第72話美を追い求めし者
「フフフ……スバラシイ……」
まさに月並みな台詞しか出て来ない。
ワタシが開発した死霊術、骸操演で操るかわいいゾンビ達……その中でも最強の1体である、別禍兜亡者をいとも簡単に倒してしまった。
それどころかワタシですら一目置く魔技によって作られた、隠匿特化の使い魔すら見破られた。
まさか石を投げて叩き落とされるとは思わなかった。
しかし青い髪の彼女の実力は別禍兜亡者によって大体把握できた。
所詮剣士、確かに強く、速いがその攻撃は全てただの鋼鉄の剣による物理攻撃。
その力、速度……確かに人間離れしている、フフフ、彼女の為のゾンビを製作しなくてはならない。
他の邪魔な者達と分断し、彼女を確実に捕獲できるゾンビ。
最高の素材だ、なるべく傷付けたくは無い。
同時に白髪の王女も捕らえるか……後援者と新神は竜血を欲しがっている。
竜血――竜の血、等と言ってはいるが、その実態は血液を魔晶石の如く変化させることができる突然変異だ。
まぁ後援者に使わせた後に新神に渡すか。
魔法はその全てが魔力を使用する、ワタシや魔技のような技術としての魔法と時折人類にも発生する能力としての魔法……新神は後者だが彼の魔法は特に燃費が悪い。
ワタシのように品質に差のある魔晶石の魔力を効率的に使える者は限られる。
六魔人では魔技とワタシだけだろう。
そのような中でも魔晶石と違い、竜血は飲んだ者の身体を癒す力を持ち、当然1人から抽出するので魔力も高品質らしい。
ワタシも少し興味を惹かれたが、鍛え上げられているわけでも無ければ血以外は全てただの人間、そこまで優先準備は高くない。
さて……現在彼女等を追跡しているのは1人、ワタシの後援者だけだ。
ワタシのスバラシイ芸術を理解してくれている顧客。
彼も白髪の竜血を狙っている……こちらは王位継承させない為、王都へ行かせないという意味での狙うだ。
王都での後継者争いは醜い、ワタシには関係ない話だ。
だが、懇意にしている顧客だ、新神に渡す為に捕らえれば一石二鳥とでも言うべきか。
使い魔による偵察が出来ないので、次に戦う時は直接での戦闘となるだろう。
そうと決まれば戦うに相応しい舞台を用意しなくては……




