吾輩は金儲けの道具ではないのである!①
最近巷では、我輩達の写真集が出回っていると聞く。
それどころか、インターネットでも盛り上がっているとか。
最早猫達の存在感たるやワールドワイド。
猫カフェなるものすら海外進出を果たしたそうな。
我輩達はバイキンだらけだが、衛生的にどうなのかねぇ。
我が町にある商店街は、いつも流行の最先端を行く。
勿論、既に猫カフェもオープン済み。
ところがまた、このカフェが食わせモンなのだ。
理由は衛生状態が極悪とかで、既に市から再三の警告を受けている。
責任者どころか従業員達ですら、その理由は分からないと話しているそうだ。
そんな猫カフェが原因で商店街の評判を落とす訳にもいかず、立ちあがる我輩。
無論、報酬は商店街関係者からごっぽり貰うぞ?
いつも客として訪れているのだが、今回は調査員として乗り込むことにするか。
ズバリ今回の仕事はリサーチである!
おっと、忘れるところだった!
商店街の主、ニャン吉柄を体に施さねば!
そうすれば何かと動きやすいからな。
―― そして猫カフェ前 ――
我輩は猫ゆえ、その重い扉を自力で開ける事が出来ない。
よって、人間が入店すると同時に侵入するのだ。
時々人間の行く手をキョロキョロ見ている猫がいるのをご存知か?
あれ等は今の我輩と同じことを考えている。
背中を丸めて今にも飛びかかってきそうだろう?
あ!
カモが来た!
齢五十前後の餌撒きババァだ!
コヤツは猫にデレデレで、我輩達が何をしても見て見ぬふりをする!
猫側からは最高、人間側からは最低のヤツなのだ!
扉が開いたぞ!
チャ~ンス!
狙い通り、ババァの入店と同時にシレっと室内へ侵入。
従業員達に見つからぬよう、サッと物陰へ!
そこから隈なく店内を見渡す。
一般的に、他所の猫が縄張りに入ろうもんならそこのボスが黙っていない。
しかし案ずるな。
ここのボスはニャン吉なのだ!
ヤツはよく裏口から侵入して悪さをしていくらしい。
序にネコの籠を開放して一匹ずつ力でねじ伏せたのだとか。
よく公園で武勇伝を聞かされた。
おかげで耳からイカが侵入し、何度腰を抜かした・・・
もとい、何度耳にタコが出来たことか・・・。
因みに臭いでは判別できないだろう。
何故なら動物臭さを誤魔化す為、様々な芳香剤が置かれている。
この時点で猫達の事など一切考えていないのが分かるわ!
我輩とて例外ではないぞ?
臭くて鼻がパーになっている。
しかしまだ今は動くべきではない。
息を殺して只管その時を待つのだ。
こうして待つ事七時間、遂にその時はやってくる。
店内が仕事帰りのOL達などで溢れかえるピーク時が・・・。
―― つづく ――




