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356、防犯グッズ

更新の間があいてすみません…

あけましておめでとうございますm(_ _)m

更新はゆっくりになると思いますが今年もお付き合い頂けますと幸いです!

「パッと思いつくのはさっき言ってた防犯ブザーだけど、鳴らしても誰かすぐに駆けつけてくれるかどうかが心配だよね」


昼食を食べた後、リオとサンはリビングに移動し、紙にメモを取りながら防犯グッズについて話し合っている。


「あとはカラーボールとかか?」


「それお店とかで使うやつだよね?」


「作れるならフリーオンに置いとくか?」


「護衛はいるけど、それもいる?」


「派手な色が着くとどこ行ったか見つけやすくはなるけどな?」


「そっか、追いかける時?」


「人混みに逃げられても見つけやすそうだよな」


「そうだね!」


「他には?」


「あ、GPSは?」


「あー、いる場所がわかるのはいいよな!」


「だよね、だよね」


「でもそれ人工衛生無くても作れるのか?」


「あー……どうだろ?」


「とりあえずメモっとくか」


「じゃぁ、他は?」


「あとは、催涙スプレーとか……か?」


「それ!それいいね」


「これは液は作れそうだよな」


「スプレーは難しい?」


「どうだろ?リオのクラフトで無理なら、ガンツ達に聞いてみるか?」


「うん、あとやっぱ自動で発動するって所は外せないよね」


「でもそれ、難しくないか?」


「うん、ムズい……」


「相手に取られないようにもしたいよな」


「ほんとだ!取り上げられたら大変!」


「何かいい方法があればいいんだけどな……」


「みんな持ってる腕輪に組み込む?」


「……腕輪?」


「地図のやつ」


「は?組み込めるのか?てか、どの機能をだ?」


「GPSと催涙スプレーと防犯ブザー?」


「いや、なかなか厳しくないか?」


「えー?!じゃぁどうするの?」


「えーって言われてもなぁ……」


うーん、うーんと2人で悩んでいると、急にリオが立ち上がった。


「あ、いいこと思いついた!アレならどう??」


「アレってなんだ?」


「ここにこうして、ああして、こうやって……」


「は?!それ……出来るのか?」


「わかんない!」


「……へ?!」


「ちょっと試してみる!」


「お、おう……」



思いついた勢いのまま、他の付与スキル持ちの子供達とおしゃべりしながら火や水を出せる魔導具作りをしていたヒースを強引に連れてくると、防犯グッズ作りを手伝ってもらうのだった。


◇◇◇



「で、できた……」


「わぁ!さすがヒース!」


「いや、ほんとすごいな、あのリオの無茶振りを……」


「ほんとだよ、リオむちゃくちゃ言い過ぎ」


「いやー、ヒースならできると思ってた!」


「調子いいこと言い過ぎな」


「うん……」


「えへっ、ありがとうー!」


とりあえずと、完成させた防犯グッズは地図を自動で記録してくれる魔導具、それと同じ腕輪に組み込んだようだ。

「これ一つつけとけばいいならラクじゃん!」ということらしい。


結局組み込んだ防犯機能とは、防犯ブザーでも、GPSでも、催涙スプレーでもなく……


「ちょっと試してみていい?サンちゃん」


「は?!どれを??!」


「えー、多分ちょっとピリッとするだけだよ?」


「は?!それかよ!嫌に決まってるだろ!!それに、ピリッとくらいで済まないだろ!」


「えー……」


「リオ、先に結界の方から試したら?」


「じゃぁそうしよっか!」


まず1つ目は、先程試そうとしてサンに断られた機能、2つ目は腕輪に魔力を流すことにより防御結界を張る機能だ。


腕輪をつけている本人と所持品以外は結界の外へはじき出されるようにしてあるので、これなら危害を加えられる心配はないだろう。


「おお!」


「いいんじゃないか?」


「うん、頑丈そうだよ」


「ちょっと攻撃してみて!」


「……うん……行くぞ?」


「うん!」


サンがガンッとリオが纏っている結界に向けて剣を振り下ろしたが、結界には傷を付けることも出来なかったようだ。


「完璧じゃん!」


「てか、結界固すぎだろ……」


「え?固い方がいいでしょ?ね?」


「うん、ダメなの??」


「ダメじゃないけど……俺今結構本気で攻撃入れたんだけど……?」


「魔法陣入れたの私だから、私より強くなったら切れるかも?」


「ぐっ……だよな、まだ全然レベル足りないからな……はぁ……」


この結界はリオが腕輪に魔法陣で刻んだものだ。腕輪の持ち主の魔力に反応して結界を展開する。魔法陣は刻んだ者の強さと強度が比例するようだ。なのでサンは最近ダンジョンに行き始め、レベルも上がってきたが、リオが魔法陣を刻んだ結界に傷すら付けられなかった事に少々ショックを受けているようだ。


