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ー0003ー

 次の日の早朝、まだ太陽が顔を出したばかりの時間。

入学提出願書を出す為に早起きしたシャルル・シェイドは近道に森を突っ走って突っ切ると海に出る。

砂浜を訓練も兼ねて裸足で走っていた。


 向かう道中、シャルルは浜辺に全裸で倒れている男性を見つける。

持ち物は無く、有るのは左右にあるブレスレットのみ。

駆け寄り何となしに触れようとしてシャルルは、いつの間にか砂浜に倒れていた。


「うわぁおばッ!?なんだよ!!」


 一瞬の内に裸の男に薙ぎ倒されて腕を掴まれ踏まれてマウントポジションを取られてしまう。

首を押さえられて動けず混乱というより訳が分からない事態にあたまだけが置いてけぼりの中、シャルルは敵意がないと示す為におちゃらけるしか無かった。


くちにっ、くちに砂が入る!!

ってか入ってる、ペッぺーー!

悪かった悪かったよ、助けたかっただけなんだ!」


 シャルルの言葉に拘束する力が弱まったのを感じて首を動かし見上げると、そこにはクチから海水えきたいを吐き出し咳き込む男の姿があった。

素早く横移動して倒れる男から躱すと何かを呟いて男は意識を再度失う。


 そんな男性を見つめ彼に、そして自身の性格に呆れながら溜息を吐くと自分の頰に付いた砂粒を払ってから抱き上げる。

シャルルには波音や風で彼が何と言ったのかは聞き取れ無かったが急いで彼を抱えて踵を返して家に運んだ。

潮風が鼻孔を揺すり海の匂い感じながら朝日を背を照らされ歩いていた。


 ソファに寝かせた謎の男性。

勝手に衣服を着せるのも変かと、わりかし新品の毛布を掛ける。

此処に引っ越しした際に買ったはいいが、ほぼ使っていない毛布だった。

流石に常時的にシャルルが普段使いしている掛け布団を彼に使うのは心理的に憚られた。

これから、どうしたものかと少し離れた位置にある書き物机の椅子に腰を降ろして考え込む。


 黒髪に黒色の瞳、見ようには少し茶色の髪と瞳の謎の男とこの辺りでは見ない人種。

裸で漂流してきたと考えられるワケ有りなのが確定している男。


(別の大陸から流されてきた?

何かの事件に巻き込まれるだろうか。

あのまま放置すれば……でも助けないで後悔するより………ましか。)


 シャルルが覚悟するか決めかねていると男が起き上がる。

身構えるシャルルだったが砂浜で感じた鋭い迫力はまったく無い様子で起き上がった。

上半身を上げた拍子に落ちた毛布さえ拾わず周囲を見渡す男の顔には疑問符インタロゲーションマークを浮かべているのが在り在りと分かる程に感情が表れ、豊かさを現していた。

弛緩した雰囲気を醸し出す様子の丸で違う男を不思議に思っていると頭を押さえながら問い掛けてくる。


「……寒い………。」


「へ?」


 それからシャルルが質問をするも彼が何も覚えておらず知らない事が分かる。

見るもの触るもの全部が分からない彼に困り果ててしまうのはシャルルの方だった。


 記憶を喪っていた謎の男にシャルルは風を引いてもマズイと服を着てもらおうと動き出す。


「ほら‥‥‥って身体凄いな」


「ん?」


「凄い鍛えてるし、もしかしたら記憶失う前は騎士だったんじゃないか?」


「騎…士……?」


「騎士も知らないのか?

騎士ってのはな……って話したって意味ないだろ。

これ着な」


「う…ん。」


「俺のお古、つうか替えの服な。

でも新品に近いから、それにこの世界の服………っ。」


「この世界?」


「なっなんでもない。

早く着ろよな。じゃあ俺はちょっと外見てくるからな」


 危うく口走ってしまう所だったと焦ったシャルルは外に出るとドアに背を倒して、すっかり青空になった周囲を見て笑う。


(何やってんだ。

今日は出願書を出しに行くんだろ。

………ほんと何やってんだろ)


「行くか!

………でもアイツを家に1人には出来ないよな」


 ボヤくように零した言葉にドアが揺れる。


「出れない」


「おっ!?

ご、ごめん」


 退くと出てくるため数歩下がって何もやましい事も無いのに誤魔化すように手をアワアワさせる。

整えるように息を吐くと彼の着ている服が目に入る。


「似合ってじゃん

てっおい、上着から下のそでが出てきてんじゃね〜かよ!

ふくもスボンにインしてるしよ。

ほら、ちゃんとしまえ」


「温かいのに……。」


「なら上着で隠せ、隠せ!」


「分かった。

……………ありが……とう……?」


「なんで疑問形なんだよ。

って礼、ゆう程のことか?」


「助けてくれたから。

此処まで……?

運んでくれた事…………服くれた事も…………では。」


「はぁ!?

ってオォーーーイ!

おいおい何処行くんだよ」


 走っていた訳でも無かったためか軽く追い付くと今度は肩に手を添えるように触れると振り返させる。


「たくっオイ!

待てってば、こんな所で放り出したりするかよ。

お前、…そうか……名前分かるか?」


「名前?

…分からない」


「だ……よな。

あー自己紹介もまだ、だったのか。

俺はシャルル・シェイド。

シャルルだからな!

シャルじゃあ〜ないからな!!

いいか?

いいな!」


「?

分かった。」


「来いよ」


「ん?」


「戻るんだよ。

戻るぞ!」


「分かった?」


「ははは、ほら来い」


 シャルルは書き物机の椅子に座り、男はソファに座る。


「お前が普通に生活出来るまでは俺と此処で住むぞ、良いな?

つうか〜もう決定事項な!」


「ん?分かった、ありがとう。」


「でも名前無いと不便だな」


「名前………。」


「そう、名前だ。

お前って言ってるのはよく無いし。

何も持って無いから身分を証明する……あ!

ちょっと待ってろ」


 そう言うとシャルルは2階に走る。

言われて両手に有る白色のブレスレットを見て腕を動かしたり振ったりしていると降りてきたシャルルに投げ渡されたのはカードだった。


「とっておきだぞ!

いいだろ?」


「ん??」


 意気揚々と、したり顔のシャルルとシャルルの意図が分からず首を傾げる記憶喪失の男性に不発に終わったシャルルの驚かせ作戦は何とも言えない空気を訪れさせた。


===邂逅===


センシティブの場合、全裸漂流からTシャツか半パンもしくはその両方装備に変更させます。

お好きな方で脳内変換よろしくです。

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