第四話 始まりの村ボード村
第四話 始まりの村ボード村
森を抜ける。
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目の前に、小さな村が姿を現した。
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木の柵に囲まれた素朴な村。
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煙突からは白い煙が立ち上る。
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畑では村人たちが畑仕事をし。
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子どもたちが元気よく走り回っている。
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始まりの村
ボード村
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「ここがボード村です!」
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モリィが嬉しそうに言う。
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「いい村だね」
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リリスは自然と笑みを浮かべた。
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その時だった。
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「モリィー!」
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一人の大柄な男性が走ってきた。
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続いて優しそうな女性も駆け寄る。
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「お父さん!」
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「お母さん!」
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モリィは二人に抱きついた。
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男性は猟師のバンガ。
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女性は裁縫師のマーサだった。
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「無事だったか!」
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バンガはモリィを強く抱き締める。
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「心配したのよ……」
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マーサも涙ぐんでいた。
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「ごめんなさい」
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「薬草を採ってたらウルフが出てきて……」
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モリィが事情を説明する。
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そして。
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「この人が助けてくれたの!」
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リリスを紹介した。
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二人は驚いた表情でリリスを見る。
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「あなたが娘を助けてくださったのですか」
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バンガが深く頭を下げる。
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「本当にありがとう」
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マーサも続いて頭を下げた。
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「ありがとうございます」
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リリスは慌てて首を振る。
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「気にしないでください」
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「近くにいただけですから」
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すると。
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一人の老人が近づいてきた。
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白い髭を蓄えた穏やかな男性。
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この村の村長だった。
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「話は聞いたぞ」
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「娘を助けてくれたそうじゃな」
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リリスは軽く頭を下げる。
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「リリス・ルクスヴィアです」
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村長は優しく微笑んだ。
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「旅人か?」
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「はい」
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「今日、この世界へ来たばかりです」
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村人たちは驚きの声を上げる。
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村長は少し考え込み。
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やがて頷いた。
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「ならば、この村に住むといい」
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「空き地がある」
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「家を建てよう」
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「えっ?」
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リリスは目を丸くした。
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「そんな……」
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バンガが豪快に笑う。
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「娘の命の恩人だ」
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「家くらい、村のみんなで建てればいい!」
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「そうそう!」
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村人たちも賛成する。
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その日のうちに。
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村人総出で家づくりが始まった。
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木を切る者。
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柱を組む者。
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壁を作る者。
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マーサはカーテンや寝具を用意してくれた。
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夕方には。
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一軒の可愛らしい木造の家が完成する。
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「すごい……」
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リリスは感動していた。
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「今日からここがお前さんの家じゃ」
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村長が笑う。
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「ありがとうございます!」
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リリスは深々と頭を下げた。
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その夜。
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歓迎会が開かれた。
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バンガが仕留めた獣肉。
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マーサの焼きたてのパン。
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村人たちが持ち寄った料理が並ぶ。
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笑い声の絶えない食卓。
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リリスは温かな空気に包まれながら思った。
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「この村、好きだな」
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こうして。
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リリスはボード村で一年間を過ごすことになる。
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素材を集め。
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狩りをして。
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採掘を行い。
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錬金術とクラフトを磨く日々が始まるのだった。
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第五話へ続く
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