「サンよりリオの方が強いんだな」と、ヒースは不思議そうに尋ねてきた。


「ふふん、凄いでしょ!」

「ああ、まぁな……」


「サンの方が強そうなのに」と、リオとサンの返事を聞いて驚いているようだ。


「え……?!」

「プッ、そうか?」


「サンの方がしっかりしてるし」


「ちょっとちょっとー!」

「あはは」

リオは頬を膨らませ、サンはそれを聞いて笑っている。


「まって、ヒース酷くない??!」


「だって、サンが1番頭いいし」


「いや、そんなことないけどな」と、サンは謙遜するものの。

「うっ、それは否定できないけど……」リオはそれには納得だと苦笑いだ。


「色々教えてくれるし、頼りになるし」


「そ、そうかな?」

「だよね!それにはめっちゃ同感だよ!!」


「もし俺にも父親いたら、こんな感じかなって、たまに思うよ」と、ヒースは少し寂しそうに笑った。


「さすが、リアルパパ強し!」


「……そうだな……」

リオの言葉に、もう会うことの出来ない自分の子供達を思い出したのか、サンの表情が少し曇った。


「あ、ごめん……」


「いや、いいよ」


「パパ……だった……の?」


「うん、もう会えないんだけどな、今はヒース達がいるから平気だよ」


「う、うん……リオも?」


「え?いや、私の子供は箱庭にいるみんなだよ!もちろんヒースもね!」そう言ってヒースをギュッと抱きしめた。


「うん!」


「ふぅ、ちょっとしんみりさせてごめんな、さてもう1つの機能だけど……」と、サンはしんみりした雰囲気から話を魔道具に戻そうと、パンと手を叩き話す。


「音声入力上手くできるといいけどね」


「これはさすがに無理な気もするけどな……」


「行くよ、サンちゃん!」


「お、おう……」


「助けてー」


「……」


「どう?」


「はっててーってなってるな」


「へ?」


「上手く声を拾えなかったんだろ?」


「いや微妙すぎる!まぁまぁはっきり発音したよね?」


「うん、ちゃんと聞こえてた」

「ならこっちに問題があるんだろうな?」


「手打ち入力もできるように改良する?」


「改良する?って簡単に言うけど、出来るのかそれ?」


「ジオとガンツ辺りを巻き込むか……?」


「結局他力本願か!」


「だってー、そのチャット機能、音声入力も難しかったんだもん」


「まぁ、そうだけど……」


そう、3つ目の機能はなんとチャット機能だ。

「地図の表示される所が画面として使えるじゃん!」と、組み込もうとしたが、ピンチの時に手動で打ち込むのは無理じゃないかと音声入力ができるように頑張っていた、のだが……

