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第四話 始まりの村ボード村

第四話 始まりの村ボード村


 森を抜ける。


◇◇◇


 目の前に、小さな村が姿を現した。


◇◇◇


 木の柵に囲まれた素朴な村。


◇◇◇


 煙突からは白い煙が立ち上る。


◇◇◇


 畑では村人たちが畑仕事をし。


◇◇◇


 子どもたちが元気よく走り回っている。


◇◇◇


━━━━━━━━━━


始まりの村


ボード村


━━━━━━━━━━


◇◇◇


「ここがボード村です!」


◇◇◇


 モリィが嬉しそうに言う。


◇◇◇


「いい村だね」


◇◇◇


 リリスは自然と笑みを浮かべた。


◇◇◇


 その時だった。


◇◇◇


「モリィー!」


◇◇◇


 一人の大柄な男性が走ってきた。


◇◇◇


 続いて優しそうな女性も駆け寄る。


◇◇◇


「お父さん!」


◇◇◇


「お母さん!」


◇◇◇


 モリィは二人に抱きついた。


◇◇◇


 男性は猟師のバンガ。


◇◇◇


 女性は裁縫師のマーサだった。


◇◇◇


「無事だったか!」


◇◇◇


 バンガはモリィを強く抱き締める。


◇◇◇


「心配したのよ……」


◇◇◇


 マーサも涙ぐんでいた。


◇◇◇


「ごめんなさい」


◇◇◇


「薬草を採ってたらウルフが出てきて……」


◇◇◇


 モリィが事情を説明する。


◇◇◇


 そして。


◇◇◇


「この人が助けてくれたの!」


◇◇◇


 リリスを紹介した。


◇◇◇


 二人は驚いた表情でリリスを見る。


◇◇◇


「あなたが娘を助けてくださったのですか」


◇◇◇


 バンガが深く頭を下げる。


◇◇◇


「本当にありがとう」


◇◇◇


 マーサも続いて頭を下げた。


◇◇◇


「ありがとうございます」


◇◇◇


 リリスは慌てて首を振る。


◇◇◇


「気にしないでください」


◇◇◇


「近くにいただけですから」


◇◇◇


 すると。


◇◇◇


 一人の老人が近づいてきた。


◇◇◇


 白い髭を蓄えた穏やかな男性。


◇◇◇


 この村の村長だった。


◇◇◇


「話は聞いたぞ」


◇◇◇


「娘を助けてくれたそうじゃな」


◇◇◇


 リリスは軽く頭を下げる。


◇◇◇


「リリス・ルクスヴィアです」


◇◇◇


 村長は優しく微笑んだ。


◇◇◇


「旅人か?」


◇◇◇


「はい」


◇◇◇


「今日、この世界へ来たばかりです」


◇◇◇


 村人たちは驚きの声を上げる。


◇◇◇


 村長は少し考え込み。


◇◇◇


 やがて頷いた。


◇◇◇


「ならば、この村に住むといい」


◇◇◇


「空き地がある」


◇◇◇


「家を建てよう」


◇◇◇


「えっ?」


◇◇◇


 リリスは目を丸くした。


◇◇◇


「そんな……」


◇◇◇


 バンガが豪快に笑う。


◇◇◇


「娘の命の恩人だ」


◇◇◇


「家くらい、村のみんなで建てればいい!」


◇◇◇


「そうそう!」


◇◇◇


 村人たちも賛成する。


◇◇◇


 その日のうちに。


◇◇◇


 村人総出で家づくりが始まった。


◇◇◇


 木を切る者。


◇◇◇


 柱を組む者。


◇◇◇


 壁を作る者。


◇◇◇


 マーサはカーテンや寝具を用意してくれた。


◇◇◇


 夕方には。


◇◇◇


 一軒の可愛らしい木造の家が完成する。


◇◇◇


「すごい……」


◇◇◇


 リリスは感動していた。


◇◇◇


「今日からここがお前さんの家じゃ」


◇◇◇


 村長が笑う。


◇◇◇


「ありがとうございます!」


◇◇◇


 リリスは深々と頭を下げた。


◇◇◇


 その夜。


◇◇◇


 歓迎会が開かれた。


◇◇◇


 バンガが仕留めた獣肉。


◇◇◇


 マーサの焼きたてのパン。


◇◇◇


 村人たちが持ち寄った料理が並ぶ。


◇◇◇


 笑い声の絶えない食卓。


◇◇◇


 リリスは温かな空気に包まれながら思った。


◇◇◇


「この村、好きだな」


◇◇◇


 こうして。


◇◇◇


 リリスはボード村で一年間を過ごすことになる。


◇◇◇


 素材を集め。


◇◇◇


 狩りをして。


◇◇◇


 採掘を行い。


◇◇◇


 錬金術とクラフトを磨く日々が始まるのだった。


━━━━━━━━━━


第五話へ続く


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