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仕事猫ニャゴロー  作者: どてかぼちゃ
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吾輩は新大陸に立つのである。②


 完全な観光地として確立しているらしきこの街。

 ありえない数の人間が人種を問わずに往来を行き交いしている。

 

 一見煌びやかな表の顔とは反対に、至る場所で物乞いをする者を見かける事も。

 この国の闇を垣間見た感じである。


 そんな我輩は今、ホットドックを摘まんでいる。

 勿論、捨ててあるものを拾い食いした訳ではない。

 品の良さそうな白髪の老人夫婦が買い与えてくれた。


 やたら”キティキティ”とか言っていたが、我輩はキティちゃんではないぞ?

 その間間に言われた”キュート”には喜びの猫パンチで答えておいた。

 それにしても、我輩の祖国語を話す者はいないのか!

 まったく……


 ― そして夜 ―


 この街の本領発揮である。

 ネオンで彩られた建物たちが証明のダンスを踊り出す。

 時間を忘れさせられる喧噪さと陽気な人々やドレスアップした紳士淑女。

 毎日が街を舞台としてのパーティ三昧。

 サイコー!


 時々乾燥した夜空に乾いた火薬の鳴る音が聞こえるが、そこは気にしない。

 仮に一つの命が消えたところで我輩の知るところではない。

 ってか、怖いし!


 それにしても陽が落ちた途端に肉を焼く匂いが鼻を刺激するな。

 至る場所でステーキが作られているのか?

 ウシ達にとってこの国は、とても住み辛いだろうな。

 

 しかし我輩とてピカピカマシンで遊ぶわけではなく、することもあまりない。

 となれば食べる事しか興味が湧かないのである。


 いくら肉好きの我輩といえど、こう毎回毎回メリケン料理をだされてもなぁ……

 偶には違うモノでも食べたいところ。


 お!

 この店は何を提供しているのだ?

 どう見てもあれは肉と違うだろう?

 ぺらっぺらなお好み焼きか?

 それとも三角のお菓子か?


 「カムゥォキャーッ!」


 「イッソーベーリキューッ!」


 近くのテーブルから声が。

 彼等の仕草を見るに、どうやら我輩を手招いている模様。


 それにしても恐るべし着ぐるみ効果。

 全ての人間を虜にしているような気がしてならない。

 いい経験となったな。


 スタスタっと陽気な金髪の丸太一家のテーブルへ上る我輩。

 一番キレイで細い丸太の嫁らしき人物の前へ。


 この時ふと思ったが、娘と息子は彼女の遺伝子を引き継いでいないらしい。

 体形が親父と同じ丸太だから。

 しかも壮絶不細工。

 

 こうして美しくて儚い遺伝子は消え去ってゆくのだな。

 そして汚いブサイクが世を制覇するのであろう。

 犬でも雑種が一番強いとされている。

 それは人間でも同じだと言えよう。

 ブスとブサイクのハーフが世にはびこるのも時間の問題だな。


 そんな事に思い耽っていると、丸太親父が我輩の前へ鳥の足を。

 それはオレンジ色のソースを塗りたくられ、一見美味そうにも。


 親父はニヤつきながら我輩に食べるジェスチャーをする。

 それでは遠慮なく頂くとするか。


 チキンを両前足で押さえ、味見も無しにイキナリカぶりつく我輩!

 そこは鳥料理、外れなどある訳がない。

 やはり今日も肉なのかと口を動かしながら考えていると……


 あれ?

 なんだ?

 ピリリと来たぞ?

 それにこんな酸っぱかったか?

 

 あっ!

 なんかおかしい!

 口の中で引火したのではないか!?

 痛いぞ!


 いや、爆発?

 ってか痛すぎる! 

 痛い痛い痛い痛いいたあぁぁぁぁぁぁいっ!

 しかも酸っぱくてほっぺがキュッとなるうぅぅぅっ!


 あかん!

 ベチョベチョの前足で目も触ってしまった!

 ギャアァァァァァァァッ!


 視界を奪われた我輩!

 ビビッて闇雲に走り回る!

 そして……


 {どっぷん!}


 水のある場所へ落ちた。

 ここまでか。

 色々楽しかったな。

 我が猫生に悔いはないかも。


 なんとな~くゆらゆら沈むのが分かる。

 でももうどうでもいいや。

 

 しかしその時!

 どこからともなく大音量でのなにかが水中にまでその振動を伝わす!

 なにがおきた!?


 こうして訳の分からないまま、我輩は噴水ショーの真っただ中に!

 気が付けば空中へと打ち出されていた。

 おかげで溺死の危機は消え去った!


 

 その後、高圧で噴き出す水に充てられた我輩はいつまでも空中を彷徨った。

 そう、ショーが終わるまでずっと……

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