第14話 Message In A Bottle(前編)
その日、ぼくは作家先生とファミレスへ来ていた。
夕暮れの店内は静かで、島の喧騒とはまるで別世界だった。
作家先生
「今日は私のおごりだ。遠慮せずに好きなものを注文するといい」
「かたじけない」
作家先生
「かたじけない?」
「いや、最近、時代劇口調が気に入っているもので」
作家先生
「……まあ、君なら似合うかもしれん」
「ところで──要件を聞きましょうか」
作家先生
「君たちは島を占拠して好き勝手しているという話じゃないか。
いったい何を企てているんだ」
「中学生に大それたことは何もできませんよ」
「ぼくらはキャンプをする。釣りをする。ままごと遊びと大差ありません」
「孤島と言えば……最近こんなものを拾いました」
ぼくは、例の瓶をテーブルに置いた。
作家先生
「これはっ!!軍事施設の設計図だ!!」
「おとといきやがれ!」
「どう見てもオウムの絵でしょうが」
作家先生
「宇宙人勢力の仕業か!!」
「……だめだこりゃ」
■
翌日。ぼくは公園へ向かった。
すでにみんな集まっていた。
動物たちまで円陣を組んでいる。
「作家先生の線は全然だめだ」
紺
「元より期待してはおらなんだ」
美咲
「それより、いったい何が書いてあるの?」
「実はな、このメッセージはメアリという女の子が書いたもので」
「どうやら行方不明のペットのオウムを見つけてほしいらしい」
美咲
「たいへんじゃないの!」
「……まあ、落ち着け」
紺
「主様、オウムは島で野生化しておるのじゃ」
静香
「自由生活」
ろぼみ
「あたい、オウムの電波を解析するの……!」
美咲
「メアリに教えてあげなきゃ!」
■ 美咲の家
画面には、島の電波塔からろぼみが送ってきたライブ映像が映っている。
ろぼみ(音声)
「あたい、オウムの位置を特定したの……!」
ぼく
「ほう、たいしたもんだ。鳥の電波ってなんだ」
画面の奥、紺の館の屋根の上に──いた。
「ピィーーッ!」
メアリ
「ピーター……!」
ピーターは画面越しにメアリを見つめた。
その目は、懐かしさと戸惑いが混ざったような光をしていた。
美咲
「ピーター、メアリのこと覚えてる!」
紺
「主様、ピーターはメアリを認識しておるぞ」
静香
「帰るかも」
ピーター
「ピィ……(迷ってる)」
メアリ
「ピーター……帰ってきて……」
ピーター
「ピィッ!(いやだ)」
そしてピーターは、画面の外へ飛び去った。
メアリ
「……ピーター……」
「なるほど……ピーターは島の自由生活を捨てたくないってことだろうな」
美咲
「どうするの!?メアリ!」
メアリは、涙をこらえながら、ぼくたちを見た。
メアリ
「決めたわ」
「ピーターが帰らないなら──
わたしが島へ行く」
「おいおい」
メアリ
「わたし、転校する。美咲の家にホームステイする」
美咲
「えっ……ほんと!?やったぁぁぁ!!」
紺
「主様、メアリは本気じゃ」
静香
「住む」
ろぼみ
「あたい、歓迎するの……!」
「まあ、しょうがないか……」
メアリ
「ピーターが帰るまで、島に通う。あなたたちの仲間に入れてほしい」
「なるほど……するってえと、新しい仲間が増えるってことか」
美咲
「やったぁぁぁ!!」




