吾輩は野菜より肉なのである!
八百屋の鼻息が荒いと聞く。
お買い得な野菜をボッタクリ価格で荒稼ぎしているとのこと。
※天候不順による不作の為、仕入れ価格が高騰しているせい
商店街管理組合初代会長(自称)の我輩がそれを黙って見過ごせるはずがない。
理由を問い質す為、八百屋脇にある電柱の陰を早速訪問してみた。
「らっしゃー! らっしゃー! 今日はトマトがお買い得だよ! 他店より2割もお得な一個70円だよーっ!」
なんと!
トマトが一個70円だと?
ニャン太郎の命と同じ値段ではないか!
あんなもの透明の家に行けばゴロゴロ生っているいるだろうが!
いつも実がなったまま茎がガッリガリにやせ細るまで放置しているし。
そのせいか歪でちっちゃいのばーっかり……
どうせあの後腐るまで放っておくのと違う?
なぜそれを市場に出さないのだ?
そうすれば価格はもっとおさえられるだろう?
※彼が見たのはおいしいトマトを作るストレス(断食)農法
こんなものが一個70円て……
ジンバブエドルもビックリな貨幣価値の下落だな!
そうだ!
いいことを思いついた!
その商品自体、値段に見合う価値がないのならばプレミアをつければいい。
人気者である我輩がサインをしてやれば誰もがその価格に納得するのでは?
ニャゴロー印の野菜とあれば、通常の10倍出しても惜しくないだろう。
これだ!
なんというナイスアイデア!
一般客がボッタクリと騒ぎだす前に早速作業へ取り掛かるとするか!
こいつは忙しくなるぞ!
この後、八百屋の主人が裏へ行ったことを確認すると素早く野菜の陳列場所へ。
丁寧に並べられたトマトを一つ残らず爪で引っ掻くニャゴロー。
序に胡瓜や大根といった他の野菜も餌食になった。
あたかもクマが自分の縄張りを示す為、木に残す爪跡のような傷を……
この後八百屋は暫くの間、臨時休業をした。




