表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

16/24

第十六話 神官長

「おい、これは何かの冗談か?」

 魔王がその身をぷかぷかと浮かせながらユーマに問い詰める。


「──ああ、間違えた。すまんな」

 ユーマのその言葉と共に、魔王の体は自由になる。そして仰向けのまま、ドスンという音とともにお尻から地面に叩きつけられるように着地した。


 痛そうにお尻をさする魔王。だがユーマはそんなことには目もくれずに神官兵達への対処を続けた。


「これだけの数に能力(スキル)を使われても面倒だ……少しの間だけ、静かにしていろ」

 ユーマはそう言うと、神官兵達から光を奪う。

 神官兵達の瞳からは光の輝きが失われ、そして彼らに出来ることは周囲を探るかのようにその手をばたつかせるだけであった。


「しかし、改めてみると末恐ろしいな……こうも簡単に視界を奪ってしまうとはのう」

「ふん。いくぞ」

 魔王の言葉を聞き流し、ユーマはその歩みを進めていった。


(神官長はおそらく一番豪華な建物にいるだろうな……)

 今までの神官達により、神官たちの強欲さと自尊自大な性分を理解していたユーマは、その長たる神官長も同様であると類推し、神官長が控えていそうな建物の目星をつけたのであった。


 そうして大神殿の石畳を進むユーマと魔王。建物内に潜んでいたとみられる神官兵が時折飛び出してくるものの、瞬時に光を奪うことで対応し、その歩みを止めることなく進めていった。


 そしてユーマ達の眼前に、一段と煌びやかで大きい建物が姿を現した。その建物は、他の石造りの建物とは大きく異なり、所々に金や銀などの希少性の高い金属が用いられていた。

「なんじゃ? この建物だけ異質過ぎるのう」

「ああ。おそらくはここに……」


 ユーマはそう言うと、入り口の扉に手を掛けた。

 瞬間、中で爆発でも起こったかのごとく扉が弾け飛ぶ。

 扉は爆煙とともに魔王の横を通過し、勢いよく地面へと叩きつけられた。


 そして扉のあった場所には鎧を身にまとった三人の男達の姿があった。


「貴様、どうやってあの森を超えてきた! ここは神聖なる大神殿なるぞ。貴様のような邪悪なものが立ち入って良い場所ではない!!」

 男の一人が魔王に向かって啖呵を切る。


「──どいつもこいつもうるさいな」

 扉と共に吹き飛ばされたと思われたユーマは、扉に触れた瞬間に危険を察知し、上方へと飛び退いていたのであった。

 そして降下際に二人の男の頭に手を置き、さながら倒立のような姿勢を取った。


 そのまま手の反動を使い魔王の側へとバク転をするかのように飛び跳ねる。

 すると二人の男は突如意識を失い、その場へと倒れ込んでしまった。


「き、貴様! なにをした!!」

「だからうるさいと言っているだろう」

 ユーマは着地した勢いそのままに、男に向かって跳ね飛んだ。

 そして男の頭へと手を触れ、男の意識を奪う。


 ドスンという音とともに男は地面へと突っ伏した。

 そしてユーマは扉を潜る。ユーマの正面には玉座のような立派な椅子が備えられていた。


「──なんだ、誰もいないのう」

 魔王がユーマの後ろからひょこっと顔を出す。


 するとユーマは剣を引き抜くと、誰もいないはずの玉座に向かいその剣を指し示してこう言った。

「お前が神官長か?」


「──なるほどな。これでは神官兵達では相手にならん訳だ」

 空座であったはずの玉座から男の声が聞こえてくる。そして徐々にその姿が現れていった。


 玉座には金髪で長髪、そしてキザったらしい顔の男が座っていた。

 今までの神官同様に神官服を身に纏っているが、首には大きなネックレス、指にはたくさんの指輪がはめられていた。それはまるで自身の身分の高さを誇張するかのように。


「貴様、ユーマと言ったか? まさかあの村の生き残りがいるとは思っても見なかったぞ。──貴様がどうやってここに辿り着いたかは、この際どうでもよい。だがここにいると言うことはあの村で何が起きたのかを知ってしまったということであろう?」


「だからどうした。何が言いたい?」

 そう話すユーマの顔は普段と変わらないように見える。だがその瞳からは僅かに殺気のような鋭さを感じる。


「神に仇なすことは許さん。ここで処分する」

 神官長はそう言うとその瞳を赤く光らせた。


「先に教えておいてやろう。私の能力(スキル)はAランクの『光』。神の寵愛を受ける私にぴったりの能力(スキル)だ」

 神官長は人差し指でユーマを指し示すように右手を上げた。


 そして次の瞬間、神官長の人差し指の指先から光線が放たれた。

 その光線はユーマの右頬を掠るようにして、ユーマの後方の石壁を突き抜けた。


「なんだ? もしや早すぎて避けられないか?? もっと頑張らないと穴だらけになってしまうぞ??」

お読みいただきありがとうございます!


面白いな、続きが気になるなと感じていただけたのならば、是非とも『ブックマーク』や『評価』をいただけると嬉しいです!


評価はページの下側にある【☆☆☆☆☆】をタップ、もしくはクリックしていただければ可能です。

今後も面白い話を提供させていただきますので、是非ともブックマークで追いかけていただければと思います!


ユーマと(ポンコツ)魔王の物語に引き続き応援をよろしくお願いします!!

ご意見・ご感想もお待ちしております。どうぞお気軽に!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