表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

18/24

第十八話 獣人のレノス

「むう。連れていかれてしまったのう……」

「ああ、そうだな」

「──その、なんだ。すまなかったのう」

 魔王はユーマを止めたことを謝罪した。


「いや、いい。あいつを殺したところで村の皆が返ってくるわけではないことはわかっている。止めてくれて感謝している」

 ユーマは珍しく魔王に感謝の意を告げた。魔王は予想だにしなかったその言葉を受け、たじろいでしまっている。


「う、うむ。我は魔王だからな。これくらいは当然だ!」

「ふっ……。それで、これからどうするか。神に辿り着くための道しるべが失われてしまったが」

 ユーマは一瞬微笑みを見せるも、すぐにいつもの冷めた表情に戻る。


「うーむ……ならば仕方ない。一度魔王城へと来ぬか?」

「魔王城に?」

「うむ。実は我の配下に神に詳しいものがおってのう。何を隠そう、我もそやつに神の真実を教えてもらったのじゃ」

「ほう。──まあここにいても埒が明かないのは確かだ。一先ずお前の提案通り、魔王城へ向かうとするか」


 こうしてユーマ達は大神殿を離れ、魔王城へとその足を向けたのであった。


 ☆


 一週間ほどの旅路であっただろうか。ユーマ達は魔王城の入り口へと辿り着いた。

「前も思ったが、これで城と言うのは少し無理があるのではないか?」


 魔王城と呼ばれるものの入り口は大きな坑道のようなもので、先のダンジョン同様に石が積まれて補強がなされていた。


「まあ確かにのう。城と言ってもほとんどが地下だからのう……」

 魔王城はそのほとんどが地下に建造されており、城と言うよりもダンジョンに近いものであった。


 そうしてユーマ達は魔王城の最奥へと進んで行った。

「あ、魔王様! おかえりなさい!」「魔王様ー!!」


 そこは地下とは思えないほどの広々とした広場のような空間で、天井に設けられた沢山のランプにより明るさも確保されていた。

 そしてその広場にはたくさんの魔物達が魔王の帰還を待っていたのであった。


「こいつらは友好的な魔物の派閥なのか?」

「うむ。我と同じく無駄な争いを好まない魔物達じゃ」

 確かに、その広場にいる魔物達は見た目からして争いを好まなそうな魔物ばかりであった。その大半が体が小さく、牙や爪のないもので、どこか小動物的な愛らしささえ感じてしまうほどだ。


「──それで、お前の話していた神に詳しい配下というのはどいつなんだ?」

「ああ、レノス。レノスはおるか??」

 魔王が配下の名を呼ぶ。すると、広場の奥から獣人型の魔物が姿を現した。


 魔王よりも幾らか小柄なその魔物は、肩にかかる程度の長さの綺麗な青色の髪で、瞳の色も髪色と同じであることが特徴的であった。そしてその魔物には人の耳よりも少し高い位置に三角形の耳があり、お尻には長い尻尾が生えていた。


「魔王様、お呼びでしょうか?」

「うむ。少し教えて欲しいことがあってのう。あちらの部屋によいか?」

 魔王はそう言いながら、奥の部屋を指さした。


「かしこまりました」


 そうしてユーマ達は奥の部屋へと移動した。その部屋は、会議室のような部屋で長机に対して向かい合うようにいくつもの椅子が並べられている。


「まあ、座ってくれ」

 魔王の言葉により、ユーマ達は椅子へと腰を掛けた。

 そして早速本題へと話を移していく。


「お主、神に会うための方法になにか心当たりはないかのう?」

 魔王はレノスへと尋ねる。


「神に……ですか。以前にもお話したように、さすがに私でも神に会う方法までは存じ上げません」

「やはりそうか……こりゃ参ったのう」

 魔王はそう言うと、手を伸ばしながら机へと顔を突っ伏した。


「魔王様、はしたないですよ……」

「いいのじゃ!」


(どうやらこのレノスというやつは魔王よりもしっかりしているように見える……)

 ユーマがそんなことを考えていると、レノスが魔王の指にはめられた指輪の存在に気が付いた。


「魔王様、その指輪は一体どこで??」

「ん? これか? グリフォンの複製品が守っておった祭壇で手に入れたものじゃ」

「グリフォンの複製品が!? ──しっかりと見させてください!」

 レノスはそう言うと、魔王の手を思いきり引っ張り自身の顔へと近付けた。


「い、痛い! 痛い!」

 魔王の痛がる声を無視し、レノスは指輪をじっくりと観察する。


「これは……もしかすると。この指輪を手に入れたから、何か変わったことが起きたりなどはありませんでしたか?」

「ふむ……。そういえば神官でないと通れないと言われていた森の入り口で天使の石像に反応していたような……」

「やはりそうですか。魔王様のはめていらっしゃる指輪は神具であると思われます。──グリフォンの複製品が守っていたことを考えると相当に高位なものでしょう。その祭壇付近に神聖文字などはありませんでしたか?」


 魔王はじっくりと考えたのち、こう答えた。

「……さっぱりじゃ。指輪しか見ていなかったからのう」

「さすが魔王様。ユーマ様は何かお気付きにはなりませんでしたか?」

 レノスはさもわかっていたかのように魔王の話を流してユーマに話を振る。


「そういえば、祭壇に何かがびっしりと描かれていたような気がするな。──あの時は何かの模様かと思ってはいたが、今思い返すとあれは文字であったのかも知れないな」

「なるほど……。神聖文字には少々心得があります故、祭壇とやらにご案内いただければ何かわかることがあるやもしれません」

お読みいただきありがとうございます!


面白いな、続きが気になるなと感じていただけたのならば、是非とも『ブックマーク』や『評価』をいただけると嬉しいです!


評価はページの下側にある【☆☆☆☆☆】をタップ、もしくはクリックしていただければ可能です。

今後も面白い話を提供させていただきますので、是非ともブックマークで追いかけていただければと思います!


ユーマと(ポンコツ)魔王の物語に引き続き応援をよろしくお願いします!!

ご意見・ご感想もお待ちしております。どうぞお気軽に!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