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【タイトル変更】世界が分断されちゃって日本の生存確率低下中、西日本は俺達に任せとけ  作者: かぶんす


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三十一話 LIFE創設 ――対立の序章

― 大阪府知事・大阪市長・堺市長 × 孝治 四者座談会 ―

姫路・堺・泉北のエネルギー基地が“許容量いっぱい”まで補充された翌日。

大阪府庁の特別会議室には、異様な緊張感が漂っていた。場所が許す限りテレビ局や新聞社が入室を許され階段を見守っている。


・大阪府知事

・大阪市長

・堺市長

・そして宮本


四人が円卓を囲む形で座った。


「昨日の補充、本当に助かった。

 西日本のインフラが持ちこたえられたのは、君たちのおかげや」


知事が深く頭を下げると、堺市長も続いた。


「堺の基地は関西の生命線です。

 あのタイミングで満タンにできたのは奇跡ですよ」


孝治は軽く会釈した。


「俺たちは動いただけです。

 でも……これからが本番ですよね」


知事が頷き、資料を机に置いた。


「そうや。

 そこで今日は、“ダンジョン産出物”について話したい。その取扱いについても」


孝治が怪訝な顔をしていると、大阪市長が説明を引き継いでくれた。


「ダンジョンから得られる食料・資源・武器・防具・アイテムを総称してダンジョン産出物と呼称することにしました」


堺市長も続ける。


「生きていくことに必要な産出物ですが、問題は“価格”と“流通”。

 今は誰もが勝手に持ち出して、勝手に売ってる状態。

 このままでは暴利をむさぼる業者が出る」


知事が孝治を見た。


「そこでや。

 ダンジョン産出物を適正価格で買い取り、

 公正に流通させる組織が必要やと思ってる。」


孝治は驚いた。


「そんな話……初耳です」


知事は苦笑した。


「そらそうや。

 昨日までは“机上の空論”やったからな。

 でも、東日本の停電で状況が変わった。

 もう“待ったなし”や」


大阪市長が言う。


「孝治さん、あなたのパーティーの実績は全国トップクラス。

 あなたの意見が必要なんです」


孝治は深く息を吸い、静かに言った。


「……確かに、ダンジョン産出物は危険なほど価値がある。

 適正価格で買い取る仕組みがなければ、

 犯罪も、暴力も、独占も起きるでしょう」


三人の首長が頷く。


「だからこそ、組織が必要なんや」



知事が資料を閉じ、孝治をまっすぐ見つめた。


「宮本くん。

 正式に頼みたい」


空気が一気に張り詰める。


LIFEライフという組織を立ち上げる。

 そのトップに就任してほしい。」


孝治は息を呑んだ。


「トップ……ですか」


知事は頷く。


「俺ら行政だけでは限界がある。

 ダンジョンは未知の領域や。

 現場を知る人間が必要なんや」


大阪市長が補足する。


「LIFEは“実働部隊”を持つ予定です。

 見込みのある冒険者を募集し、

 ダンジョン攻略・資源採取・救助活動を担ってもらう」


堺市長も続ける。


「大阪だけやない。

 兵庫、和歌山、四国、九州……

 西日本全体で同じ組織が必要になる」


知事が重い声で言った。


「食料も肥料も足りなくなる。

 その次は石油や。

 今回、君らは無償で動いてくれた。

 でも今後は――」


「適正価格で交渉したい。

 “持続可能な仕組み”を作らなあかん。」


孝治はしばらく黙り、そして静かに言った。


「……分かりました。

 引き受けます。

 ただし、俺一人では無理です。

 仲間も一緒に動きます」


知事は深く頷いた。


「それでええ。

 頼りにしてるで、宮本くん」


緊張した空気が少し弛緩し知事が中二病発言を繰り出す。


「余談やけどな、加護を得てLIFEに協力してもらえる人を《生命の守護者》英語でLife Bringerライフブリンガーて呼ぶことにするわ」



― 西日本自治体 緊急会議 ―

翌日、大阪府知事を旗振り役に、

西日本の自治体がオンラインと現地参加で一斉に集まった。


・九州各県

・四国四県

・中国地方

・近畿二府四県


会議室は、まるで戦時中の司令部のような緊迫感だった。


知事が開口一番、宣言した。


「九州・四国へ、LNGのピストン輸送を開始する。

 西日本全体でエネルギーを守るんや!」


九州の知事が言う。


「助かります。

 こちらもダンジョン資源の調査を急ぎます」


四国の知事が続く。


「食料不足が深刻化する前に、

 農業用肥料の確保もお願いしたい」


孝治は会議の後方で聞きながら、

(これが……日本の“裏側”か)

と、重い現実を噛みしめていた。



会議が終わった直後――

大阪府庁に黒塗りの車列が到着した。


・総理大臣

・東京都知事

・政府高官数名


彼らは会議室に入るなり、

大阪府知事に詰め寄った。


「大阪は資源を持ちすぎだ」

「関東の人命がかかっている」

「LNGを東京へ回せ」

「石油もだ。優先順位は“首都”だろう」


高圧的な言葉が並ぶ。


孝治は後方で拳を握りしめた。


(……人命を盾にするのか)


大阪府知事は一歩も引かなかった。


「分かりました。

 では――府議会の場で話しましょう」


総理が眉をひそめる。


「……どういう意味だ?」


知事は静かに言った。


「密室で物事を決めるのは、

 透明性を欠く。

 府議会で“公開の場”で議論しましょう。

 政府と東京都の公式見解として。」


総理も都知事も、言葉を失った。


大阪市長が小声で言う。


「……知事、やりますね」


堺市長も呟く。


「これで、国も簡単には動けない」


孝治は知事を見つめ、

(この人……本気で西日本を守るつもりだ)

と、胸が熱くなった。 


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