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355、宝箱の中身

光属性魔術と虹彩属性魔術での効率比較を終えると、そこからは虹彩属性魔術を連発しながらどんどん進んでいく。

まだ使った事が無かった虹彩属性魔術の試し打ちも織り交ぜながら海から次々と現れる魔物(イプピアーラ)を吹き飛ばしていく。

上位種(ジャイアントイプピアーラ)が出てもまだまだこの辺りの階層の魔物では全く問題ない。


「確か……前に10階層に来た時、宝箱あったような……?」

以前みんなと来た時はどうだったかと思い出しながら10階層への階段を進んでいくと、広い湖の中にポツンと小島がある場所に出た。


「あ!ここ、見たことある!」


そうだそうだ!全部倒して、あそこの島のボスみたいなのも倒したら宝箱出たんだったよねー!また出るかな……?


よし!と気合を入れ直し、ギシャァァーーーーと歯を剥き出しにして襲いかかってくるイプピアーラを魔術を放ち倒していく。


上位種も関係なしに次々と倒し、島の上にいた他よりさらに大きなギガントイプピアーラを倒すと、以前と同じような宝箱があった。


「宝箱って、何回も出るんだ!」


再び見つかった宝箱に、やったぁ!と、テンションアップだ。


中身も同じかな……?と、ドキドキしながら開けてみると、中に入っていたのは……


「何これ?……青い、胡桃(くるみ)?……な訳ないか……」


中に入っていたのは、まるで殻付きの胡桃のような物が5個。ただ、胡桃とは違い色が薄い水色だった。

1つつまみ上げて近くで見るがゴツゴツとした表面の質感や形は胡桃にそっくりだが、何かは分からない。

だがどこをどう見ても宝石などでは無さそうなそれに、前は宝石が入ってたのに……と、とても残念そうだ。


「あ!そうだそうだ、こういう時こそ鑑定を……鑑定!」

いつもサンちゃんに頼りきりだったから自分で使えるのを忘れていたと、早速使ってみる。


「んーと……水の種……?」


鑑定レベルがまだ低いせいか、これの説明箇所は見ることが出来ないようだ。

唯一見れた名前も何かよく分からない。

とりあえず、水の種とあるので、何か植物の種なのだろう。


他の物を鑑定した時は多少の説明も見れるのに、これは名前だけなんて……と、ガッカリしている。


種は拳程の大きな物が5個入っていたが、5個とも水の種と鑑定では表示された。


ゼンに貰った知識を探すが、水の種というものは残念ながら見つからなかった。


「んー……まぁ種なら、箱庭に帰って植えてみよう!」


育てば何か分かるだろうと、考えるのをやめたようだ。


丁度切りよく10階層まで来たし、お昼の時間にはまだ少しあるので、お昼を食べる前に植えれるなと、その場にゲートを繋いで箱庭に帰るのだった。


◇◇◇


「「「リオー!」」」

「何してるんだ?」

「リオ、おかえりー」

「今日はどこ行ってたの?」

「ここで何してたの?」


「あ、みんなお疲れさまー」


先程宝箱から出てきた種をどこへ植えようかと、リオが寝起きしている小さな家の裏手にある薬草畑の周りをウロウロしていると、畑の方から子供達が駆け寄ってきた。


「薬草とるの?」

「それなら俺らもやるぜ」

「畑の方は今日のノルマはほぼ終わりだからな」


「ありがとう!……って、え?!ノルマとかあるの??!」


ノルマとは、労働の基準量的なものだ。リオはそのようなものは設けていない。

子供達は年齢にかなりの差があり、小さい子は別に働かなくても良いとさえ思っている。なのでノルマの設定などするはずがない。

ならば誰が……?と、驚いていると


「あー、それな」

