姉妹の気持ち【愛沙視点】①
《いまなにしてるの?》
《宿題はじめたとこ、そっちは?》
《私も宿題はじめた》
《そっか、お互い頑張ろうな》
《うん》
康貴とのメッセージ。前はこんな気軽に送れなかったけど、最近はこうやって連絡を取れば返事をくれるようになった。
良かった、と思う。やっぱり康貴と話せなかった期間は結構、寂しかったんだなって気付かされた。
「って違う! こんな他愛のない話がしたいんじゃないのに!」
確かにメッセージが気軽にできるようになったのはいいんだけど! 今日はそうじゃない!
「それに宿題してるって嘘までついて……」
絶賛ベッドで携帯を握りしめながら転がってる状況に意味のない罪悪感を感じる。
「はぁ……デート、か……」
そう。莉香子たちが私にしたアドバイスを思い出す。
「デートなんて改まって今更どうやって誘えばいいのよ!」
クマのぬいぐるみに八つ当たりしながら悶えていると隣の部屋から声が聞こえてきた。
「お姉ちゃーん! 良いお知らせでーす!」
「どうしたのまなみ?」
部屋に招き入れるなりクッションにダイブするまなみ。変わってなくて可愛いんだけど、いつになったらおとなしくなるのかという不安はちょっとある。
ただまぁ、いまは良いお知らせというのを聞きたかった。
「あのねあのね! 康貴にぃが泊まりに来るよ!」
「そうなの……?」
なし崩し的にこないだ泊まらせてしまったわけだけど、今回はまたなんで……?
「私がお願いしましたー! 家庭教師、合宿です!」
「合宿……?」
わざわざ泊まり込みで、とも思うがまあ、そのあたりはまなみがゴリ押したんだろうなぁ……。
ごめんね康貴……。
「で、何日いるの?」
「んー、二泊、か、三泊?」
結構長かった。
それに……。
「なんで決まってないの……?」
「えーっと……私の宿題が終わるまで、だから?」
なるほど……。まぁ早めに全部終わらせるのは偉いからいいけど、付き合わされる康貴は……。
ま、いいか。
なんだかんだまなみといるのは楽しそうにしてくれているし。
私とは……どうなんだろう。
楽しいって言ってくれたから大丈夫……よね?
よし、大丈夫ってことにしよう。
「お姉ちゃん? 大丈夫?」
「ええ、ごめんね?」
いまはまなみの話に集中しなきゃ……。
「それでね。お母さんとお父さんはその間藤野家に行くんだってー」
なるほど……お母さんとお父さんは藤野家に……えっ⁉
「なんで⁉」
「その間はお母さんたちの部屋が康貴にぃの部屋ってことにするみたい」
「あー……」
そこまでする必要あるのかなって思うけど……まあうちの両親ならそっちのほうが楽しそうというだけで決めかねない。
というか、そうやって決めたんだろうなぁ。
「と、いうことで、朝から晩まで康貴にぃがいます! そこでお願いなんですが……」
「わかってるわ。ちゃんと料理も他の家事もしてあげるから」
「ありがとー! お姉ちゃんすき!」
調子よく抱きついてくるまなみを撫でながら、献立を考え始める。
康貴が好きなものは多分……揚げ物が多いけど、そればっかりだとなぁ……。
卵料理も好きよね、自分でオムライス作れるくらいだし。
康貴のオムライス……小学校の最後のほう、もう若干距離ができかけてた頃に作ってもらったのをよく覚えている。
あの頃から作れたのはすごいわね。私は何か作れただろうか……?
いやあれを見て料理を頑張り始めたんだ……。
当時の私は、多分何も作れなかっただろう。
「ふふ、お姉ちゃん楽しそうな顔してる」
「そんな顔してないわよ」
恥ずかしくなって顔をそむけたが、まなみは笑うだけだった。
もう……なんなの……。
「夜はね、自由時間だからまた三人で遊ぼうね!」
目をキラキラさせるまなみ。
こんな顔されたら何でも付き合ってあげたくなってしまう。
きっとそれは康貴も同じなんだろう。
お久しぶりですー
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11月発売予定です、よろしくお願いいたします。
新作短編ぜひよろしくおねがいします。
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宮廷テイマー、コストカットで追放されて自由を得たので未開拓領域に使い魔の楽園を作ることにする~竜も馬も言うことを聞かなくなったから帰って来いと今更言われても……もうエルフと同盟を結んだので……~




