第40話 サーチマンのお披露目会
かんかんがくがく、紆余曲折ありながらも、
メアリの采配とヘレンの暴走気味の指示、そしてろぼみの献身的な働きによって、
穏健派はついに新商品サーチマンを完成させました。
その裏側はまた次回のお楽しみとして──
今回はいよいよ、サーチマンのお披露目会です。
メアリとろぼみの協力もあって、穏健派はついにサーチマンを完成させた。
そして今日は、その先行収録が第1スタジオで行われようとしていた。
三姉妹の前にヘレンが歩み寄ってきた。
「今日は私がディレクターを務めます」
「へえ、それはすごいね」と美咲。
「ええ、あのディレクターとは一味違う演出を期待してくださいませ」
ヘレンは胸を張って宣言した。
「いつものように、進行役と商品説明はメアリちゃん。
美咲ちゃんと紺ちゃんは全面アドリブで行きましょう」
「はい、それではスタート!」
◆
「美咲ちゃん、今日ご紹介する商品はこちらです!」
メアリの声とともに、おりずが商品を持って現れた。
「え?おりずさん?ヘレンさんだから?」
「はい、ここで問題です!」とメアリ。
「え?」
「おりずさんは何を持っているんでしょうか?」
「え?おもちゃの亀?」
「おもちゃの亀なのじゃ!」と紺が相槌を入れる。
「うんうん、おしいかも?」
「それじゃあ、亀のロボット!」
「亀のロボットなのじゃ!」
「亀のおもちゃのような亀のロボットのような──
正解はサーチマンです!」
「それではおりずさん、早速動かしてみてください!」
おりずはサーチマンを床に置き、数歩下がってコントローラーを手に取った。
サーチマンは亀のように歩き、そして停止した。
「あれ?止まったね」
「止まったのじゃ」
「うん。見てて」
すると甲羅の部分が緑色に光り、点滅を始めた。
「うわ?これ大丈夫なの?」
「大丈夫。見てて」
点滅が点灯に変わった。
「はい。終わったようなので、このモニターを見てください」
メアリは美咲にタブレット状のモニターを手渡した。
「何が写ってる?」
「うーん……これはレーダー探知機の画面のようだね……」
「ヒト、犬を散歩している人、ハト、にわとり?」
「なのじゃ」
「わかった。これは周囲の生き物を探る機械なんだね。
どうしてにわとりがいるかは不明だけれど……」
「そうなんです!サーチマンは半径5キロ圏内にいる生き物を探索できるんです!」
「どう、美咲ちゃん、ほしくなってきた?」
「確かにすごいとは思うよ。でも……微妙かな」
「微妙なのじゃ。動物の気配ならわしにもわかるのじゃ!」
「そこはふりでもいいから食いついてほしいんだけれど……」
メアリは少し肩を落とした。
◆
「ところで美咲ちゃんはさっき、亀のロボットみたいって言ったでしょ?」
「うん」
「ということは──亀はどこにいる生き物ですか?」
「え?まさか水中でも使えるの?」
「はい、そのまさかなんです。こちらをご覧ください!」
画面が切り替わった。
「え?ビーチにマーガレットさんとヘレンさん、何これ」
砂浜でマーガレットとヘレンがビーチバレーをしている。
「水着でバレーはまあいいとして……」
画面が切り替わり、今度は柔道を始めた。
「水着で柔道はやばいでしょ……」
「ん?寝技に入ったようですよ」とメアリ。
「そういう問題じゃないよ。うわっ、押さえ込まれているのにヘレンさんの顔がやばい。
ていうかサーチマンと関係ないじゃんこれ」
「もうちょっと見てて。あれ?静香ちゃんだ」
静香がサーチマンを持って現れた。
波打ち際まで近づくと、唐突にサーチマンを海へと投げ込んだ。
「お?海の方に投げ入れたよ」
「なのじゃ」
「うほほ!アジ、さば、ひらめ、イワシもいる!」
「どう?美咲ちゃん、サーチマンの威力はどうですか?」
「これはすごいね!ミエールくんと同時に使えばきっとおもしろいよ!」
「はい!美咲ちゃんお勧めの水陸両用サーチマン!」
「今回はマーガレットヘレン姉妹のグラビアセットで1万円のご提供です!」
「これはいいね。マーガレットさんのグラビアも評判いいし、姉妹でダブルだし」
「あたしはほしい!」
「はい、今すぐお電話くださーい!」
「はい!OKです!」
ヘレンの満面の笑みとガッツポーズと共に撮影は終了した。
ヘレンの満面の笑みは、穏健派の勝利と成功、そして彼女自身のディレクター業の手応えを物語っていました。




