




ズガガガガガガガガガガガッ!!



・


・


・






【 ありが……とう…… 】






煙に包まれたその中から、


声が聞こえたような気がした……



キーーーーーッン!!



視界が白くなる


音が遠ざかっていく


俺はそのまま、


意識を失った……





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