第三話 入隊式
喧嘩騒動があり、波乱の幕開けとなったが、守備隊の介入により、無事に入隊式が始まった。
司会者「皆さん、本日は遠路はるばるお越しいただき、誠にありがとうございます。今回、司会進行役を務めさせていただきますのは、私レインと申します。それでは早速ですが、≪HEROES≫の所長であります、ボルト所長よりお言葉を頂戴したいと思います。よろしくお願いします。」
すると、大柄の男が壇上に現れた。その男は金色の髪を逆立たせ、左頬に三本の切り傷が刻まれた強面の男だった。
ボルト「私は≪HEROES≫所長のボルトだ。この場を借りて諸君に伝えたいことは一つだ。」
会場が静まり返った。そして、妙な緊張感が張り詰めた。皆、神経を研ぎ澄ませボルトの一言に耳を傾けていた。
ボルト「諸君らに伝えておきたいことは…」
そう言うと少しの間ボルトが静止した。そして、しばらくしてから重い口を開いた。
ボルト「諸君らに伝えたいことは忘れた。よって、思い出したらまた伝える。以上!」
そう言ってボルトは壇上から降り、どこかへ消えてしまった。会場中の人々が「えーーー!!」と驚きを隠せない様子であった。
レオン「えーーー!!」
レオンでさえもこの様子である。
レイン「あっ、ボルト所長ありがとうございました。それでは、皆さんにクラスを発表したいと思います。≪HEROES≫ではまず、研修といたしまして皆さんに<HERO>の極意を学んでいただきます。それから実際に任務をこなしていただくという形になっていますので、ご了承ください。」
会場中からどよめきの声が聞こえた。中には内容に納得のいかない者が悪態をついたり、野次を飛ばしたりしていたが、すぐに治まった。クラス分けをするために守備隊が現れたからだ。クラス分けが終わった後は、祝辞や電報、来賓の方々の挨拶などが1時間ほど続き、ようやく終了した。閉会の挨拶が終わると同時に会場を飛び出す連中もいたが、皆落ち着いた様子でそれぞれの帰路に着いた。レオンもすんなりと帰った。明日から早速講義が始まるため、レオンは家に着くなりすぐに寝てしまった。そして、翌日。ぐっすりと眠れたレオンは、晴れやかな気持ちで≪HEROES≫の隊員初日を迎えた。レオンのクラスはA。レオンは集合時間よりも少し早く着いたのだが、かなりの人数が揃っていた。その中に、昨日喧嘩騒動を起こしていたヒートの姿を発見した。
レオン「やあ、君はヒート君だよね?」
ヒート「おう?よく知ってんなー俺もそこまで有名になったかー!」
レオン「まあ昨日あんな派手にやってたんだからね。俺はレオン。よろしく!」
ヒート「おうよろしくなレオン!俺はスティーブ、みんなからはヒートって呼ばれてる。まあ、俺は誰よりも熱い男だからなー燃えてきたぜー!」
レオン「ははは。(暑苦しいな)」
ガラガラ!!誰かが入ってきたかと思うと、いきなり辺りが凍り付いた。なんとそこにはリオが立っていたのだ。皆、ヒートとリオが喧嘩しているのを目撃していたため、何か悪いことが起きる予感がしたのだ。
リオ「ん?貴様ーまだ生きていたのか!」
リオはヒートの存在に気付くなりいきなり怒声を浴びせた。辺りは再び喧嘩が始まると思ったのだが…
ヒート「あれ?お前誰だっけ?前に合ったことある?」
その場にいる全員が「えーーー!!」って叫んだ!
リオ「貴様ーとぼけているのか?それとも本気で言っているのか?」
ヒート「俺の名前はスティーブ、みんなからはヒートって呼ばれてる。以後よろしくな!」
全員「こいつ本気で覚えてなかった!!」←本気のツッコミ
リオ「なっ…貴様ーこの俺様を忘れただと…あっ、そう言えば名乗ってなかった!畜生俺様の名はリオだ!脳裏に叩き込んでおけ!」
全員「えーーー!!自己紹介になっちゃったー!」←ツッコミ
ヒート「おうリオだな!忘れないぜ!で、こいつがレオンだ!」
レオン「よろしくリオ君!」
リオ「ふん。下らん。」
リオはふてぶてしく席に座った。一時はどうなることかと思われたが、なんとか丸くおさまった。そしてこれからようやく始まる<HERO>の極意とは…
続く…