「全員でこれくらいは収穫して欲しいって言われてる量があってね」

「そうそう、商業ギルドに売る分と」

「あと、うちで食べる分ね」


「あぁ、そうだよね……」


そう言われれば確かにそうだ。基準になる量がある程度わかっている方が収穫もしやすいかもしれない。


「午前中で終わるくらいの量だから平気だよ」

「うん、そうそう」

と、ノルマがあると聞き、驚いているリオに子供達が慌ててフォローを入れる。


どうやら午前中は必要な野菜や果物から順に採って、午後からは自分の好きな物を好きなように収穫しているようだ。

ノルマと言ってもそれほど大変な量でもないらしい。


「無茶な量じゃないなら良かった」


「あはは、平気平気!」

「ルードがそんな無茶な事言うわけないじゃん」

「そうだよー」

「採るものを分かりやすくしてくれただけだよ」


「そっか、さすがルードだね」


「「「「「うん!」」」」」


それからリオは何をしているのかと改めて尋ねられた。

ダンジョンで宝箱から種が出てきたので、どこに植えようか悩んでいたことを伝えると、良さそうな場所をみんなも一緒に探してくれることになった。


「ねぇねぇ、種ってどんなの?」


「ん?これだよ」


そう言って種を1つ取り出して、1番近くにいたルナに渡した。


「わぁ!おっきい!」

「ほんとだ!」

「青いー!」

「種って初めて見た!」

「これが種か!」

「私が見たことある種はもっと小さい物だったよ」


ルナに渡した種をみんな興味深そうに見て、口々に感想を言っている。


植物の種を見たことある子もない子もいるようだが、確かにこの種はかなりの大きさだ。

私が知っている植物の種もこんなに巨大なものはない……いや、そういえば世界樹の木の種も大きかったよね……?

ってことは、これもかなり大きくなるのかな?いや、木の種とは限らないか……?


子供達と種を見ながら話していると


「おーい、リオー!」


ヘクターがサンちゃんを呼びに行ってくれていたようだ。

ヘクターとサンちゃんが走ってきた。


「あ、サンちゃん、おつかれー」


「リオ、また何か変なもの持って帰ってきたんだって?」


「へ?変なもの?!」


「え?違うのか?ヘクターが……リオが変なもん持って帰って来たから見てくれって……」


「え……ヘクター……」と、ヘクターにジト目を向ける。


「いや、だってさぁ……」

ジト目を向けられたヘクターは、気まずそうな顔で口ごもった。


「変な物じゃないし!」


「フハッ、まぁまぁ」と、サンはリオとヘクターのやり取りに笑いながらも止めに入る。


「サン、これー」と、リオから種を受け取っていたルナがサンの服の裾をつんつんと引っ張り、振り向いたサンに種を手渡した。


「なんだ?これ??」


「水の種……?」


「いや、それは鑑定したからわかったんだけど……説明が出ないな……?」


「あ、サンちゃんでも説明出ないんだ?」


「あぁ、リオもか?」


「うん、名前だけ……サンちゃんで出ないなら出ないはずだよ」


「え、いや、そんな事は無いだろうけど……でも、何なんだろうな?」


「植えてみて、育ったら何か分かるかと思って」


「まぁ、そうだな」


「それで植える場所探してたんだよ」


サンちゃんに鑑定してもらっても何か分からなかった。鑑定スキルも万能では無いようだ。

何かわからないが、種の大きさから考えて大きくなりそうだ。

世界樹の木の種と同じくらいだったので、それくらい大きく育っても大丈夫な所を探していたと伝えると、そんなに大きくなりそうなら川沿いに日陰が欲しいという意見が出たので、川沿いに植えることになった。

