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ー0013ー

ちょっと長いです。

 ペーパーテストで開始直後に事件が起きた。


「オレっちはイエロ様だぜ!

未来の大・大・大・騎士のイエロ様だ!

なんてったって!

この、くぎゃぁ!

離せ離せっつってんだろ!!!」


 一般枠のペーパーテストで自身をアピールしたいイエロが名乗りを上げるため机に足を乗せ声高々にポーズを取り叫び試験官に取り押さえらる一幕が起こる。

イエロは席は1番後ろに変えられ監視員が睨みを効かせる中でペーパーテストは開始された。

 その結果、シャルルは暗記していたはずの問題を答えを解く前にド忘れしてしまう。


(やばい。

あんなバカ見てたら全部忘れちまった。

くそ、マジヤバい!!

なんも分からない〜

あつ本当にヤバい、ヤバいぞ!!)


 焦りに焦り答案用紙や机に大粒の汗がボトボトと落ちる。

されど時間は待ってくれない。

不意に冷静さが訪れシャルルは覚悟を決める。

カンニングするという事を。

カンニングするぞと。

ツラーっと横に目をやり隣のテストを覗き見る。

しかし隣の人物にも、監視員しけんかんにもバレてはならない。

反対隣にもヅヅヅーっと目をやり覗く。

前はギリイケるか?

後ろはムリだ!

いや疲れた〜とイスに体を伸ばすマネしてイケないか?

いけないや、斜め前は?

ムリだ。

体をクネらせ筆記道具を取る振りをしたり消しゴムを落として取ってみたり。

消しゴムを取った後に試験官に次からは我々を呼ぶようにと注意されてしまう。


 叱られた事で本当の冷静さを取り戻し筆記会場が静かな事、耳に聞こえてくるのはペンを走られる音や紙が机の上を擦れる音、試験官が歩いてする靴の音、そして自身と同じ手を取ったのか再三にキツく叱られて素で大声なイエロの言い訳をする声だった。


 ここでシャルルは気付く多分、カンニングしてるのバレてるという事に。

最初から答案用紙を見直しなおす。

何とか記憶を遡り数問は思い出さて、ようやく地獄のペーパーテストが終わる。

結果は惨敗だろうと酷いのだろうと思いながらも今日は一度解散となり明日実技を行うと言われシャルルはナイトを待つ傍ら会場の出口付近で壁を背に預けていた。


「こんな事しか出来なくて悪い……。」


「いや便宜を図ってくれた。

十分じゅうぶんだ。

この恩は必ず返す」


「へっお前に礼を言われるようになるとわな。

…………だがクラウド、もう無茶するなよ」


「戦場で、また共に戦えるように無茶するさ」


「バカ言うな、俺も歳だ。

でもガンバれよ。」


 クラウドと別れて少しして試験会場の入り口に戻って来た頃、戦闘音に気付くと考えるよりも足が動いていた。


 ソドウの4人は考えた、イエロは十中八九で試験に落ちるだろうと。

そこでイエロの性格からしても試験中や試験後よりも今、狙うべきと作戦を変える。

そうと決まれば彼等の行動は早かった。


「はぁ落ちたか」


 落ち込むシャルルに、チョコンっとナイトが声を掛ける。


「どしたの?」


「筆記、ミスつうか失敗してな」


「実力・特技を見せたら良いって面談?か実技試験でしょ?」


「挽回できるレベルかぁ?」


「知らない」


 そこに預けていた剣を返して返却されたイエロが出てくる。


「おっ!

お前はオレっちとおんなじ、おバカ!」


「誰が、おバカだぁ!」


「ん、誰?」


「オレっちか?

あれ、お前試験に居たっけか?」


「そうだよナイト、お前何処に居たんだ探したんだぞ?」


「2階に居たよ」


「マジカヨ!

なんだそら?」


「お前推薦枠だったのか?」


「無にぃ!?

そりゃズリぃよなぁ!

納得出来ないないかぁ?

なぁ、一緒に殴りに行こうぜ!」


「なんでだよ!」


「バカなの?」


「なんだと、ふべぇえ!?

え?へ?

なんでオレっちってば殴られたの?」


「バカを止まるため」


「オレっち、今殴られたよね?

