第41話:再会
界はアパートの部屋へと階段を上がると、一番奥の扉へと向かった。ルクスも彼について行く。
「カイ様」
「何だ」
「...失礼ですが、こんなボロい部屋にお住まいになっているんですか?」
「...ボロ家で悪かったな」
「てっきり、大きな屋敷なのかと」
「そんな屋敷、なかなか無いでしょ...」
彼はブツブツ言いながら錠前に鍵を差し込む。蝶番が軋む音と共に扉が開いた。
「ただいま」
部屋の中では、ファイが国語辞典を読み漁っていた。界の帰宅に気付き、顔を上げる。
「おかえり、カイ」
界の後ろから、ルクスが顔を出した。
「ファイ様...!」
彼女の姿を目にしたファイは、目を丸くする。
「...ルクス!?」
ルクスは玄関から駆け出すと、ファイの身体を抱き締める。
「ファイ様が元気そうで、何よりです...!」
「ルクス...苦しいよぉ」
ファイはそう言っていたが、まんざらでも無さそうだ。やはり遠く離れた地で従者と再会できたことが、嬉しかったのだろう。
界は天井を見上げる。これで取りあえずは大丈夫そうだ。ルクスがファイの味方ということが分かれば、大分楽にはなりそうだ。これからファイが暴れた時も、自分以外に手伝ってくれる人が...
「いや待て」
界はルクスの方に視線を向ける。彼女はファイとの抱擁を終え、服装を整えていた。
「どうなさいました、カイ様」
界は溜め息交じりに呟く。
「いや、言ってなかった俺も悪いんだが...」
「何の話ですか?」
ルクスは首を傾げる。
「...土足で上がらないでくれよ」
「あ」
ルクスは頬を赤くする。それを見たファイはふふっと笑った。
「ルクス、大丈夫だよ」
界は溜め息をついた。今ぐらいは良いか。
「...まあ、良いか」
彼は壁際に立つと、背筋をぴんと伸ばした。ファイもその隣に立った。
「では、改めて」
界は軽く頭を下げた。
「ようこそ、地球へ」
ルクスは少し戸惑っていたが、軽く微笑んだ。
「こちらこそ、よろしくお願いします。カイ様」




