姉妹の気持ち【愛沙視点】②
「ちゃんと宿題もすすめるのよ?」
「でも、あんまり早く終わらせちゃうと康貴にぃすぐ帰っちゃうよ……?」
確かに……。
「ま、そういうことでーす! よろしくね、お姉ちゃん」
「うん……」
まなみを見送ってまたベッドに置かれたぬいぐるみに顔を埋める。
「康貴はまなみのこと、どう思ってるんだろう……?」
姉の私がドキッとするほど可愛いのだ。
それに私と違って素直で、真っ直ぐだ。
「私が康貴なら……まなみを選ぶなぁ……」
声に出して自分で落ち込む。
まなみは良い子だし、幸せになってくれるならそれでもとも思う。
康貴ならきっとまなみを幸せにしてくれる。それは確信があった。
――でも
「康貴が泊まってる間にデートに誘う……!」
私だって、負けてられない。
「それでなくても家庭教師で接点はまなみのほうがたくさんあるんだから……」
康貴が最終的にまなみを選んだって後悔しないように……。
せめてそう思えるだけは動いてみたい。
「あー……なんか、まなみの気持ちが少しわかったかも……」
きっとまなみのゴールには、仲の良かった三人の関係を取り戻すことが大きな比重を持って加えられてるんだ。
私は自分の気持ちの問題だけど……。
「自分がどうこうより、大切なものなんだろうな……」
我ながらほんと、よくできた妹を持ったものだと思う。
自分のことより人のために頑張れる良い子だ。
「そんな良い子を相手にしてるのかぁ、私」
自信がなくなる。
いや、自信なんてもともとないんだけど……。
「言っても仕方ないんだけど……ね」
でもまなみのおかげでデートに誘う勇気はもらえた気がした。
「尻込みしてる場合じゃない、よね」
そのためには……えっと……。
康貴はどこか行きたいところとか、あるかな?
握りしめていた携帯で行き先候補を探し始める。
「う……」
デートの行き先を探すのだ。
当然のことながら自然と、デートスポットやカップルおすすめ、といった言葉を選ばないといけなくなる。
「これは……意外と恥ずかしい……かも」
決意したはずなのに画面を直視するのが恥ずかしい。
顔が赤くなるのを感じながら色々な行き先候補を眺めて過ごした。
「どうしよう……」
ベッドに寝かせたクマのぬいぐるみに問いかけても、当然返事があるわけもなかった
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