第22話 美咲、カサゴ釣りに挑戦する
撮影が早く終わったその日の午後。
美咲は釣りバカ一直線、いそいそと港へ向かっていた。
「今日はカサゴのポイントに連れて行ってくれるんだって!」
美咲はすでにテンションMAX。
紺はその後ろを小走りでついていく。
「お姉さまの釣りがまた見られるのじゃ……!」
船に乗り込み、沖へ向かう。
ポイントに到着すると、美咲はさっそく講座を始めた。
◆ 美咲のカサゴ釣り講座(船釣り編)
「はい、みんな聞いて。今日はカサゴを狙います!」
美咲は胸を張って説明を始める。
「船釣りでは、カサゴのいるポイントをダイレクトに狙えるから数釣りが期待できるの。
きっといっぱい釣れるわよ」
「船釣りでは本当は別の仕掛けを使うんだけど、今日はもっと簡単な釣り方にするわよ」
美咲はブラーを取り出した。
「このブラーを糸の先につけて仕掛けは終わり。簡単でしょ?
えさはゴカイを使います。ゴカイの口にブスッと刺して、胴の辺りからすっと出すの」
紺は感心している。
「お姉さまはやっぱりすごいのじゃ……!」
メアリは少し引き気味だ。
「ゴカイって……ちょっとこわい……」
「慣れれば平気よ。じゃあキャストするわね」
美咲は糸をフリーにして仕掛けを投げる。
「仕掛けがふわーっと沈んでいきます。そこに着いたら少し巻いて、
ゆっくり竿を上下させながら反応を見るの。
グググっと来たら即、早合わせ!」
「根に入られる前に取り込むのが大事」
静香が合理的に補足する。
「魚がかかったら素早く糸を巻いて取り込みます。
それから……ひれの先に毒があるから素手では触らずにワニグリップでつかむのよ」
「お姉さまはなんでも知っているのじゃ……!」
◆ 大漁
みんなで釣り始めると、ほどなくしてクーラーボックスはぎっしり。
「すごい……こんなに釣れるんだ……!」
メアリが目を輝かせる。
「楽しかったよねえ!」
美咲は満足げだ。
◆ 帰宅して静香が捌く
島に戻ると、静香がキッチンに立った。
「棘があるので注意。背びれはペンチで切る」
静香はペンチやニッパーを使って淡々と捌いていく。
「静香ちゃん、工具で魚捌くの初めて見た……」
メアリが驚く。
「合理的」
静香は一言で片づけた。
◆ カサゴ料理が完成
カサゴの煮付け
カサゴの刺身
カサゴの唐揚げ
カサゴの味噌汁
テーブルには豪華な料理が並んだ。
「カサゴ釣りおもしろかったね」
メアリが嬉しそうに言う。
「ぐぐぐっとあたりが強烈じゃった」
紺も満足げだ。
「いただきまーす!」
わいわいみんなで食べ始める。
「でも、男の子のお父さんとお母さん、見つかってよかったね」
メアリがぽつりと言う。
「あの時のお姉さまは見事じゃった」
紺が胸を張る。
美咲は肩をすくめた。
「まあ、結果的に早く撮影が終わったんだから、あの男の子に感謝よね」
◆ 美咲、食レポに挑戦する
「そうだ、美咲ちゃん食レポやってみてよ」
メアリが言った。
「えっ、ここで?」
「うん。今日は美咲ちゃんの食レポ見れなかったから……」
「いいわよ。あたしだって練習したからね」
美咲は煮付けを一口食べた。
「えー、なにこれ、おいしい」
刺身を食べる。
「わーこれも、おいしい」
唐揚げを食べる。
「これも、おいしい!」
静香が冷静に言う。
「おいしいしか言っていない」
ぼくもつぶやいた。
「ちげえねえや」
美咲はむっとする。
「だってどれもおいしいから仕方ないじゃないの!」
「あははははは!」
食卓にみんなの笑い声が響いた。