かなりの距離を空けて、水の種を5個とも植えた。

植えた所がわかるように、子供達が水の種と書かれた小さな看板を午後から種を植えた所に作ってくれるようだ。

今はとりあえず、石ころを数個、種を植えた周りを囲むように並べて置いた。


「リオー楽しみだねー」


「そうだね」


「いつ芽が出るかな?」


「どうかな?箱庭の中に植えた植物って、成長早いから割とすぐかも?」


「どんな植物が育つかなー?」


「それはわかんないなぁ……水の種ってくらいだし、瑞々しい実がなるとか?あ、多肉植物的なのとか??」


「水が出る実かも?」

「ヤシの実みたいなの?」

「あー、それあるかもな!」

「美味しいのだといいなぁ」

「お花かもしれないよ?」

「水の出る花?」

「あまーい蜜が取れる花だといいな」

「それ美味そう」

「早く育てー!」


水いっぱいかけた方がいいかな?と、水属性のスキル持ちの子供達が、種を植えた所に水を沢山かけてあげていた。

毎日魔法の練習をしているだけあり、出せる水の量も大量だ。水たまりが出来ている。


種から植物が育つ所を観察するのはみんな初めてのようだ。

まだ土に種を埋めたばかりの場所をワクワクした様子で眺め、早く育てと話しかけている。


「可愛い……」と、リオがほっこりした顔で眺めていると


「そうだな、和むな」と、サンもそう言いながらリオの近くに歩いてきた。


「うん、子供達は癒しだよね」


「ちょっと素直すぎる気もするけどな」


「ダメなの?」


「日本じゃ無いからな……」


「あー、魔物もいるし?」


「魔物もだけど、自分勝手な人も多いだろ?窃盗、強盗、恐喝、拉致、殺人も日常茶飯事だって聞くしな……」


「え……」


「えって、リオ?!」と、サンは、知らなかったのか?とでも言いたげな顔でリオを見た。


「日常茶飯事なの?!殺人も?!」


「うん、それもかなり多いみたいだよ」


「怖っ!」


「リオもランちゃんも絡まれてたろ?」


「……そういえば、そうだね」


「子供達も、あんまり素直すぎると、知らない人にもついて行きそうで心配だな……騙されたりとかな……」


「うん……やっぱ防犯グッズがいるかな?」


「作れるのか?」


「前にも作りたいなって思ってた事あるんだけど、良いのが思いつかなかったんだよ……」


「防犯ブザーとかじゃダメなのか?」


「誰か助けに来てくれるかな?」


「あー……SOSの音だって認識されないと難しいか?」


「変な音がするって見に来てくれる人はいるかも?」


「だな、でも戦える人が来るかは分かんないもんな……」


「じゃぁ、また何か良いアイデアがあったら教えて」


「んー、でもどうせ作るなら早い方がいいよな」


「うん……」


「何かあってからじゃ遅いし」


「な、何かって、何?!」


「いや、ほら、アラン達は冒険者の仕事するのに街中にも行くし、パメラ達は家から通ってるだろ?」


「うん……」


「ルードやミーシャも商業ギルドや冒険者ギルドにも行ってるし」


「うん……」


「絡まれて怪我したとか、拉致られそうになったとかはまだ聞かないけど……」


「でもパメラは絡まれてたね……」


「うん、拉致されたり、取り返しがつかない事が起きる前に防犯グッズはあってもいいかもな」


「うん!じゃぁ午後から作る!手伝って!」


「うん、いいよ」


全員に渡した箱庭放送のスキルの放送ボタンで助けを求めることは出来るが、箱庭の外にいたのでは会話は一方通行だ。

いる場所や状況を上手く伝えられればいいが、状況次第では難しい事もある。焦っていたら放送ボタンの存在を忘れている可能性もある。

そんな時でも発動するようなアイテムが理想だと、昼食を食べた後サンちゃんにも協力してもらいアイデアを捻り出し作ってみることになった。


「とりあえず、ご飯ー」


「お、おう……」


ゼン:リオ、サン、何やら珍しい種を手に入れたそうじゃのぉ

リオ:あ、ゼン、お疲れ様ー

サン:うん、リオがダンジョンでね

ゼン:ほぉほぉ、してそれはどこにあるのじゃ?

リオ:埋めたよ?

ゼン:…は?

サン:家の前の川沿いに植えたんだよ

ゼン:ふむ、掘り起こしても良いかのぉ?

子供達:ダメーーーー!!!!!

ゼン:ビクッ

リオ:あはは、ダメだってー

ゼン:1つだけ…

子供達:ダメーーーー!!!!!

サン:ゼン、なんで掘り起こそうとするんだ?

ゼン:珍しい物だと聞いたのでな、私も見て見たくてのぉ

サン:あー…

リオ:子供達が埋めてくれたから、植物が成長してまた種が取れるまで待つしかないね

ゼン:う、うむむむむ

サン:先が長そうな話だな…




いつも読んで下さりありがとうございます!


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