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『今までご視聴いただきありがとうございました―』
そう唱え最後の舞台を降りて行く女性キャスター。最後の放送を終えたテレビは砂嵐が一瞬走ると画面が暗くなった。それなりに年季の入ったテレビだ、テレビ自体も寿命を迎えていたのだろう。
今立っているこの場所、この瓦礫の山は、ほんの1時間前まで俺の住む町だったはず。先のテレビ放送を見る限りこれは現実のようだが、あの放送を一体どれだけの人間が見ていたことだろうか。
もしかしたら自分だけかもしれない。
この物語は序盤早々から奇想天外な物だった。
跡形も無くなった町、と言うよりこれは本当に自分の住んでいた町だったのか、それ以前にここは町なのか。と、そんな疑問も抱いてしまう程に変わり果ててしまっている。
まるで夢のようだ、
そんな妄想を打ち消すかのように後ろから凄まじい突風が吹き付けてくる。その突風は辺りにある瓦礫を軽々と薙いだ。体は風に呑まれ髪は揺れる、立っているのもやっとだ。あることを思い出し後ろに向き直る、そして、その光景を見て一歩後ずさる。
家の扉を空けると、壁を突き破った瓦礫がリビングに入り込み廊下まで溢れている。
もう、リビングは瓦礫に埋もれて入れないな―
そのまま階段へと向かい2階に上がる。2階は壁半分が吹き飛ばされて外から丸見えになっていた。自分の部屋まで行くのに底が抜け、壊れた道を飛び越えて進む。自分の部屋の前まで進みドアノブを握る。しかし、扉を開こうとしても固く開かない。悩んだ挙句、結局扉を思いっきり蹴破り部屋へ侵入することにした。ふうと、深呼吸をして俺は、
扉を蹴破った。




