吾輩はフリーダムである。
漸くエリザベスカラーが外れた。
それは他の三匹も同じ。
病院マダムには感謝してもしきれない程である。
体毛自体はまだ完全に生え揃っていないが、そこは服を着せられている。
おかげで寒い昨今でもへっちゃら。
強いて言えば、誰が誰だか分かりにくいぐらいか?
顔面を見る限り、一応模様は分かるのだが、なにせ服を着ているから……
それにしてもここの暮らしは贅沢であったな。
あの奥部屋さえ連れていかれなければブルジョワと言っても過言ではない。
ニャン吉達を見てみればそれがハッキリと理解できる。
コロッコロの子豚ちゃんみたいな体形が全てを物語っているであろう。
しかし我輩はそこまで太ってはいない。
拷問部屋へ連れ込まれるたび、逆に体重が減ってしまったから。
そりゃあんなにも強烈な事をされて太れるハズなかろうて。
それらのシゴキを経て、遂に我輩にも一筋の光が。
傷口がガッチリくっついたということでマダムから外出許可が下りたのだ。
※ニャゴロー勝手な判断
裏手にある小窓をいつも解放しているから好きな時に立ち寄れとの事だろう。
なるべく遠慮願いたいが、そこはニヤの為にも時々寄ってやるとするか。
とにかくこの臭いになれないから……
※消毒用アルコール
とりあえずだ!
やっと自由になったこの身!
リハビリがてら、サボりがちだった仕事を早速再開しようではないか!
こうしてニャゴローは一足先に退院。
他の猫達は居心地がいいとの事でもう一日だけ厄介になるそうだ。
本音はニヤがいるからなのだろうが。
ニャゴローは病院を出た足で真っすぐ三河家へ向かうと、速攻長女の部屋へ。
様々なメイク道具を駆使してニャン吉柄に顔を彩ると再び外出。
鬱憤を晴らすかのよう、バイク屋から順に商店街の各店舗で大暴れしたそうな。
そして次の日、商店街店舗軒先や電柱に〝三毛猫ウォンテッド〟の張り紙が。
所々に〝殺す〟や〝引き裂いてやる〟などの物騒な言葉が書かれていた。
丁度その頃、何も知らないニャン吉が病院を後にしたのだが……
半日過ぎた今を以ってしても、それ以降の彼を見かけたものはいないという。




