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第23話 再会

「少し二人にしてもらってもいいかな?」


ライア様がシェリー様に優しく微笑みかけていった。

シェリー様は私を心配そうに見つつ一礼すると部屋を出て行った。


私は急いで体を起こそうとした。

「いいよ、そのままで・・・・」

ライア様はそばにあった椅子を引き寄せ私のベッドのそばに座った。

忘れもしないあのエメラルド色の瞳が私を見つめ、私は口から心臓が飛び出るような気がした。


「久しぶりだね・・・」

「覚えていてくださったんですね・・・・」

「ああ・・・・フラグの家で会った君の事はずっと忘れずにいた・・・・」


ライア様は窓の外を見つつ静かに言った。

「あのあとフラグが君を闘技場に売ったことを知って僕は何とか君を助け出そうとした・・・」

「ライア様が・・・・?」

「でもあの時はどうしても父に逆らえなくて、奴隷だった君を僕が救うということすらできなかった・・・簡単なことだったはずなのにね」

ライア様は自嘲的な笑みを浮かべた。

「そしてそのあと・・・・」

「私が反乱を起こした・・・・」

「そう・・・・君は自分で自分を縛る鎖を断ち切って僕の手の届かないところに行ってしまった・・・」

ライア様の瞳に悲しみの色が浮かんだ。

「ミスカにもこのことを話した。僕とミスカは心に決めたんだ。あの時救えなかった君そのものが、僕とミスカが打破すべきものだって・・・」

ライア様の手が伸び私の手をやさしく包んだ。私は息が止まりそうだった・・・・

「やっと・・・・君を救うことができた・・・生きていてくれて・・・・」

ライア様は静かに言った。

「有難う・・・クラン」

「ライア様・・・・」


私はあふれ出る涙を抑えることができなかった。

ようやく何かが終わった・・・・そう思うとただ涙が止まらなかった。


「今後のローディスのことだけど・・・」

「はい・・・」

「今のこの国の人たちにとってはローディス教自体は決して悪いものではないと僕もミスカも思ってるんだ」

ライア様の言葉に力がこもる。

「教義自体は君も知ってのとおり、人身の差別を禁じているししっかりとしている」

「はい・・・・」

「要するにそれを実行する教皇という存在に問題があったと思うんだ。」


ライア様は静かに立ち上がった。

「クラン・・・・僕の力を貸してほしい・・・」

ライア様は私の目をまっすぐに見て話し始めた。



「・・・・・・・」

ライア様が部屋を出て行った後・・・・

私は呆然としていた。ライア様の言った言葉・・・それは私の想像の息をはるかに超えるものだった。

「クラン・・・・」

部屋をノックする音がして入ってきたのはカミュ様だった。

「カミュ様・・・・」

「シェリーから聞いた。話はすでに聞いているようだな。」

「はい・・・・でもライア様のお言葉は・・・・・」

私はうつむいた。

「私なんかが・・・・」

「クラン」

カミュ様は静かに言った。

「お前がどういう選択をするにせよお前自身が気に病むことはない」

「・・・・・・」

「お前には自由を得る権利もある。ただ・・・・」

「ただ・・・・・?」

カミュ様は髪をかきあげ笑って見せた。

「お前がどこかに行くとさみしがる人間がたくさんいるということも忘れるな。俺もその一人だ」

「カミュ様・・・・」

「とにかく・・・・今回の一件ではお前に大きな借りができた。この借りは一生かけても返していくつもりだ」

そういうとカミュ様は部屋を出て行った。


私はどうするべきなんだろうか・・・・

今の私は・・・・・・


この国は変わろうとしている。

新しい時代が来るのは確かだ。

そんな中で私の力を必要としてくれる人がいて、そして私を大事にしてくれる人がいる・・・


以前の私になかったものがすべてここにはある。

これ以上の自由なんか望むことができるのだろうか・・・・


私は大きく息を吐き出した。

迷いはいつの間にか私の中から消えていた・・・・


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