え、バカにされた?」


「ナイトに止められるって、いよいよだぞ」


「もう帰ろう?」


「どうするイエロ、夕飯一緒にどうだ?」


「えっ、いいのか?」


「俺の行きつけの店でいいか?」


「おう、おご────」


「危ない」


 ナイトがイエロへと目掛けて飛んできた短刀ナイフから守る。

ドカッと地面に倒れる。


「うべっ!?」


「なんだ!?」


「どこから投げられたか分からない。

走る!」


 ナイフを毒の有無を気にして、いや後で回収出来ない可能性から無いかもと考えたが正確性が無いため衣服の部分で殴り気道を変えた。

追撃の投擲も蹴って外させる。

石畳に短刀が、ダンダンダンっと刺さってゆく。


 痺れを切らした犯人が1人出てくる。

フードで顔が分からない。

逃げた先に、もう1人現れて路地裏に追い込まれてしまう。

挟み込まれジリジリと距離が縮こまってゆくのも時間の問題だった。


「狙われてる………多分黄色。」


「へっ、ん?オレ?

オレっち!?」


「イエロ、お前なにした?」


 シャルルは試験の際は預けていた剣をズバぁっと抜くと飛び掛かる。

しかし容易く躱されてしまい反撃を刃を交える事で躱すが腹部に一撃入れられ倒れる。


 反対側ではナイトがイエロを庇いながらナイフを避けて打撃で追撃しては近付けさせないでいた。


「そこで何をしている!!」


 そこに現れたのは今日の試験の司会もしていた教官だった。


「ち、違うんです!!

いきなり襲われて!」


 床から剣を避けて顔を上げるシャルルは状況を説明しようとして教官は敵を即座に見分けるとバッと割り込みナイフを素手こぶしで破壊する。

コゴと退治し瞬時に壁に吹き飛ばすし激突させていた。


「どわっ!?」


「何ぃ、お前は!?」


「怖いと思ってたぜ!

さすが先生だ!」


「あ、ありがとうございます。」


 シャルルとイエロに弛緩した空気が流れる。

しかしナイトだけは、もう1人の敵。

教官が倒したはずの的に油断を許しはしなかった。


「逃げなさい、学園に逃げ込み救援を呼ぶんだ!

近くに奴もいる。」


(チッ、顔を見られたか。

コゴの阿呆め!)


 やられたフリをしていたコゴはパッと目を開けると同時に懐から毒雨玉を取り出し急接近して教官に、ぶつける。

大道芸のようにクルクルと跳んで離れる。

直撃した教官を起点に毒の水が路地の壁や地面に雨のように溢れる。


「教官長だか何だが知らないが出しゃばりやがって!

ウザいんだよ!!」


「ぐっむ、、ぐあぁぁぁ!?

あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


「戦場のヤマアラシも歳には勝てないってか?」


「バカめ、喋り過ぎだ」


 悶え苦しみ暴れだす。

その異常な痙攣を繰り返して教官は即死した。

イエロは教官に庇われるように下になっていたため殆ど毒雨の被害を受けていなかったがシャルルとナイトは違った。

起点である教官程では無くても毒雨の効果は顔等を庇っていても目眩、吐き気、体の痺れ、バランス感覚などが狂い直ぐに立っていられなくなる。


 ガスマスクをしたコゴが悪態をつきながら教官の死体を蹴る。

それに怒っているのはアウンだった。


「お前、使うなら先に合図を送れ!

いつも言ってんだろが!」


「わ、悪い悪い!」


 通路に倒れてタイルに指を動かし爪痕を作るのがやっとで体を起こせない、うまく動かせないままで何とか起き上がろうとする。

しかし気を失う寸前のシャルルを上から見下すコゴは “立ってみろよ” と挑発し今度はシャルルを小突くように蹴ると “出来ないのか助けに出てマヌケを晒すとはな” と笑った顔を見せようとしてマスクを外しそうになってすんでで止める。


「コゴ、お遊びは辞めだ。

仕上げに掛かる。

仕事だと言う事を忘れるな。」


「へっ、了か───」


 コゴは首を折られて石畳にズドンと倒れる。


「はぁ?」


 振り返ったアウンの目にはヨロヨロと立ち上がっているナイトが映っていた。



(確かに毒は利いているはず!?

何故立ち上がれる。

何故、コゴは死んでいるんだ!?)


 死を予感しても作戦が失敗に傾いた時点でアウンは逃げる事を選択する。

しかし彼らが使っていたナイフ拾っていたナイトが投げる。

その時、状況を把握していないイエロが教官の大きな体で守られていたため毒の被害が弱い事も有り、さっきまで体を丸めて怖がっていた所から状況を把握しようとしたのか立ち上がる。


(チャンス!死ねぇーーー!!)


 ナイトは咄嗟にナイフを前腕で弾く。

ナイフが路地の壁に突き刺さる。

そのままイエロを守る体勢を取るも背後に一瞬目をやってイエロの姿勢を片手で軽く押して崩すと背に手を添えて飛び蹴りを背後に回ったアウンに命中させる。

顎に辺り意識を失いかけた時、屋根ずじょうから4人の紅一点、ノウスが降りてきてアウンを抱えて屋根に消える。


 もう1人待機していたギューがもう一度、毒雨玉を投げ入れ、コゴの死体を回収すると、その場から完全に居なくなった。

これには堪らずイエロも立っていられなくなる。

発動起点からナイトの機転で外されたがイエロの記憶は此処で途切れる事になった。

ナイトは腕で鼻やクチを隠していたため酷い体調不良が続く中、敵の後を追った。


 目眩と吐き気で視界をうまく捉えられず体の痺れや痛みで体の力、筋力が弛緩し立っているのもやっと。

握力も痛みを伴う。

バランス感覚は正確性を失っている。

ナイトはイエロの腰にある剣を抜くと壁に投げ刺す。

跳躍すると剣を足場に屋根に上がる。

通常時のパフォーマンスが出来ないため飛距離を剣で稼いだのだった。

屋根へ駆ける前に剣を回収すると暗殺者達へと急いだ。


「なにぃ!?

追って来やがった」


 それから、屋根から屋根を走る。

平面の屋根から瓦の屋根、斜めの屋根等と確実にナイトの体力と集中力を削ってゆく。

ゴウン達は慣れた道だがナイトには始めて事ばかりなのも影響している。

ベランダや地上の庭から2階・3階等、場所らくさを変える事でナイトが追いついても自然の邪魔や人工物を利用して攻撃を加える。

狭い空間では武器を振れない事や小さい場所を駆けていれば打つからないように慎重になっている所に彼らは嫌がられよように追撃を連携で与えていく。


 しかしナイトも、やられてばかりでは無かった。

蹴りやナイフの攻撃を躱し時たま食らうも徐々に彼らの行動を学習・予想しては何時の間にかパルクールをその手にしていた。

そして遂に彼らへと完全に追いつくまでになっていた。

空かさずズボンのベルトを外すとムチのようにしてノウスの剣を落とすと駆けてアウンの足にスライディングキックをする。

動揺が続く敵に飛び上がって太陽に体を合わせて光に目を伏せた瞬間にドロップキックの体勢に入った。


 ドロップキックを、お見舞いしようとしてナイトはギューに叩き落とされてしまう。

ナイトとギューの体格に明確な大きな差が有った事、そしてナイトの体調が万全では無かった事が関係した。

常に苦しい顔を更に歪めて応戦していたナイトだったが三対一では長く戦えないと決戦を急いだ事や身体に力が入らない中での苦肉の作は動揺が弱点になり得ない暗殺者には長く効かなった。

瓦を破壊しながら屋根に倒れるナイトにギューが追撃に両手を合わせて睨む。

腹を蹴られギューが体勢を整えようしている隙に距離を取るナイトだったがアウン等が武器を構えて同時攻撃を全て躱しきれず屋根を転がった。

斜めの屋根を転がり地上に落ちたナイトを見下ろしているコゴの死体を担ぐギューにアウンは告げる。


まち内で暴れ過ぎた。

トドメはいい、ずらかるぞ!」


 落下のダメージとで力尽きてナイトは意識を失った。

路地に残ったのは行動不能になった2人と教官1人の遺体。

そこから少し離れた所に突如落ちてきた傷だらけの1人少年、アルテミスズの街が騒がしくなる


 だが本当の波乱が嵐となって実技試験で巻き起ころうとしているのを誰も知らない。


===イエロ暗殺事件勃発===


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