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ー0014ー

 実技試験は1ヶ月後に延期された。

学園側はセッペン・ラン・ニード殺害の犯人を捜索を開始する。

そしてシャルル・ナイト・イエロの治療と事情聴取や聞き取りも行われた。

1日半、ほぼ2日で復帰したナイトが顛末を話し学園はイエロが狙われている可能性とセッペンが彼らを救った事を知り、セッペン殺害の容疑は晴れる。

完全では無いがシャルルとイエロも1週間程で起き上がれるようになった。


 しかしナイトには懸念が有った、それは学園側に襲撃の協力者がいるのでは無いかという懸念だった。

そのため深くは話さずナイトは黙る事にした。

街全体の警戒は強められ捜査機関等も捜索に導入・加わったが、されど襲撃犯を見つける事は出来なかった。

その間にはオソラが、お見舞いに来たりと騒がしく日々は過ぎていった。


 イエロのこれ以上の試験は状況判断から危険視され試験続行さえ危ぶまれたが会議の末、続ける事が決まる。

イエロには入学金を返却するうまで辞退。

来年度春期試験にて再度、1からでは有るが試験を受け付けて打診する処置が伝えられるが彼は今期のみを受けるの一点張りで聞き入れず運営陣も頭を悩ませる事態に。


 その間、予定を前倒しする形で捜索と並行して面接が行われた。

全員ではなく全体の1割が終わった所で方針が変更される。

通常・推薦の関係なく、合同で実技試験を開始、イエロ本人が折れないために彼を囮に犯人を拘束ないし殺害にシフトするという、前代未聞の入学試験が始まろうとしていた。


 ボクの名前はダンデ・ノイジィー。

ノイジィー村のダンデだからと今回、始めて家名みょうじを名乗る事が出来る事を知った。

元々、村の幼馴染の仲間達とハンターパーティーを組んでいたけど、その内の2人が付き合い出して結婚するからとハンターを引退。

そのためにボクは騎士になることにした。

思い起こせば子供の頃に誰もが一度は憧れるのが騎士だ。

だから親の居ないボクを育ててくれた村の皆に恩返しするためにもボクは騎士になるんだ!!


 ハンターだった頃の収入だけでは足りず武器を売って、少し借金もしてボクは入学金を準備する。

試験当日まで待つこと数週間、その間に一人でも出来るハンター業をしては借金返済と生活のためにマモノを狩り、やっとボクは会場の地に立っていた。


 うぅ〜緊張してきたな。

こんなの人生で始めてだ。こんな大きな場所で大勢の人がいて、あぁ〜改めて実感してくるとお腹が痛くなってきた。


「わぁー!」


「わぁッ?!」


「びっくりした?」


 そこに居たのはボクの幼馴染で有り、残ったハンターパーティーのメンバーでもあったカーレンだった。


「一人でコソコソしてるから後付けたら騎士試験の受付済ませてたから私も騎士になる事にしたんだ。

びっくりした?」


「えっ?へ?えぇ??

今まで秘密にしてたの?

今日まで?」


「へ〜〜それはダンデもだよね?」


「ご、ごめん。」


「いいよ。許してあげる」


「あ、ありがとう」


「それでさ、私さ」


「う、うん。」


「カレン・ノイジィーって。

名前だけだと同名の人もいるかもだからさ!

これからは出身地の村のノイジィーって付けるんだって〜」


「う?うん。」


 それはボクも同じだけどな?

そんな事、いまさら言われてもな。


「………。

ふーん。もう知らない。

じゃあね!1人で頑張ってね!

べーーだ!!

アッカン(σ`д゜)ベ~」


「え?きいなりどしたの??

待ってよ〜」


 可愛く去っていくカーレンを追い掛けて強面の人に、ぶつかって死ぬ気で怖くて泣きそうになった。


「今度からは気ぃ付けな。

俺は先輩だからな、何か困ったことが有れば俺に頼りな!!」


「あっありがとうございます!!」


 後退りながら必死で笑顔を張り付けて逃げた。

マモノなんかよりも何倍も怖かった。

それから身体検査が終わると筆記試験になった。

筆記試験の部屋はカーレンとは別みたいだ。


「オレっちはイエロ様だぜ!」


え?


「未来の大・大・大・騎士のイエロ様だ!

なんてったって!

この、くぎゃぁ!?

離せ離せっつってんだろ!!!」


 真横で起こった出来事にボクは反射して横を向いて見上げていた。


「こら暴れるな!」


「なんだよ!?

まだ全部言ってねぇ〜てのに!

おら、痛てぇ!」


「失格にするぞ!

落ち着け!!」


「これまでだ。

君、付いて来なさい。ここで試験を大人しく受けなさい。

でなければ即刻、失格と見なす」


「ちぇ、へ〜い」


「私語も気を付けるように」


 騒動は収まった。

けど、どうしよう。

全部どっかに消えちゃった。

うぅ!!しかもこんなタイミングでお腹が!?

ボクはスッと手を挙げた。

顔はきっと青いだろう。ボクはお腹をくだし、前屈みに腹部を押さえてヒョロヒョロと右手を挙げて試験官の人にトイレに連れて行ってもらった。


「カンニング等の違反行為はしないように」


「あ"い"…………。」


(うおぉぉぉぉぉぉ!!)


 大変だ。

時間が刻一刻と減っていく。

なのにお腹が治らない。


(ぬおぉぉぉぉぉぉぉ!)


 あれから何度か試験官の人が違反行為をしていないか確認するためにトイレに入ってきてボクの前のドアに立つが匂いや音で嘘なのか本当かが分かるので心配だけしてトイレを出て又、待機してくれていた。

これはマズいかも知れない。

ボク、落ちるぞ!?


(ぐおおおおおおお!!!)


{よぉダンデ、腹下してんのか?}


{火の精霊さん?久し振り。

そうなんだ。緊張とか、色々あって。

安定の腹下し中です}


{なら私が協力しましょうか?}


{光の精霊さん!}


{でもこうやって会話は出来てもダンデは未熟も未熟だから私の力でも、お腹を下したのを緩和させる位しか効果はないわよ}


{それだけでもありがたいよ!

ありがとう光の精霊さん}


{ふふふ。どういたしまして!}


{おいらが体の水分とか栄養を回復させてやるぞ!}


{水の精霊はん、ありがとうございます!}


 体調が回復してくると頭もスッキリして、ゆっくりではあるがボクは筆記試験を何とか乗り切った。

…………気がする。


 それから2週間、実技試験は始まらない。

準備期間なのか分からないがボクは良かったとストレス無く、リラックスして日々を過ごしていた。

少し不満?変なのかカーレンがアレからボクに冷たいというか怒っている事だろうか。

どうしたんだろ?

そうこうしていると実技試験開始の通知が届く。

実技試験は会場では無く自然豊かな森林の山で行われるらしい。

アルテミスズ校は、この実技試験で死傷者も続出する程に厳しく危険らしい。


 再度、実技試験に進むかの有無を問う案内も封入されていた。

ボクはこれでも元傭兵ハンターだ。

生死は付き物の仕事をしてたんだ!

今更、怖気づきはしない!!

ってキッパリ言えない性分なので一晩考えてボクは “はい” にマルをした。


===ダンデ・ノイジィー===


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