↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
17/55

第16話:クローゼットは隠し部屋

 界は部屋の方へと向かう。彼女の着替えをどうするか、という問題が残っていた。しかしこの家の引き出しには、男性用の服しか無い。

「仕方無いな」

 界はTシャツとジーンズ、そして新品の下着をまとめておく。それにバスタオルも添えた。今はこれで我慢して貰うしか無いな。こればっかりはどうしようも無い。

 水音が止んだのを見て、界は扉をノックした。

「ファイ、終わったか」

「うん」

「まだ浴室に居ろよ。洗面所には来るな」

「なんで」

「プライバシーってやつだ」

「そう」

 彼は目を瞑りながら洗面所に入る。恐る恐る目を開くと、浴室からファイの顔だけが出ていた。

「じゃあこのタオルで、身体を拭くんだ」

「承知」

 ファイはタオルを受け取ると、浴室の扉を閉めた。界は後ろを向く。

「カイ」

「何だ」

「チキュウの服は」

「こいつだ」

 彼は後ろを向いたまま、衣類を手渡す。しばらく経つと、Tシャツとジーンズに身を包んだファイが現れた。少し不安そうにしている。サイズは少し大きかったが、特に問題は無さそうだった。

「サイズは、平気そうだな」

「うん」

「気分は?」

「なんか軽くて落ち着かない」

「そりゃ、軍服とは違うからな」

「あと、水を大量に使うことの背徳感がたまらなかった」

「シャワーって、罪悪感が伴うんだな...まあ地球は水が多いから」

 ファイは首を傾げた。襟元から彼女の鎖骨辺りが見えたような気がして、界は目を瞑る。

「どうしたの?」

「...こっちの問題だ」

「?」

 界はこっそり、(ファイってこんなに可愛かったっけな...)と思っていた。地球の服を着せるだけで、こんなに印象が変わるのか。

「えっと...軍服はハンガーに掛けておくか」

「はんがー?」

「こっちに来い」

 界はクローゼットを開ける。ファイは銃を構えるポーズを取った。

「敵襲!?」

「違う、隠し部屋じゃねえ。ここは衣服を仕舞う空間だ」

「誰も居ない?」

「居ない」

 ファイは『銃』を下ろすと、界の隣に立つ。

「で、私の服は?」

「取りあえず、ここに掛けておくか」

 彼はファイの軍服をハンガーに引っ掛けると、クローゼットの扉を丁寧に閉めた。界はその場で伸びをする。

「さて、俺もシャワーに入るか」

「うん」

「部屋が散らかってるが、まあ気楽に過ごしてくれ」

「承知」

「じゃあ俺はこれで。あ、覗くなよ」

「する訳無いじゃん」

「一応、だ」

「時間の無駄だし」

「...理由がお前らしいな」

 界は扉を内側から閉める。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。