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媚薬パニック

そろそろ夏休みも終盤。

この頃に一番心配になること。

課題。

それの真っ最中です。

「和也ここは?」

「ん?あー、それは電子親和力だよ。原子が電子を1つ受け取って1価の陰イオンになる時に放出されるエネルギーだよ」

「はぁ?日本語喋ってよ」

「じゃあお前は日本語習うところから始めろ!」

ハワイに行っていたことで時間がないのだ。

佐姫芭先生には何回も呼び出されたし、本当に迷惑な人だ。

「じゃあこれは?」

「イオン結晶の性質?融点が高いだよ」

「融点?」

「おまっ……はぁ」

ため息しかでない。

というかこれじゃ俺の課題が終わらない。

「なあ、ちょっとは自分で……って泣くなよ!」

自分でまでしか言ってないのに泣きそうだ。

「わかったわかった。俺が悪かった教えるから泣かないでくれ」

「うぅ、うん」

俺も早く終わりたいんだけど……。

「和也、次は?」

「粒子の熱運動は……えーと、拡散じゃないか?」

「あ!あの、物質を構成してる粒子が絶えず運動してることによって実験した時に酸素と窒素が同じ割合になるあれね!」

「あぁ、まぁ説明不足な気もするがよく覚えてたな。偉いぞ」

そう言って俺は可奈の頭を撫でた。

「えへへ〜、偉いでしょ!もっと褒めていいのよ?」

「はいはい、よくできました」

「和也に撫でられるの好き」

それはよかった。

ありがたい……ことなんだよな。

「ラブラブの勉強中ごめんなさーい。はい、これ珈琲よ。寝ないようにね」

「お、おお、お母様!?別にラブラブなんて!」

テンパってる。

ラブラブなんて言われても気にしなきゃいいだけなのに。

「可奈が和也君大好きなのはわかったから。邪魔者は失礼するわね〜、頑張って〜」

「あ!ちょっと!お母様!……行っちゃった」

「まあ、珈琲でも飲んでまた再開しようぜ」

「そうね」

俺は珈琲が大好きだ。

特にブラック、飲み始めた頃は苦いというより酸っぱいという感じで嫌いだったのだが。

いつの間にかそれすらも美味しいと感じてしまうようになったのだ。

慣れとは恐ろしいものだ。

「熱ッ!」

俺は普通に飲んでいたが、可奈がカップを割ってしまった。

「あぁ〜、ちょっとじっとしてろよ。今拭き取るから」

掃除の仕事が一瞬にして増えた。

「ね、ねぇ和也」

「うん?別に手伝うとか考えなくていいぞ?」

「そうじゃなくて……私…胸が熱いの」

「は?」

顔を上げ、可奈を見ると頬が赤く染まって息を荒らげていた。

これは……。

というか、俺もその症状が出始めている?

なんか変な気分だ。

これは……媚薬か。

「ハアハア、落ち着け可奈。ゆっくり……ハア……深呼吸だ」

「う、うん」

可奈は大きく息を吸って、ゆっくりと吐いた。

俺も深呼吸する。

「だめ…全然治らない」

俺も同じだった。

「かずやぁ……見て」

「お、おいちょっと待て、落ち着け」

「こんな状況で落ち着くなんて……無理よ」

そう言うと可奈はスカートをたくしあげ、パンツを見せてきた。

「かずやぁ……かずやぁ、もっと…見てぇ」

「ま、待てわかったから。まずは風呂に入ろう」

「はひ、ごしゅじんしゃまぁ」

ぶっとんでるな。

後で、覚えとけよ。

美緒への怒りを心の中にしまい、風呂へ向かった。


「はぁん!和也!そこ、そこ!」

「変な声出すなよ……こっちも媚薬入ってたんだから」

俺も危ないのだ。

ギリギリ理性を保てている程度。

「もっと触って!もっと見て!もっと揉んでぇぇ!」

くそっ!

可奈…………ごめん!

謝りながら思いっきり胸を揉む。

これが最善の策だから。

「あぁっ!いい!キモチイイ!」

そして湯船に浸かりしっかりと抱きしめる。

俺にも可奈にも安全な策。

風呂から上がったら可奈の部屋へ行き、ベッドで横になる。

可奈はそのまま眠りについた。

「美緒様に言ってこなきゃな」

俺がベッドから降りようとした時。

可奈は俺の腕を掴んでいた。

「……行かないで………」

寝言だとは思うが、放っておくわけにもいかずもう一度隣へ。

そして可奈を抱きしめる。

「はぁ……後で俺がちゃんと勉強教えてやるからな」

そう言った俺もウトウトしてしまい。

ついには眠ってしまった。

「かずやぁ……愛して……る」

可奈の寝言は俺の耳には届くことはなかった。


起きた後は予想通り美緒への説教タイム+おやつ禁止期間の設定。

そして、猛勉強。

皆さんはこうならないようにしっかりと計画性をもって課題を進めましょうね。

残り223日


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