近くではっきり大きな声で言った言葉も上手く拾えなかったようだ。


「あー、もうすぐ晩御飯の時間だし、みんなに相談してみる?」


「そうだな……」


「んじゃ食堂行ってみよー」


「え、リオ、もう一個の機能のテストは?」


「それはサンちゃんが嫌とか言うからー」


「いや、普通に嫌だろ!!」


「だから食堂でモルモットを見つけようかと」


「おい!言い方!俺のこともモルモット扱いだったのかよ!」


「あはは、冗談だよー」


「言い方は冗談かもしれないが、やる事は一緒だけどな……」


「さてさてー」


「おい、無視か?!」


「誰にモルモットになってもらおうかなー?」


「リオがモルモットになるっていう選択肢は?」


「あー、それが前に攻撃で受けたんだけど全く効かなくて参考にならなさそうなんだよねー」


「……は?」


「相手、かなり自信満々な感じだったんだけど」


「え……」


「ちょっとピリピリ?するような?くらいで」


「どんだけ危ないことしてるんだ!もし大丈夫じゃなかったらどうするつもりだったんだよ!」


「いやぁ、まさかそんな攻撃手段を持ってるとは思わなくて」


「はぁ……大丈夫だったからよかったものの、気をつけろよ」


「うん!」


リオとサンの会話になんとも言えない表情で2人を見るヒース。

そんな話をしながら食堂に入るとまだ夕食には少し早い時間だったが、食堂内はもう既に半数以上の人が帰ってきており、ガヤガヤと賑やかだった。


これだけいればモルモットは選びたい放題だ。


誰にしようかなーと、リオは食堂内の人々を物色する。


「おい……」


「ん?どしたの?サンちゃん?」


「目がヤバいぞ……」


「え?!」


「リオ怖いよ……」


どうやら獲物を狙うような目をしていたようでサンとヒースに咎められていた。


改めて、挨拶を交わしながら部屋の奥へ。


子供達はダメだし……


大人も……あ!


「だから、顔!」


考えていることが顔に出ていたようだ。

ニヤリと口角が上がって不気味な顔になっていると再びサンに咎められた。

だが、ターゲットは決定した!あとは試すだけだ!


