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仕事猫ニャゴロー  作者: どてかぼちゃ
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159/218

吾輩は新大陸に立つのである。③


 「さてニャゴロー、あっそぶわよ!」


 遂に仕事を終えた小織殿。

 溜まった不満を放出するかのように無謀な買い物へ!

 但し、我輩を連れて。

 

 一人で行けぬかバカモノが!

 我輩とてこの街でまだまだやりたいことがあるのだぞ!


 しかし我輩の声が届くわけもなく強制参加を余儀なくされた。

 当然ぬいぐるみのフリをしてだ。

 建物の中は暑いから本当は行きたくないのに……

 

 

 最初に入った店は銀色に輝くキラキラとしたものを専門に販売。

 指輪からカンカンまであるな。


 人気があるのか、結構な客入り。

 多くも少なくもない店員は全て接客に当たっている。

 チャ~ンス!


 小織殿がキラキラ光る十字架ペンダントの説明を受けている間に抜け出す。

 そしてショーケースの内側へ。

 シメシメ、誰も気付いてないな。


 早速ケース内の食器に爪を立ててガリリリっと。

 思いのほか深い傷痕が残せた。

 超気持ちイイ!


 そして次は指輪をパクっと!

 やはり硬くて歯が立たないな。

 それにこの大きな透明の石が猛烈邪魔だ!

 

 異物に超絶不快感を覚えた我輩。

 吐き出そうとしたその瞬間!


 「オォマイッ!」


 見つかった!

 同時に大声を出されてしまった!

 しかも驚いた我輩は!


 {ゴクン……}


 飲んじゃった。

 どうしよう?

 こんなの消化できないぞ!

 必ずどこかでポンポンが痛くなるに違いない!


 助けを求める為に小織殿の方へ顔を向けるも世の中そんなに甘くない。

 逆に目から光線を出して我輩を焼き殺すような彼女の熱視線。

 それはまるでこっちに来たら皮を剥ぐと言われている様にも思えた。


 となれば残された選択は一つのみ。

 アルカトラズ大脱出である!


 身軽な我輩は目にも止まらぬ速さで店から飛び出し近くの違う店へ退避!

 しかし計算外な事が!

 この店は客も少なく我輩が目立ちまくりではないか!

 非常にマズいぞこれは!

 

 追手から逃れる為、近くにある大きな風呂敷をしっちゃかめっちゃかに!

 序に馬の鞍らしきものへ引っかき傷の雨あられ!

 最後は絨毯中心にある金色のどでかい”H”のマークへ下痢便を放出!

 猛烈な臭いに店内大パニック!

 これぞ混乱脱出大作戦!


 「オゥシイィッ!」


 「ファッキンキャアァァッ!」


 大成功!

 小織殿とよく似たような服を着た金髪はどうする事も出来ずにいる。

 ってか、ただ茫然と立ち尽くすだけ?

 

 まあ、おかげで我輩は姿を眩ますのに成功したのだが。

 これならば小織殿へ迷惑が掛かる事もないであろうな。



 この日の夜、高層ホテルの窓から猫が飛び降りる動画がネットにアップされる。

 自殺が多い為、部屋の窓は殆ど空かないはずなのにと様々な憶測を呼んだ。

 

 

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