オークの集落掃討計画
「なるほどね……」
顎に手を当て考え込むロランさん。
「どうだ?」
「そうだなぁ……。そこまで大規模だと、今いるメンバーで潰すのは難しいだろうね。テオたちには行ってもらいたいけど、王族だから万が一を考えて頭数は揃えておきたいところだし。そうなると、討伐隊を組むのは明日になりそうだね」
「明日か……。トールに言って執務の方は何とかしてもらおう」
トール伯父様とヴィー従兄様、大丈夫かなぁ……。
お父様、アル叔父様、お兄様たちに私がいないと大変なことになってそうなんだけど。
アル叔父様なんて宰相だし。
かく言う私も宰相補佐だし。
帰ったら少し執務を……あ、ダメだ。
ザーシュに怒られる。
「ところでリリィちゃん。肩の上のその子、また増えたんだね」
[きゅいっ!]
「フワル君、降りて……」
いや、見た目に反して軽いから問題はないんだけどさ……。
某まさら町のさとし君は見た目相応の重さの黄色いのをいつも肩に乗せてるわけだよね。
肩こりやばそう。
というか、エリクさんに着いて行ったアスランの上にいたはずじゃなかった?
いつの間に乗ったのか全然気づかなかったんだけど。
「見る度に増えている気がするなぁ……。その子は色無しじゃないみたいだね。また拾ってきたのかな?」
「色無しじゃないよ。タマモが拾ってきた」
「タマモ……あの狐の従魔かな」
「うん」
「リリィちゃんの従魔たちも明日連れてきてもらいたいんだけど、いいかな?」
「いいよ」
「助かるよ」
あの規模だもん、戦力は少しでも多く欲しいよね。
「ロラン、討伐隊の募集はいつからだ?」
「今からでもやろうと思う」
「そうか。私たちも参加しよう、手続きを頼む」
「了解だよ、ありがとう。執務の方はいいのかい?」
「…………トールとヴィーがなんとかするだろう」
お父様、その目逸らしは何ですか?
ほら、ロランさんが苦笑してるじゃないですか。
「ひとまず、明日の動きだけ決めてしまおうか。リリィちゃん、オークの集落はこの地図でいうとどの辺りか分かるかい?」
えーと、シエルの視覚で見た時は……。
「この辺りだよ。大きさはだいたいこのくらい。規模はさっきの通り少なくとも2000」
「意外と浅いな。しかも、範囲が広い上少なくとも2000ときてる……。これはかなり大規模な掃討になりそうだ」
「集落を取り囲んで逃げられないようにするのは確定として、どこから討伐を始めたら良いものか……」
ロランさんとお父様を中心として、明日の掃討作戦が練られていく。
もちろん私もそれに参加。
討伐の準備、移動、どう人員を配置するか、様々な事を決めていき、あとは討伐隊の人数に合わせて調整するだけ、という所まで詰めた。
「あとは討伐隊がどれくらい集まってくれるか、だね」
「しかし、こんなに浅いところにここまで巨大なオークの集落が出来るとはな……。何が原因なんだ?」
ぽつりとお父様が呟くが、その理由は明白。
「ロランさん、冒険者たちの活動を制限してるでしょ?」
ピタリと空気が止まったようになる室内。
驚いて声も出ない様子のロランさん。
「バレていたのか……」
そりゃあバレるよ。
「依頼を受注するための条件が厳しくなってたからね」
元ローウェン辺境伯領ギルドでは、深淵の森のうちリルの森と同じ程度の強さの魔物が出てくる領域での依頼はBランクから受けられた。
それが、ここではAランク、それも5人以上という条件付き。
違和感を覚えないはずがない。
お父様たちは元ローウェン辺境伯領ギルドで依頼を受けたわけではないから分からなかったかもしれないけど。
「……そう。リリィちゃんの言う通り、制限しているよ」
「理由は、魔盛期で魔物が強くなってるから?」
「そうだね、それもある」
ん?
「それも?」
「どういうことだ、ロラン」
お父様が眉間に皺を寄せてロランさんに問う。
「テオたちには言っておいた方がいいかな。確信した時には手遅れ、ではシャレにならないしね」
「ロラン、何があったのです?」
アル叔父様が先を急かす。
「今回の魔盛期……大魔盛期かもしれない」
お知らせです。
7月18日を以て、活動拠点をなろうからノベルアップ+に移すことにしました。
今後もこちらでも作品を上げますが、一部のみとなります。
ノベルアップ+では全ての作品を上げる予定ですので、興味がおありの方はそちらでもよろしくお願いします。
また、18日よりノベプラオンリーで連載開始しますので、更新速度が落ちます。
ご理解のほど、よろしくお願いしますm(*_ _)m
……なんで前書きや後書きでは文末が「す」のパレードになるんだろう(´・ω・`)