「ドニー!」


「おう、リオ!どしたんだ?」


リオがモルモットに選んだのは迅雷の光のリーダー、ドニのようだ。

仲間達と席につき、談笑しながら既にビールを煽っていた。


「ドニ、ちょっとヒースの腕掴んでみて?」


「は?」なんでだ?とでも言いたげな顔だが、不思議そうな顔をしつつも素直にヒースの腕を掴んでくれた。


「よし!ヒースやっちゃって!」と、リオは親指を立てた。


「ほ、ほんとに良いのかな?」


「え?いや、何がだ?何させる気だ?」

「うん、大丈夫大丈夫!」


不安そうに尋ねるヒース。

何が何だかよく分からず不思議そうな顔でリオとヒースをキョロキョロと見るドニ。

あっけらかんとした笑顔で自信満々に大丈夫大丈夫だと笑っているリオ。

本当に大丈夫なのかよ?と呆れたような苦笑いのサン。

そんなリオ達を、何を始めるんだと不思議そうに見守る食堂にいた面々。


「ふぅ、いくよ」とヒースが軽く深呼吸をしながらリオを見た。


「うん」


「えいっ!」


リオが笑顔を返すと、ヒースは魔道具に魔力を込めた。


「え……ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああ」


ヒースが魔道具に魔力を込めた瞬間、握られたヒースの腕と、握ったドニの手の間から眩い光が放たれた。

光はバチバチという音を引き連れ、何度も光を放つ。


その衝撃にドニは目を白黒させながら叫び声を上げた。




それが収まったのは、短いドニの髪の毛がパチパチと放電しながら逆立ち、体からは若干の焦げ臭い臭いと共にうっすらと煙が立ち上った頃だった。


「どぉ?」


皆驚きに目を見開いて動けずにいる中、悪びれた様子もなくドニに声をかけたのはリオだ。


「こ……」


「こ?」


「殺す気かー!!!!!!!」


「わぁ!ビックリしたァ!」


「ビックリしたじゃねぇ!何しやがんだ!」と、ドニは涙目だ。


「実験だよ」


「……は?実験?!」


「そうそう!実験!」


「ったく、なんの実験だよ!」とパチパチという逆だった髪の毛を撫で付けながらドニは呆れ顔でリオに尋ねた。


「スタンガン機能の実験!」


「スタン……?なんだって?」


3つつけた機能のうち、最後の1つはスタンガンの機能だ。

触れた相手に電撃を流し攻撃する。

結界で守り、電撃で攻撃している間にチャット機能で連絡をとり助けを呼ぶ。

完璧だ!とリオは自信満々だったが、それのテストが問題だった。

電撃の強さはサンに人が死なない程度になるよう見てもらってはいたが、実際人で試してみるとなると実験台にされる人はたまったものではないだろう。

その実験を本人の許可もなく試したのだ。もっとブチ切れされていてもおかしくない。

だが、リオがあまりにも普段通りで悪びれた様子もないので、ドニも毒気が抜かれたようだ。呆れたようなジト目をリオに向けている。


「じつは、防犯グッズ作っててー」


「防犯グッズ?」


「そうそう!うちは子供が多いから、街に出る時に危ないでしょ?」


「ん?んー……まぁ、そうか」


「それで、もし不審者や人攫いに何かされそうになった時に使う道具を作っててね」


「へぇ、それはあるといいかもな」


「そうでしょ!それの実験台になってもらったの!」


「は?誰に……」


「ドニ!」


「は?……聞いてないんだが?」


「え?今言ったじゃん!」


「事後報告かよ!!!」


「うん!あはは」


「おい!笑い事じゃねぇ!」


「えー?」


「普通は先に許可を取ってからするだろ!!」


「おー、そういう常識は一緒なんだ!」


「おい!変なとこ納得してんじゃねぇ!俺の話聞いてたか??」


「聞いてた聞いてた!」


「ったく!変な実験の実験台にされるとか、冗談じゃねぇぜ!!」


「ドニは雷属性の武器使ってるから、耐性があるかと思ってー」


「アホかァ!武器が雷属性なのと耐性があるのは別問題だ!!」


「耐性無いの?」


「そりゃぁ多少はあるが……」


「なんだー!あるんじゃん!良かった良かった!」


全然(ぜんっぜん)良くねぇわ!無かったらどうするつもりだったんだ!!」


「え?!……貴重な犠牲だった……南無……」と、両手を合わせた。


「おい!勝手に殺すんじゃねぇ!!ったくよォ……」


「あはは、でも多少耐性あるっていうドニでこの効果なら大丈夫そうだねー!」


「うん!」

「そ、そうだな……」

リオとドニのやり取りに、ヒースもサンも顔を若干引き攣らせていた。


「おめぇらも、今度からは確認してからしろよな……」


「うん」

「そうするよ」


「えー?そんなこと言っても、何のためにここにいさせてあげてると思ってるの?」と、リオだ。


「へ?何のためって……どういう……」


「ふっふっふっ、君たちをモルモットに使うためだよ?」


「なに?モルモット?」


「実験動物だよ」


「……は?」と、本気か冗談か分からない顔で言うリオにドニは顔を青ざめた。


「プッ、あはは、冗談だよー」


「お前!アレの後で冗談とか言っても信じられねぇわ!」


「あはは」


「あははじゃねぇ!」


「あ、そうそう、チャット機能が上手くいかなくてー……」


「おい!リオ!俺の話は無視か??!」


「……えっとー、あ!ジオー、ガンツー!」


「コラー!人の話を聞けー!!」


リオは、ぎゃぁぎゃぁと文句を言うドニをスルーしてマイペースに防犯グッズのチャット機能の相談をするのだった。

ドニ:はぁ…ったく、酷い目にあったぜ……

髪の毛はまだピンピンに逆だってるし……

ヒースを掴んでた腕の毛は焦げてるし……

は?!触ったらボロボロ毛が落ちるじゃねぇか??!な?!

腕毛が……二の腕も……脇毛まで……無くなっちまった……


サン:ドニ、さっきはリオが無茶して悪かったな

ドニ:さ、サン……

サン:え?どうした?青い顔して……

ドニ:俺の、俺の毛がー!!

サン:は?

ドニ:焦げて無くなっちまったー

サン:うおっ!?指も腕もツルッツルだな!

ドニ:それだけじゃねぇ!脇も胸毛も無くなって……

サン:ブッ……

ドニ:おい!笑ったのか?

サン:ブッ、ククク、だって、すげぇツルッツルだから、あはは

ドニ:髪までこんなんなってたらただじゃおかねぇところだぜ!

サン:あはは、そん時はリオネルに作ってた毛生え薬塗ったらいいんじゃないか?

ドニ:ハッ!!その手があったか!

サン:でも面白いから、しばらくそのままでいたら?

ドニ:サン……最近俺の扱いがリオに似てきてないか?

サン:え?リオに似てるって?

ドニ:俺の扱いが雑だって言ってんだよ!

サン:そうか?気のせいだろ?

ドニ:はぁ、揃いも揃って、なんて奴らだ……

サン:まぁ気にすんなって!

ドニ:おい!






いつも読んで頂きありがとうございます!

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