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第10話 戦慄のミスコンテスト

ぼくは元々、幼馴染の美咲を持つこと以外、周囲から特別な評価を受けるような人物ではなかった。

しかし最近では町の人々のぼくを見る目は明らかに変わってきた。


「あの女の子、普段着がコスプレらしいよ」

「狐の美少女を連れてる」

「メイドロボまで従えてる」

「動物たちが彼に忠誠を誓ってるって噂だぞ」

「新興宗教の教祖……?」


「……なんか最近、視線が痛いんだけど」


静香

「ろぼみのせい……だと思う」


美咲

「えっ、ろぼみってそんなに目立ってるの?」


紺

「ろぼみの女装は……鮮烈じゃからの」


主人公

「……どうしたものか」


■

紺は普段から耳と尻尾を出している。

周囲はそれを“コスプレ”だと思っていたが──


「あの子、狐のコスプレ?」

「いや、あれ本物らしいぞ」

「本物って何だよ……」

「でもかわいいからOK」


不可解さと好感度が同時に成立する稀有な存在。

さらに紺は市内の動物たちと意思疎通ができる。


犬

「紺様〜!」

猫

「紺様〜!」

カラス

「紺様〜!」


その姿はまるで 巫女 のようだった。


クラスメイト

「紺ちゃんも出るの?」

「美咲ちゃんとどっちが人気あるんだろ」


「紺は出ないよね?」


紺

「お姉さまの護衛として参るだけじゃ」


「嫌な予感がする……」


■

ろぼみ

「あたい、今日のスカートは……動物界デビューにふさわしい揺れなの……!」


静香

「ロボ……いや、ろぼみ……その努力は方向性がズレている……」


ろぼみ

「あたいは……動物界のメイドになるの……!」


「静香とろぼみもエントリーっと……」


紺

「ろぼみは……自分の役割を模索しておるのじゃ」


美咲

「かわいい〜〜!」


■

美咲は地元の新聞社主催のミスコンテストに他薦で応募されてしまう。

当初、彼女は関心を示さなかったが、自分の価値をアピールするために出場を決意するのであった。


美咲

「えっ……わたし……出るの……?」


「美咲なら人気あるし……当然かも」


静香

「美咲、かわいい」


紺

「お姉さまは……市内の宝じゃからの」


美咲

「えぇぇぇぇぇ……?」


■ 美咲の葛藤

美咲は自室で膝を抱えていた。


美咲

「……わたし、勝てるのかな……」


「美咲なら大丈夫だよ」


美咲

「でも……紺は、かわいいし……あんたと紺って……なんか最近距離近いし……」


「えっ……?」


美咲は自信を失っていた。

紺はかわいい。

紺は人気がある。

紺は主人公を“主様”と呼ぶ。


美咲

「……負けたくない……紺のことは好きだけど……負けたくない……」


「美咲……」


美咲

「それに、あんたに……ちゃんと見てもらいたいの……わたしのこと……」


その声は震えていたが、瞳には確かな決意が宿っていた。


美咲

「明日……絶対に勝つ。あたし、自分を取り戻す……!」


■

市内の廃ビルの地下。宇宙人勢力が動いていた。


宇宙人司令官

「狐型生命体“紺”の人気は上昇中。計画は順調だ」


部下

「動物たちの忠誠心も高まっています。クーデターの準備は整いつつあります」


司令官

「ミスコンで紺が注目されれば、動物界は一気に我々の支配下に落ちる……」


部下

「地球の植民地化が始まりますね」


司令官

「ふふふ……」


■

静香

「……宇宙人サイドが紺を利用しようとしている」


ろぼみ

「あたい、電波で感じたの……宇宙人の通信が……紺様を狙ってるの……!」


静香

「このまま宇宙人サイドが勝つのは……面白くない」


ろぼみ

「あたいも……面白くないの……!」


「そんな理由で……」


静香

「でも、美咲ちゃんが優勝した方が平和になる」


ろぼみ

「あたい、美咲様を勝たせるの……!」


静香

「票操作、やるよ」


「それは問題あるのでは!!」


しかし、静香とろぼみは既に動き始めていた。


■

ミスコン当日

会場は満員だった。


観客

「紺ちゃんかわいい〜!」

「狐巫女みたい!」

「動物たちが応援してる!」


犬

「紺様〜!」

猫

「紺様〜!」

カラス

「紺様〜!」


「動物たち来ちゃったよ……!」


紺

「お姉さまの護衛として参るだけじゃ」


しかしその姿が逆に人気を呼んでいた。


■ 美咲、再起

美咲はステージに立つ。その姿は震えていたが──

瞳は強かった。


美咲

「あたしの一番……見ててね……」


観客

「美咲ちゃんかわいい!」

「やっぱり本命だ!」

「紺ちゃんとどっちだ……!?」


「美咲……」


■

静香

「ろぼみ、準備は?」


ろぼみ

「あたい、ネットワークに侵入したの……!」


静香

「宇宙人の通信を妨害して、美咲ちゃんの票を増やす」


ろぼみ

「あたい、美咲様のために……!」


「やめろって言ったのに!!」


■

宇宙人司令官

「通信が……遮断された!?誰だ……!」


部下

「紺の人気が……美咲に流れていきます!」


司令官

「何だと!?計画が……崩壊する……!」


■

司会者

「優勝は──美咲さんです!!」


観客

「美咲ちゃーん!!」

「かわいい!!」

「紺ちゃんもすごかった!!」


紺

「お姉さま……おめでとうございまする……」


美咲

「紺ちゃん……ありがとう……!」


「美咲、よかった……!」


静香

「作戦成功」


ろぼみ

「あたい、美咲様のためにがんばったの……!」


「果たしてこれでいいのだろうか……!」


■

司会者

「優勝賞品は──行き先不明の海外旅行団体招待券です!」


「行き先不明ってどういうことだ!?」


静香

「怪しいね……」


紺

「まあ、怪しすぎるわな……」


ろぼみ

「あたい、宇宙人の匂いを感じるの……!」


美咲

「えっ……海外旅行……?」


「……きっと裏があるに違いない……」


■

作家先生は震える手でスマホを握りしめていた。


作家先生

「狐巫女……メイドロボ……私は一体何を見せられたのだ……わけがわからない……」


そして──覚悟を決めた。


作家先生

「……大至急、航空機の手配だ!」


周囲の誰もが振り返る。


作家先生

「……ああ、構わん、大至急だ!」


誰か偉い人に電話している。


「えっ……作家先生もついて来るの……?」


静香

「また何か勘違いしてる……」


ろぼみ

「あたい、飛行機の電波に侵入できるの……?」


紺

「主様、これは……何かが始まるの……」


美咲

「海外旅行……みんなと行けるの……?」


作家先生

「間に合わなければ……地球が危ない……!」


その言葉を最後に、

作家先生は会場の出口へと走り去った。


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